球~行き着く先は、世界の端~

333×

☆ダイジェスト 21話~29話(脚本)

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〇基地の広場
  ハランは丁寧に頭を下げて、水と食料を分けて欲しい旨を伝えた。
男性「分かった、付いておいで」

〇暖炉のある小屋
  ハラン達へ水を勧めながら、ミムレットとハパルムを見つめる男性。
男性「驚いたよ。君たちのような若者が「球」を必要としているとはね」
ハパルム「あなたは、どうして「球」へ?」
男性「なに、ちょっとした「休憩」さ」
  男性は語った。
  不況の煽りを受けて職を失ったこと。
  貯金が底をつき、住む家も失ったこと。
男性「どん底の時に、「球」と出会ったんだ」
男性「君たちは?」
  ミムレット達は、身の上を話した。
  「球」が滅びに向かっていることも。

〇荒廃した市街地
  しばしの歓談の後、一行は男性の家を出た。
ハラン「一緒に来ませんか?」
男性「いや、やめておくよ」
男性「「球」の崩壊まで、ゆっくり過ごさせてもらうさ」
  男性はそう言って、小屋の中へと戻っていった。
ハパルム「引き留めないんですか?」
ハラン「彼の人生だ。彼が決める」
ハパルム「で、でも・・・引き留めて欲しかったのかも」
シャラ「もしそうなら、引き留める判断をこちらに委ねたということだろう?」
シャラ「だから、こちらは決めた。 引き留めない、とな」
ハパルム「それでも、引き留めて欲しいと思うのは、 弱さでしょうか」
ハラン「その「委ねる」力もまた、「強さ」だよ」
シャラ「それを強さと言うなら、な」
ハパルム「・・・委ねるのも、強さ」

〇魔界
  一行は荒野を渡り歩き
  やがて、異国の街へとたどり着いた。

〇中華風の通り
ハパルム「変わった街だね」
ミムレット「珍しいものがいっぱいだな──ん?」
  ハランに貰った組み紐と、よく似た品を見つけたミムレット。
  ミムレットは、ハランの組み紐と、組み紐に下げた指輪を取り出した。
ハパルム「似てるね」
ハパルム「あれ?ハランさんは?」
シャラ「一人で散歩してるよ」
ミムレット「なあなあ」
ミムレット「この組み紐って・・・外に持ち出せるのか?」
シャラ「「球」の外に?」
  シャラは顎に手を当てて空を見た。
シャラ「「球」の外──現実から持ってきたものなら、外に持ち帰れる」
ハパルム「「球」の中で拾ったものは?」
シャラ「それが、「球」に作られたものなら、持ち出せない」
  と、そこへ一人の女性が現れた。
  臆せず近付くシャラ。
シャラ「なんだ、鈴蘭(リンラン)か」
鈴蘭(リンラン)「「姉君」の方が良かったかい?シャラ」
  鈴蘭と呼ばれた女性は、微笑みながら石のようなものを掲げた。
  シャラは、ハパルムの襟首をつかむと、盾にした。
ハパルム「えっ?」
ミムレット「お前っ──」
  道具へ吸い込まれてしまったハパルムを見て、鈴蘭に躍りかかったミムレットだったが

〇黒背景
ミムレット「ミギャァァアア!!」
ハパルム「ピャァァアア!!」

〇後宮の庭
ミムレット「ってて・・・どこだ?ここ」
  見渡す限り庭園が広がっていた。
ハパルム「あの道具の中!?」
ミムレット「だとすると、外に出るには・・・」
  ミムレットとハパルムは、ハランの言葉を思い出していた。
ミムレット「もし「球」と似た道具なら」
ハパルム「まずは・・・空間の端を探して」
ミムレット「端にある壁?を壊せば外に出られる・・・か?」
ハパルム「うぅ・・・やるしかないよね・・・」
ハパルム「ま、まあ、「球」でもいずれ壁を壊すことになるんだし」
ハパルム「予行演習だと思えば・・・ははっ」
ハパルム「うえーん。どうしてこんなことに?・・・」
ミムレット「まあ、なんとかなるだろ!」
  ハランの教えと、思い出の力を借りて、二人は壁に挑んだ。

〇黒背景
  ミムレットとハパルムの健闘が、道具にヒビを入れていった。
  そして──

〇太子妃の御殿
ハパルム「出られたの?」
  鼻を空に向け、耳をピンと張って、二人は辺りを見渡した。
鈴蘭(リンラン)「お嬢さん達」
ハパルム「き、気安く話しかけないで下さい!」
ミムレット「なぜ、アタシ達を道具に閉じ込めた?」
鈴蘭(リンラン)「仕方ないだろ?」
  鈴蘭は朗らかに笑った。
鈴蘭(リンラン)「お嬢さん達は、敵かもしれないだろ?」
ハパルム「て、敵意はありませんよ?」
ミムレット「勝手に街に入ったのは謝るよ」
鈴蘭(リンラン)「あはは。いい子達だ」
鈴蘭(リンラン)「ハランがご立腹だ。シャラがあんた達を盾に使ったからね」
「えっ」
  激しく火花を散らす二人。
ハパルム「それで、二人は闘ってるんです?」

〇中華風の城下町
  鈴蘭は言った。「二人を止める方法がある」
  「街に入り込んだモンスターを掃討しておくれ」

〇中華風の通り
  順調にモンスターを倒していった二人。
  すると、無数の光が立ち上り始めた。

〇黒背景
  光はやがて、空中に紋様を描き出した。
  鈴蘭の国では、光の紋様をこう呼ぶ──
  「陣」と。

次のエピソード:1 抗い

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