第七話 「暗黒街のまっすぐ亭」(脚本)
〇岩山の中腹
間宮景介「はーーー・・・、大変な事になってしまった・・・」
ディーシャ・バジュランギ「はーーー・・・、爆死が見たかった・・・」
間宮景介「・・・ディーシャさん、僕、泣きますよ」
ディーシャ・バジュランギ「爆死ってアニメみたいだから少し憧れの死に様っぽいよね!?」
間宮景介「妙な共感を求められても困ります・・・」
奥山ペーターゼン「フッ、のんきにしゃべってる場合なのかキサマら」
間宮景介「お前は僕に話しかけるなと言ったはずだ」
奥山ペーターゼン「俺の事はペーターさんと呼べと言ったはずだ」
間宮景介(ぐ、同じ口調でバカにしてくるとは本当にムカつく・・・)
間宮景介(無視しよう、それが一番いい)
間宮景介「ディーシャさん、これから僕はどうすればいいと思います? 」
間宮景介「兄の手がかりが全くありません」
ディーシャ・バジュランギ「約束など無視して逃げるというのはどうだ?」
間宮景介「なるべくなら、きれいに決着をつけて気持ちよくキラキラキャンパスライフを送りたいんですよ・・・」
ディーシャ・バジュランギ「まじめだなー。 ワの国だったら聖人と呼ばれるレベルよ」
間宮景介「でも、探すだけ探して見つからないようなら逃げるのもアリかなって思いました」
奥山ペーターゼン「フッ、大バカめ。モリグチの傍にいた黒いロボは要人暗殺用ロボだ」
奥山ペーターゼン「もし約束を破って逃げればアイツが殺しにくるだろう」
間宮景介「・・・うそでしょ?」
奥山ペーターゼン「うそではない。 だが、大学の外までは追って来ない」
奥山ペーターゼン「最悪の場合はキラキラなんとかを諦めて実家に帰れ。退学しろ」
間宮景介「・・・やだよ、退学なんてやだ」
グゥゥゥゥゥゥ・・・
ディーシャの腹の虫が鳴った。
ディーシャ・バジュランギ「ワはお腹すいた! 何か食べたい!」
間宮景介「そんな事を言ってる場合じゃないですよ! 僕が殺されるかもしれないんですよ!?」
ディーシャ・バジュランギ「おいペーター、この辺にお店屋さんはないのか?」
間宮景介(うう、完全に僕のことなんか他人事なんですね・・・)
奥山ペーターゼン「フッ、少し歩くとモリグチが行きつけにしている定食屋がある」
ディーシャ・バジュランギ「そこだ! 日本の定食は大好きなのねん」
奥山ペーターゼン「そういえば、モリグチがさっき話していたキサマの兄にメシ代を立て替えていたというのもその店だ」
間宮景介「!!」
間宮景介「もしかしたらそこで登くんの手がかりが何かわかるかもしれない!」
ディーシャ・バジュランギ「胃の中のカエル正解を知らす、とはこのことだな!」
間宮景介「なんですかそれ」
ディーシャ・バジュランギ「ワの国では腹が減ると腹の中でカエルが鳴くと言われているのだよ」
ディーシャ・バジュランギ「そのカエルの声を素直にきけば物事の正解を知らせてくれるというワの国の言葉」
奥山ペーターゼン「フッ、腹が減ったらメシを食えと言っているに過ぎん」
ディーシャ・バジュランギ「行こうぜ、めしめし~! ロボ助、案内よろしくだぞ」
奥山ペーターゼン「フッ、ついて来い」
〇殺人現場
間宮景介「すごい、大学の中にこんな街があるんだ」
ディーシャ・バジュランギ「ワの国の下町よりもきったねえー」
奥山ペーターゼン「ここは通称『暗黒街』と呼ばれている」
間宮景介「物騒な名前・・・」
奥山ペーターゼン「大学非公式サークルのサークル室や、非公式な闇研究者の研究室などが集まるちょっとした闇社会だ」
奥山ペーターゼン「一筋縄じゃいかない奴らの吹き溜まりとなっている」
間宮景介「ち、治安は良いの?」
奥山ペーターゼン「フッ、良いわけないだろう」
間宮景介「だよね・・・」
ディーシャ・バジュランギ「早く、定食、腹減った」
奥山ペーターゼン「フッ、すぐそこだ」
〇殺人現場
暗黒街の入り口近くには昭和の香りたっぷりの古びたトタン板建築があった。
奥山ペーターゼン「ここだ」
間宮景介「まっすぐ亭・・・。 なんかちょっと危険な感じがするけど・・・」
ガラガラガラー
ディーシャは何の躊躇もなく戸を開けて店に入っていく。
ディーシャ・バジュランギ「おやじ、邪魔するよー」
間宮景介「無警戒だなー」
奥山ペーターゼン「フッ、行くぞ」
〇たこ焼き屋の店内
國木田亮平「へいらっしゃーい! まっすぐ亭にようこそらっしゃい」
間宮景介(え、Tシャツ短パンにビーチサンダル⁇ まだ4月なのに・・・)
國木田亮平「やー、暑い暑い、まだ4月なのに暑いね~朝から汗だく!」
間宮景介(暑がりの体質なんだ)
ディーシャ・バジュランギ「あんちゃん、生姜焼き定食ひとつ」
國木田亮平「あいよ、ご飯の量どうします? 大盛、特盛、夏休み盛りの3コースあるよ?」
國木田亮平「全部同じ値段でサービス中!」
間宮景介(夏休み盛り・・・⁇)
ディーシャ・バジュランギ「特盛で!」
間宮景介「いやそこは夏休み盛りじゃないんですか!?」
ディーシャ・バジュランギ「特盛がいい・・・」
間宮景介「う、そんな悲しそうな目で見ないでください・・・」
間宮景介「特盛でいいと思います、すいません」
國木田亮平「僕ちゃんは何にします?」
間宮景介「僕ちゃん!?」
ディーシャ・バジュランギ「ぷぷぷ、僕ちゃん!」
間宮景介「えーと、どうしようかな・・・。 あまりお腹は空いてないんですよね」
國木田亮平「うちのオススメはヤキソバ、らーめん、ビールにサザエの網焼きだよ」
奥山ペーターゼン「フッ、定食はどうした」
間宮景介「なんか、海の家みたいですね」
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