ヴィランズトーク

チェンカ☆1159

4話目『食べてください』(脚本)

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〇劇場の楽屋
クゥルフ「やっと今日の撮影が 終わったぜ・・・・・・」
クゥルフ「さっさと帰り支度して──」
クゥルフ「ん?なんだこれ」
クゥルフ「見た感じはアップルパイだな」
クゥルフ「しかも横にご丁寧にメモまで 添えてあるじゃねぇか。 どれどれ──」
クゥルフ「『食べてください』って・・・・・・ 誰かからの差し入れか?」
  クンクンッ
クゥルフ「やばい匂いは――しねぇな」
クゥルフ(さすがにこのまま持って帰るのは キツいし、かといって 置いていくのも気が引ける)
クゥルフ(どうすっかなぁ、これ)
クゥルフ「それにしても・・・・・・」
クゥルフ「すっげぇ美味そうだなこれ」
クゥルフ「ま、まぁ、 一口だけなら・・・・・・」
  パクッ
クゥルフ「なんだこれ! めちゃくちゃ美味いな!?」
  数分後
クゥルフ「あー、美味かった。 怪しんで損したな」
クゥルフ「腹休めもしたし帰るとするか」

〇空き地
クゥルフ「思わず完食しちまったが、」
クゥルフ「あのアップルパイって結局誰から だったんだ・・・・・・?」
妖鬼「クゥルフ!」
クゥルフ「おっ、妖鬼じゃねぇか。 今日の撮影お疲れ」
妖鬼「そっちもお疲れ様」
妖鬼「それよりもクゥルフ」
妖鬼「同じスタジオだったのに 置いていくなんて酷いじゃないか」
クゥルフ「わりぃな。 てっきり先に帰ったのかと」
妖鬼「いやぁ、実は後から差し入れされていた カボチャの煮付けを食べていてね」
妖鬼「少し遅くなったんだ」
クゥルフ「カボチャの煮付け?」
クゥルフ「あー、確かに美味かったよな」
クゥルフ「黄金に輝いていた――アップルパイ」
妖鬼「ん?」
妖鬼「アップルパイってなんの話だ?」
クゥルフ「あ?」
クゥルフ「いやだって、俺のところには メモと一緒にアップルパイが 置いてあって・・・・・・」
妖鬼「メモ?それにはひょっとして 『食べてください』と 書いてあったのか?」
クゥルフ「お、おう」
妖鬼「妙だな・・・・・・」
クゥルフ「な、何が妙なんだよ?」
妖鬼「私の楽屋にもそのメモがあったんだ。 カボチャの煮付けと一緒に」
クゥルフ「マジかよ・・・・・・」
妖鬼「とりあえず状況を整理しよう。 私の楽屋にはカボチャの煮付けがあって、」
妖鬼「クゥルフの楽屋にはアップルパイの 差し入れがあったんだな?」
クゥルフ「お、おう。 全部食っちまった けど・・・・・・」
妖鬼「そうか。 それは私も同じだから安心していい」
妖鬼「仮に何か入っていたとしたら、 少なくともどちらか一方には 実害があるだろうから」
クゥルフ「いや遅延性の何かって 可能性もあるだろうが」
妖鬼「それは・・・・・・言えてるな。 じゃあこれからどうした ものか・・・・・・」
クゥルフ「そういや他の連中のとこには 何が差し入れされていたんだろうな?」
妖鬼「確かにそれも気になるな。 共演者達には次会った時にでも 聞いてみるとしよう」
クゥルフ「さんせー」
ウィチカ「それには及ばんぞぉ、おぬし等」
妖鬼「今日は上からか、 ウィチカ・・・・・・」
クゥルフ「ババアまた盗み聞きかよ」
ウィチカ「堂々と聞いてるじゃろがい」
妖鬼「二人共今は抑えてくれ」
クゥルフ「それもそうだな」
クゥルフ「そんで? ババアはこの件について いったい何を知ってんだ」
ウィチカ「クゥルフ、そう急かすでない」
ウィチカ「結論から言うと 『彼女』による差し入れを貰ったのは おぬし等二人だけじゃ」
妖鬼「彼女って?」
ウィチカ「マラミー。 彼女はアタシと親しい存在。 言わば友人ってやつじゃ」
妖鬼「マラミー・・・・・・」
クゥルフ「ババア俺等以外にダチいたのかよ」
ウィチカ「おるぞ。 しかも昨日できたてホヤホヤじゃ」
妖鬼「その表現は合っているのか?」
ウィチカ「とりあえず本人を呼んだ方が 早そうじゃな。それぇっ!」
  ピッカーン!
クゥルフ「うわっ!」
妖鬼「な、なんだ!?」
マラミー「・・・・・・あら?」
ウィチカ「二人とも、そろそろ目を開けても 大丈夫じゃぞ」
クゥルフ「信じていいやつだろうな?」
ウィチカ「こんな時に嘘言ってどうするんじゃ」
妖鬼「じゃ、じゃあ──」
マラミー「あ、あの、ここって どこかご存知?」
クゥルフ(うわ、すっげぇ美人・・・・・・)
妖鬼「・・・・・・」
ウィチカ「ほれ、二人とも挨拶せんか」
マラミー「あら、ウィチカさんごきげんよう」
ウィチカ「昨日ぶりじゃなマラミー。 そんでな、こやつ等がアタシが 話していた連中じゃ」
マラミー「まあ! あなた方がクゥルフさんと 妖鬼さんなのね!?」
マラミー「こんなに早く会えるなんて素敵!!」
クゥルフ「・・・・・・」
妖鬼「・・・・・・」
ウィチカ「これおぬし等、 黙ってないでなんとか 言ったらどうなんじゃ」
マラミー「はじめましてだから、 緊張しているのかしらね」
ウィチカ「おそらく違うぞ」
マラミー「あら、そうなの?」
マラミー「せっかくだからお話ししたいの だけど・・・・・・ 今日は難しいかしら?」
ウィチカ「やれやれ、仕方ないのぉ」
ウィチカ「他ならぬマラミーの望みじゃ。 意地でもこやつ等を 我に返らせてやるとしよう」
  おしまい・・・・・・?

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