Xヒーロー

語り部

第119話 終わった恋から次の芽へ(脚本)

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〇怪しげな酒場
  2021年 イリノイ州 マディソン郡 イースト・セントルイス ギルド内
ライオネル・トンプソン「これ本当なの?ブローカー。嘘だったらボスと聖人の灰にアンタ売るけど」
ブローカー「いえ間違いないですよマスター。発見した魔術師は『2人』」
ブローカー「聖人の灰の情報にあった、イヴァン・スロヴェーコフとアンナ・バージェスです」
ライオネル・トンプソン「いくらなんでもおかし過ぎない?ギルドの人間、姫の眷属、裏情報屋」
ライオネル・トンプソン「全部使っても『ベリル・ノエル』だけ発見できないとか···これ能力よね?」
ブローカー「そう考えるのが妥当かと。ですが認識阻害系でしょうか?脅威になるにかどうか···」
ライオネル・トンプソン「アンタ暗殺やった事ないから分かんないだろうけど、自分を消せるって凄いのよ?」
ライオネル・トンプソン「動物である以上痕跡はどうやっても残る。汗、唾液、足跡、便、匂い」
ライオネル・トンプソン「それらの痕跡すら『発見させず』私達の目を掻い潜ってる。怖いったらないわ」
  しかしこの時ライオネルはある事に気づく
ライオネル・トンプソン「···そういえばなんで『襲ってこない』のかしら?」
ブローカー「···と言いますと?」
ライオネル・トンプソン「考えてもみなさいよ。自分を構成するものと体外に出たものを認識できなくなるのよ?」
ライオネル・トンプソン「『暗殺も狙撃もやりたい放題』じゃない。なんでやらないのかしら?」
ブローカー「目的がそれではないから···でしょうか」
ライオネル・トンプソン「じゃあなんでここに来てるの?WoOSのボスに言われて来たんでしょ?」
ライオネル・トンプソン「目的は恐らく『ワールドインパクトを潰せ』とかだと思うの」
ライオネル・トンプソン「でもそれをしない··· ··· ···あぁーもう!こういう考え事私苦手なのよ!」
ライオネル・トンプソン「とりあえず斎王くん達にも情報共有しといて!私だけじゃパンクしちゃうから!」
ブローカー「了解ですマスター」

〇シックなカフェ
  ドラフト・キング・カジノ&ホテル内 飲食エリア
鸞「んで結局酒弱い俺と比較的酒強い凪園と斎王とウィリアムだけか···」
凪園無頼「クロノスもいっけどフェードから離れたくねぇって」
斎王幽羅「クロノスらしいね···まぁひとまず昼ごはん食べようよ」

〇シックなカフェ
  食事中
斎王幽羅「というか凪園の私服珍しいね。初めて見た」
凪園無頼「そうっしょー?たまにはこういうのも着てーんだよねー」
鸞「似合ってるな。そうしてると好青年に見えるぞ?」
凪園無頼「でも好青年とはかけ離れた背中してっけどねー」
エンチャント魔導法士「もしかして···背中何か入ってるんですか?」
凪園無頼「そりゃあヤクザだしねー。逃げらんねぇよーにスミ(刺青)入れんの普通だしー」
鸞「だろうな。何が入ってるんだ?」
凪園無頼「『酒呑童子修羅門襲撃絵巻』。見るー?」
  凪園がするっと服をはだけさせ、3人が背中を覗き込んだ
エンチャント魔導法士「おぉ···これは見事な和彫りですね。荒々しい酒呑童子の様子が描かれています」
鸞「火の海の中、他の鬼と共に武者も平民も区別なく食い殺す···中々だな」
斎王幽羅「なんかもっと龍とか虎とか入ってるのかと思ってた」
凪園無頼「あーそれちゃんと理由あってさー。俺らの世界だと」
凪園無頼「『龍虎は死にやすい』って言われてんだよねー。だから余程喧嘩に自信ある奴じゃないと」
凪園無頼「入れねぇんだよねー」
斎王幽羅「そうなんだ!へー···なんかかっこいいから入れてそうなイメージだった」
エンチャント魔導法士「逆に1番入ってるのが多い刺青はなんですか?」
凪園無頼「『人』じゃね?」
斎王幽羅「ひ、人なの···?弱そうじゃない···?」
凪園無頼「まぁねー。どっちかってーと『ゲン担ぎ』目的が多いかなー」
凪園無頼「例えば『雷電為右衛門』とか『桃太郎』とか『弁慶』とかかなー」
エンチャント魔導法士「なるほど···成功者や不動の姿から『倒れない、躓かない』というゲン担ぎなのですね」
斎王幽羅「そういうことか~···魔術とかでもそういうのあったりしますか?」
エンチャント魔導法士「スペインだとトカール・マデーラがありますね」
凪園無頼「何それ」
エンチャント魔導法士「悪いことが起こってたり、良い事続きだった時に『厄除け』で木に触るおまじないです」
エンチャント魔導法士「あとマテース13もありますね。日本だと13日の金曜日が有名ですが」
エンチャント魔導法士「スペインでは13日の火曜日が不吉とされてます。日本でいう4が不吉と同じですね」
斎王幽羅「へぇー、そうなんだ···でもそういうの知ってると話のネタにできそうですね」
凪園無頼「あ、わかるー!それこそー···あれ?そういえばウィリアムってキャバ行くの?」
エンチャント魔導法士「さて···どうでしょう?レディもいらっしゃるので軽々には言えませんね」
鸞「なんだ、俺が邪魔と言いたいのかお前。心配するな」
鸞「訳あって男の下世話な話には耐性がある。身近な奴が歩く猥褻物みたいな奴だったからな」
エンチャント魔導法士「最低ですね···その方に説教してやりたいですね」
(目の前にいるんだよなぁ···)
エンチャント魔導法士「まぁそれならお話しますが···私はXヒーロー加入前までは遊び呆けてました」
エンチャント魔導法士「キャバレーで女性を口説いて『遊び』で終わらせ、次へ。なんて酷い事をしてました」
斎王幽羅(エンチャントさんが言ってた通りだ···)
エンチャント魔導法士「でも···ある女性とディスコで出会いまして。もう一目惚れで」
エンチャント魔導法士「すぐに口説こうとしたのですが、これがまたガードが固いのなんの」
エンチャント魔導法士「そして伺ったんです。『どうしたら俺とシてくれるの?』と···そしたら」
エンチャント魔導法士「『ギルドでTOP10に入れたら、いくらでもシてあげる』と」
斎王幽羅「そこからXヒーローに?」
エンチャント魔導法士「えぇ。結局『X-Day』が終わっても尚私はTOP10入りできず、むしろその方は」
エンチャント魔導法士「幹部と結婚なされた。まぁ···今思えば別の出会い方をしていたとしても」
エンチャント魔導法士「あの方は···夏目さんは『最初から飛鮫さんを選ぶ』気だったのでしょう」
斎王幽羅「動機こそ不純ですけど···今も想いは変わりませんか?」
エンチャント魔導法士「···変わりましたよ。遊びで口説いたのが始まりでしたが今は夏目さんの」
エンチャント魔導法士「『ギラついた太陽のような笑顔』を守りたいな。と思いますね···」
鸞「···他の奴には恋しなかったのか?見た目だけはいいんだ。やりたい放題できたろ」
エンチャント魔導法士「それも考えましたが···ダメでした。どの女性も夏目さん程の『衝撃』がなく」
エンチャント魔導法士「恋するまで至らなかった。遊んでばかりだから主が私に罰を与えたのでしょう」
エンチャント魔導法士「『本当の恋ができないように』と··· ··· ···」
  完食した斎王が少し頭を傾げながら、エンチャントに話す
斎王幽羅「···逆じゃないですか?それ」
エンチャント魔導法士「と···いいますと?」
斎王幽羅「本当の恋ができなくなったんじゃなくて」
斎王幽羅「『本当の恋に目覚めた』んじゃないかなって」
斎王幽羅「だから上辺の関係に満足できなくて、女性経験も豊富だから嘘も見抜けちゃうしで」
斎王幽羅「飢えてたのかなって···どうだろ。違うかもしれないですけど」
  深く息を吐く。内に貯めていた何かを吐き出すようにゆっくりと
  返答はない。でもこれは無視ではなく返す言葉が無い。という意思表示
  エンチャントは完食の後静かにフォークを置き、もう1つ大きな溜息をついた
  To Be Continued··· ··· ···

次のエピソード:第120話 見えないのにそこにある

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