2100年から渋谷の旅

ノスマロ

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〇コックピット
  西暦2080年。世界は多くの事象により分離し、様々な小国が誕生した。
  そのひとつ、ピナ王国は科学の著しい発展により2100年にタイムマシンを完成。
  王国の姫ピナニャは過去のデータから『トーキョーシブヤ』のスイーツの画像にいたく感激する。
  文明の探査という名目で、ほぼ強引に
  2022年の渋谷に降り立つのであった。

〇渋谷駅前

〇渋谷駅前
  プシュ────!!!!
ピナニャ「ふぅ、やっと到着か。 時間移動に時間が掛かっては本末転倒だな」
サルヴァン「ピナニャ様、勝手に外に出ては困ります。 この国、時代の空気がどれほどの濃度なのかまず測定してからでないと」
ピナニャ「オマエも出てるではないか」
サルヴァン「はっ!?」
ピナニャ「少し淀んではいるが耐えられぬほどではない。 よし、早速画像のスイーツを食べに行くぞ!」
サルヴァン「本来の目的を忘れないでくださいよ」
ピナニャ「わかっておるわ。 文明は歩きながら調査したらよいであろう? さっさと行くぞ!」
ピナニャ「スイーツ、スイーツ〜♪」
サルヴァン(淡い期待はやめにしよう)

〇渋谷駅前
ピナニャ「す、すごい人の数だな!?」
サルヴァン「この都市だけでピナ王国くらいいそうですね」
ピナニャ「わわっ!?360度から人が押し寄せてくる! ど、どうしたらいい!?」
サルヴァン「とりあえず人の波に任せましょう!」
ピナニャ「流された・・・しっかしせわしないのぅ。 我々の1.7倍の速度で歩いているぞ」
サルヴァン「とかく時間を守る国民性らしいですから」
ピナニャ「も〜う腹ペコじゃ! 資料の地図の場所に向かう!!」
サルヴァン(お、1.7倍の歩行速度)

〇店の入口
ピナニャ「なんじゃこの行列は!?」
サルヴァン「この店のようですね」
ピナニャ「さっきまでの国民性とは真逆ではないか! 微動だにしておらんぞ!」
サルヴァン「それほどの食べ物なのでしょう」
ピナニャ「そ、そうか!?よ〜し、我らも続け!」
「長い・・・・・・」
ピナニャ「もう1時間は経ったぞ!?」
サルヴァン「この忍耐強さ・・・さすがニンジャの末裔」
ピナニャ「全員末裔なのか?」
ディレクター「じゃアヤコさん、お願いしまーす」
アヤコ「よろしく」
ディレクター「5秒前!4、3、2・・・」
アヤコ「今日は渋谷にある大人気スイーツ店に来てま〜す♪見てくださいこの行〜列!」
アヤコ「どれくらいの列なんでしょう!? いつもの行ってみよ〜♪」
ピナニャ「あれは、カメラか?」
サルヴァン「デカい・・・しかも人が担いでるとは」
ピナニャ「こっちに走ってくるぞ!?」
アヤコ「まだまだ続いてま〜す!」
ピナニャ(そ、相当走ったのに息切れ一つしとらん・・・)
ディレクター「(そこのコスプレの人にインタビュー!)」
アヤコ「お話よろしいですか〜?」
ピナニャ「(自動翻訳機能はオンじゃな) なんじゃ?」
アヤコ「今日はなにを食べに?」
ピナニャ「スイーツ店に並んでるのだからスイーツに決まっておろう」
アヤコ「メニュー豊富ですもんね!その中でどれを?」
ピナニャ「初めて来たのだ。なにがあるかなど知らん!」
アヤコ「事前に検索せず並んだわけですね! それも素敵です♡」
ピナニャ「別にフツーじゃろ・・・」
アヤコ「おふたり素敵な衣装ですが、お隣の方は彼氏さん?」
ピナニャ「服が似てるからといってなぜ恋人と決めつける。友人やも、姉弟やもしれんではないか」
アヤコ「どんな人とでも楽しめる。 そこがこのお店の魅力ですね♪ 以上、ミタアヤコがお伝えしました!」
ピナニャ「こ、コラ聞いておるのか!?」
ディレクター「ハイ!頂きました〜! では次、大人気ラーメン店行きま〜す」
アヤコ「よろしく」
ピナニャ「な、なんじゃ今のは!? 話などひとつも聞いておらんではないか!!」
サルヴァン「ピナニャ様が言いくるめられた姿、初めて見ましたよ」
ピナニャ「なぜうれしそうなのじゃオマエは!!」

〇メイド喫茶
ピナニャ「やっと注文できたな♪」
サルヴァン「目がチカチカする・・・」
店員「パンケーキタワーお待たせしました〜」
ピナニャ「ぬぉぉぉぉぉ♡♡♡♡♡」
店員「お好みでシロップをかけてお召し上がりくださ〜い」
ピナニャ「ふぁ〜い♡」
ピナニャ「見ろ、このそびえ立つパンの層! さんざめくフルーツの草原!」
サルヴァン「否が応でも目に入りますよ」
ピナニャ「い、いざ!いただきまー・・・」
ナナ「ストーーーップ!!!」
ピナニャ「な、なんじゃ!?」
ナナ「すいませ~ん! 食べる前に写真撮ってもいいですか? これ頼む「もさ」初めて見たんで!」
ピナニャ「写真?食べ物なぞ撮ってどうする」
ナナ「もち、インストに載せるんですよ!」
ピナニャ「なんじゃそれは?」
ナナ「えっっ!?インスト知らないってマジですか!?」
ピナニャ「早く教えんか!早く食べたいのだ!!」
ナナ「え〜と・・・こんな感じです」
サルヴァン「写真をWEB上にアップロードして、ハートやコメントをもらう機能のようですね」
ピナニャ「なるほど。 自分の歩みを記録として残し、不特定多数に見てもらうことで言質を取るわけだな?」
ナナ「ゲン、チ・・・??」
ナナ「よくわかんないけど 私高校生だしひとりじゃ食べきれないから、なかなか頼めなくて」
ピナニャ「そなた、ひとりか?」
ナナ「え?ま、まぁ・・・。 あ、今日はたまたまですよ!? いつもは友達と・・・」
ピナニャ「ふむ、では条件を出そう」
ナナ「な、なんですか?」
ピナニャ「そなたが頼んだスイーツも食べさせてほしい。ワタシのも分けよう。 こっちの同じ席で食べようではないか」
ナナ「へっ!!!?じ、条件ってそれですか? どう考えても私の方が得してる気が・・・」
ピナニャ「よいよい。 そうと決まれば早く食べるぞ!」

〇店の入口

〇渋谷駅前

〇コックピット
サルヴァン「いいんですか?過去に記録残しちゃって」
ピナニャ「そんなことで変わる未来なら見てみたいわ」

〇メイド喫茶
  今日ね、すっごい奇跡が起こったの!
  今話題の大人気スイーツ店に行ったんだけど
  なんとあのパンケーキタワーを注文した人が!
  その人たちがなんかサイバ〜な
  カッコイイ感じで
  しかも一緒に食べようだって!
  もうちょーーやさしかった!
  サイコーの日だったな〜
  また会いたいな・・・

〇コックピット
ピナニャ(・・・また来よっと)
  お・わ・り♡

コメント

  • いつの時代もスイーツは気になりますよね。
    おいしそうなのを見せられると、つい並んでしまうのもわかります。笑
    知らない人との分け合いっことか、楽しそうだなぁと。

  • 高飛車なピナニャのコスプレ姿が可愛いです。スイーツを食べたいためにスイーツ店で行列に並ぶところが性格は悪くなく素直そうですね。

  • 2100年にはこの偉大なるスイーツがなくなってる…?!
    この世からスイーツがなくなったら生きる目的が…大袈裟か笑
    こうして過去と未来と繋がれるって、なんかロマンチックですね!

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