学問ロボ 禁断の!奥村ペーターゼン

爆発屋そが

第四話 「お前は嫌われ者」(脚本)

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〇大学の広場
  入学式の日から2週間。
  ペーターの案内でなんとか一般キャンパスに帰った景介とディーシャは大学生活をスタートさせていた。
  多くの新入生が新生活を楽しんでいる中、景介は悪夢のような日々を過ごしていた。
  自称、学問支援ロボ・奥村ペーターゼン。
  この悪霊が24時間態勢で景介に取り憑いているのだった・・・。

〇学食
  景介とペーターはランチで賑わう学生食堂のテーブルに座っている。
間宮景介「ペーターさん」
奥山ペーターゼン「フ、どうした。俺と話したいのか?」
間宮景介「話したくはないんですけど、話さざるをえないということです」
奥山ペーターゼン「ほう・・・」
間宮景介「この状況を見てください」
  混雑する食堂の中で景介とペーターのいる周辺だけ不自然なまでに誰もいない。
間宮景介「これ、どうしてだと思いますか?」
奥山ペーターゼン「フッ、キサマが嫌われているからだ」
間宮景介「違います。 ペーターさんが嫌われているんです!」
奥山ペーターゼン「フッ」
間宮景介「ペータさんが学生に片っ端から「学問とは何ぞや?」と聞いて追いかけ回すから気味悪がられてるんですよ!」
間宮景介「一部始終を動画に撮られてSNSで拡散されて、あっというまに有名人です!」
間宮景介「大学・ロボ・気味悪い、で検索してみてください」
間宮景介「いーっぱい動画が出てきますから! 全部悪口書かれてます! すごい数です!」
奥山ペーターゼン「俺にインターネット機能は無い」
間宮景介「ペーターさんがいるから僕まで嫌な目で見られて、誰も口をきいてくれません!」
間宮景介「友達ができないんですよ! ペーターさんのせ・い・で!」
奥山ペーターゼン「フッ、友達ができないのを他人のせいにするとは根性の叩き直し甲斐がある奴だ」
間宮景介「僕は友達をたくさん作って、彼女も作って、飲み会やイベントにもたくさん行きたいんです!」
間宮景介「キラキラキャンパスライフがしたいんです!」
間宮景介「このままじゃ大学4年間が暗黒時代になってしまうんですよ!」
間宮景介「もう2度と暗黒時代はイヤなんです!!」
奥山ペーターゼン「フッ、キサマは暗黒経験があるのか?」
間宮景介「あまり言いたくないけど、高校3年間ずっと暗黒時代です」
奥山ペーターゼン「お前は今、初めておもしろい事を言った」
間宮景介「おもしろくないですよ!」
間宮景介「全寮制の名門野球部で最下層の8軍ベンチ選手として卒業まで過ごし続ける気持ちがわかりますか?」
奥山ペーターゼン「わかるはずなかろう。せめて7軍へ上がれ」
間宮景介「レベルが高すぎたんです! 入る学校を間違えたんです!」
間宮景介「後輩にもどんどん追い越されていって、寮の中で肩身が狭くなっていくあの惨めな気持ち!」
間宮景介「練習きついし勉強きついし、寮ではすみっこ暮らしだし、楽しい思い出なんかひとつも無いんですよ!」
間宮景介「だから!」
間宮景介「大学ではキラキラした楽しい青春キャンパスライフがしたいんです!」
間宮景介「心の底からキラキラを欲しているんですよ!」
間宮景介「ペーターさん、お願いですから奥地へ帰ってください」
間宮景介「僕の事はどうか放っておいてください」
奥山ペーターゼン「フッ、断る」
奥山ペーターゼン「俺は一度決めたことを最後までやり遂げる高性能ロボだ」
奥山ペーターゼン「お前の学問を4年間みっちり支援してやる」
間宮景介「ぐぐ・・・」
間宮景介(・・・だめだ)
間宮景介(このバカロボには何を言っても通じない・・・)
間宮景介(どうしたらいいんだ・・・)
  景介が悩んでいるとテーブルの下から突然ディーシャが現れた。
間宮景介「うわっ、ディーシャさん!」
ディーシャ・バジュランギ「8軍ベンチってじわじわ面白いな」
間宮景介「なんでテーブルの下から出てくるんですか!?」
ディーシャ・バジュランギ「えへ、驚かそうと思って」
間宮景介「やめてくださいよ・・・」
ディーシャ・バジュランギ「アニメ化希望!」
間宮景介「何をですか?」
ディーシャ・バジュランギ「景介の暗黒時代」
間宮景介「やですよそんなアニメ!」
ディーシャ・バジュランギ「高校編・大学編の2シーズンで」
間宮景介「大学はまだ暗黒時代になってませんから!」
ディーシャ・バジュランギ「冗談だよ冗談」
間宮景介「大学編の原作が生まれてしまうのを今必死で食い止めようとしてるんです!」
ディーシャ・バジュランギ「頑張れよ」
間宮景介「頑張ります!」
間宮景介(ディーシャさんだけは毎日こうして話しかけてくれる。本当にありがたい)
間宮景介(この2週間、ディーシャさんがいなかったら僕は心が折れていたと思う)
間宮景介(ディーシャさんだけは大事にしなくては!)
奥山ペーターゼン「ディーシャよ」
ディーシャ・バジュランギ「はん?」
奥山ペーターゼン「学問とは何ぞや?」
間宮景介「うわ!!」
ディーシャ・バジュランギ「わからない、興味ナイ。この質問66回目」
間宮景介「ちょっとペーターさん!」
間宮景介「ディーシャさんに「学問とは何ぞや」をするのやめてください! 禁止!」
間宮景介「ディーシャさんが離れて行ってしまったらどうするんですか!」
間宮景介「僕の話、ちゃんと聞いてたんですか!?」
奥山ペーターゼン「フッ、8軍ベンチのことか?」
間宮景介「そこじゃないです!」
間宮景介「ディーシャさんがいる間はどこかあっちにでも行っててください!」

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