第116話 最低な魔術師(脚本)
〇繁華な通り
2021年 イリノイ州 マディソン郡 イースト・セントルイス 中央街
斎王幽羅「西側から少し離れたら、こんなに栄えてるんだ。凄いなぁ···」
エンチャント魔導法士「あの··· ··· ···あの方達が持っている物は何ですか?」
凪園無頼「スマホ。まぁー···携帯電話だけど、わかるー?」
エンチャント魔導法士「携帯電話!?ショルダーフォンみたいな物でしょうか···」
凪園無頼「何それ?」
鸞「バッグみたいに肩から掛けて持ち歩ける電話だ。5kgもある上バッテリーも」
鸞「3時間しか持たないから金持ちしか持ってなかった代物だ」
凪園無頼「へー。でも3代目の時代ってバブルっしょ?やっぱポケベルあったん?」
エンチャント魔導法士「勿論です。よく49-106と送られてたものですよ」
凪園無頼「は?なにそれ。忍者の暗号?鸞解いてー」
鸞「俺に言われたってわかるか···49···至急か?106···テム?」
エンチャント魔導法士「106は番号案内ですよ。ありますよね?番号案内」
凪園無頼「聞いた事ねー!番号とかわかるくねー?」
エンチャント魔導法士「え、分かりませんよ?だから番号案内に電話して『○○の番号教えて』と聞くんです」
エンチャント魔導法士「そうして番号案内の方が調べて、そこで初めて電話したい相手の番号を知れるんです」
鸞「マジか···始めて知ったぞ···手間がかかりすぎるなそれ」
凪園無頼「マジそれー!俺ダルすぎて無理ー!」
凪園無頼「今ならググって終わりだしー?なんなら、SNSで集まれっし?便利ー!」
エンチャント魔導法士「ググ···?SN···?はぁ···よくわかりませんが」
エンチャント魔導法士「私の居た時代からたった40年でそんなにも便利になったのですね」
そんな話をしながら歩いていると、破裂音と共に数名の男が店から逃走を試みていた
エンチャント魔導法士「『カルヴァリオの巡礼』」
しかしエンチャントはここで手をかざし魔法陣を生成すると
コンクリートは粘土質に変化し、強盗達の足に泥のようにまとわりつき
そこから瞬時に材質はコンクリートに変化。強盗達は身動きが取れなくなっていた
鸞「腐っても鯛。という所か?流石だな、エンチャ···じゃなくてウィリアム」
エンチャント魔導法士「お褒めに預かり感謝いたします鸞さん。さて···」
エンチャントは強盗の前で体を屈ませながら 、笑顔で話し始める
エンチャント魔導法士「If it's not a trouble」
エンチャント魔導法士「could you return the item?」
エンチャント魔導法士「*よろしければ、店から盗んだ物をお返し頂けますか?*」
しかし強盗はエンチャントに唾を吐きかけ『くたばれ』と返す。すると
唖然とした。エンチャントは拾った石で包丁を作り出すと迷いなく強盗の心臓めがけて
一刺しした。躊躇はなく、遠慮もなく、軽い様子であった
鸞「お前···!何やってんだ!殺す事ないだろうが!!」
エンチャント魔導法士「いけませんか?細胞が死ぬ様子を見ないと『若返り』の研究になりませんし」
エンチャント魔導法士「犯罪者相手なので都合がいいかなと思いまして。ふむふむ···なるほど」
エンチャントは包丁を抜き取り、傷の様子をじっくり観察しながら強盗がゆっくりと
命を終える様子を観察し続けていた
キング「じいさんが若い頃の自分は『ひどい』って言ってたが」
キング「犯罪者相手にこんなこと繰り返してたのかもな···そりゃひどいわな」
そしてエンチャントはとっくに絶命している強盗に対して、手をかざし
傷を塞ぐように作り替える『練習』を始める。しかし、それはうまくいかず
傷口はひどく『ぐちゃぐちゃに広がり』、エンチャントは落胆の様子を見せた
斎王幽羅「ウィリアムさん。どんな人でも必ず更生のチャンスは必要だと思います」
斎王幽羅「貴方は今そのチャンスを故意に奪った。理由を聞かせてもらっても?」
エンチャント魔導法士「『可哀想』だからです。あのままいけば主のお許しが出ず」
エンチャント魔導法士「エデンへ行けないでしょう?そうする為に私の身勝手で死んだ『悲しき魂』として」
エンチャント魔導法士「死んだ方がエデンへ行ける。私は魔術の研究もできて、一石二鳥なのですが···」
斎王幽羅「じゃあ聞きます。この人は強盗して、反省の態度は見られなかった」
斎王幽羅「それを裁くのは『ウィリアムさん何ですか?』俺は被害者と」
斎王幽羅「ウィリアムさんが言う『主』が裁くべきなんじゃないかな?って思います」
斎王幽羅「ウィリアムさんは··· ··· ···」
斎王幽羅「『主』を言い訳に『殺人』をしているに過ぎません」
斎王幽羅「神王さんが···鶻さんが···それを許していたとしても」
斎王幽羅「俺はそれを『許せない』。少なくとも今後俺の前ではこんな事しないでください」
エンチャント魔導法士「貴方がどう思うかなんて知りません。これはあくまで研究なのです」
エンチャント魔導法士「ドイツの人体実験が後の医学に役立ったように、私の細胞に関する魔術の研究も」
エンチャント魔導法士「後の魔術師達には必要なのです。貴方の感情でどうのこうのと言われても」
エンチャント魔導法士「私はやめる気はありません。それに···」
エンチャント魔導法士「貴方だって仲間や市民の守る為なら『悪人殺し』をするでしょう?違いますか?」
斎王幽羅「『違いません』。ですが···俺は命を繋ぎ未来へ進めるために、人を殺めます」
斎王幽羅「ウィリアムさんはどうですか?『知識欲』の為に人を殺めますか?もしそうなら···」
斎王幽羅「『主』は貴方に罰を与え苦しみを与えるでしょう」
エンチャントはそれには返答せず、1人足速にその場を立ち去った
To Be Continued··· ··· ···


