ぐるぐる渋谷

ちゅら子

エピソード1(脚本)

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〇渋谷スクランブルスクエア
  これは私が体験した、本当の話です。
  信じてもらえないかもしれないけれど・・・

〇異世界のオフィスフロア
  私は渋谷で働いています。
  今の会社は転職4年目。
  カタログの編集ですが、毎年同じ作業の繰り返しで、ちょっと飽きてきた。

〇オフィスの廊下
  でも、まあ、慣れれば楽に流せる仕事なので、そんなに不満はないかな。
  残業もほとんどないし。今日も定刻で終了。
  お疲れ様~

〇オフィスの廊下
  朝が来て、出勤して、夜が来て、帰宅して・・・その繰り返しで、毎日が、一年が、ぐるぐる回っている。
  まるで山手線みたいに。

〇渋谷のスクランブル交差点
  時々、途中下車して寄り道を楽しむ。
  今日は隣の原宿駅でヨーコと待ち合わせ。
  一緒にご飯を食べる予定。
  で、渋谷駅へ急ぐ。

〇渋谷のスクランブル交差点
「いつも凄い人だなあ・・・この人ごみの中には幽霊も相当数混じっているらしいけど」

〇改札口前
小夜子「6時15分か。原宿まで一駅だから、待ち合わせまで十分間に合うな」

〇駅のホーム
  ホームに出たら、ちょうど電車が入ってきた。グッドタイミング。

〇電車の座席
小夜子(山手線、今日は空いてるなあ。一駅だけ乗るのがもったいないみたい)

〇電車の座席
小夜子(うーん、眠くなってきた。いやいや、もうすぐ着くんだから、寝ちゃだめ)

〇電車の座席
  ゴゴゴゴ―

〇電車の座席
  ガタンゴトン、ガタンゴトン・・・

〇電車の座席
  キキ―ッ

〇電車の中
小夜子(着いたかな)

〇電車の中
小夜子(ん?)

〇電車の中
  ドアが開いた。しかしそこは・・・

  渋谷のホームだった!!

小夜子「え・・・どういうこと!? 渋谷から乗って、なんで渋谷に着くの!?」

〇渋谷のスクランブル交差点
「私、確かに渋谷から乗ったよね!? スクランブル交差点、歩いてきたよね!? ええええええええええええ!? どういうこと!?」

〇駅のホーム
  いったい、私はどこにいるのか?
  頬をつねっても、耳を引っ張っても、夢ではなく、そこはさっき私が乗った場所、渋谷駅。

〇電車の座席
小夜子「まさか私、電車に乗らなかったのかしら? いや、そんなことはない。確かに乗った。いつもより空いていたけど、乗客もいたし」

〇駅のホーム
小夜子「他の乗客は普通に乗り込み、普通に降りていった・・・。私だけ、異世界に迷い込んでしまったようだ。ここは本当に渋谷なのか?」

〇時計台の中
  時計を見ると6時20分。電車に乗ったときから5分しか経っていない。
  この5分間、私はどこからどこへ移動していたんだろう?

〇店の入口
  不安だったけど、もう一度電車に乗り直し、今度はちゃんと(?)原宿駅に着いた。
  ヨーコとは無事に会えた・・・。

〇レストランの個室
ヨーコ「えーっ?渋谷から乗って、渋谷に着いたって!? 寝過ごして、山手線を一周しちゃったんじゃないの?」

〇レストランの個室
小夜子「ヨーコは信じられないと思うけど、仮に寝すごしたとしても、山手線一周してたら、5分じゃ着かないでしょ!」

〇レストランの個室
ヨーコ「そうだねえ・・・なんか怖い。まあ、でも、異世界に行かないで良かったじゃない!さあ、飲も飲も!」

〇レストランの個室
  本当にここは異世界じゃないのか。毎日ぐるぐる渋谷と家を往復しながら、今だにふと、私は考えてしまうのです。

〇時計台の中
  よく知っているつもりの世界だけど、実は全然知らない世界を、毎日ぐるぐるさまよっているのではないかと・・・。

コメント

  • ただの夢だったのか、それとも…。最初は山手線一周してたってオチだと思ったら、そんな話ではないですね。忘れた頃にまた起こるかも…

  • 不思議な現象か、無意識のうちのおかしな行動か、あるいは実は1時間5分経過していたのか、何だか真相がとても気になる物語ですね。

  • 不思議ですね。でもなんか似たようなことって、経験したことある人結構いる気がします。わたしも小さな頃近所を自転車で走っていたら、すごく大きな木のある神社について、でもそんなところは近所にはないんです。どうやって帰ったかまた覚えてないんですけど、あの光景は未だに忘れられなくて、違う世界に行ったのではないかと思います。

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