②誰と誰(脚本)
〇住宅街
男「えーっと・・・確かにこの辺に 俺の家があるはずなんだけど・・・」
男「住所は・・・ ここだ!!」
〇古いアパート
ただいま!
俺のマイホーム!!
「げげっ」
男「すげー、ポストに溜まってんじゃん!!」
〇汚い一人部屋
まあ、三年も帰らなかったんだし
当然っちゃ、当然か。
男「水道・電気に ケータイ代の請求・・・ 結構溜まってるな・・・」
男「ん? なんだこの紙?」
『三ツ島ファイナンス』からのお知らせ
男「これは・・・ 金融会社か?」
男「記憶をなくす前の俺 だらしなさすぎだろ・・・」
男「えーっと・・・なになに・・・ 未払い金が・・・」
男「一,十,百,千,・・・・・・ ・・・・・・」
男「・・・・・・ 嘘だろ・・・」
未払い金:3,000,000
男「さんびゃく・・・まんえん・・・」
男「今俺の全財産は一万円のみ・・・ 返済期限ももうすぐじゃねえか!!??」
男「今から仕事探すにも時間がねぇし!」
男「なにしろ・・・短期間で300万も 返済できるはずがねぇ!!!」
男「できる・・・ はずが・・・・・・」
男「あ・・・」
〇ビルの裏
〇汚い一人部屋
男「ひと月で・・・ 300万円か・・・」
男「・・・・・・」
〇ビルの裏
あんたはこの仕事を
絶対に受けることになる
そういう“運命”なのさ
〇汚い一人部屋
男「あいつしか・・・ いないのか・・・」
男「迷ってる暇は ないな・・・」
男「もしもし・・・ 話があるんだが・・・」
〇汚い一人部屋
てなわけで・・・
今に至るわけだが・・・
指定されたバイトの内容はこうだ。
①これから毎日『江戸すたぐらむ』というSNSで『へパネア』というユーザー名の
アカウントの投稿を見ること
②その投稿を見た後に感想を私(占い師)に送ること。
男「③この仕事は途中でキャンセルできない・・・ か・・・」
男「しかし・・・ なんだこの仕事は・・・ 何の意味があるんだ・・・」
〇ゲームセンター
@へパネア
新作の「かかたん」の
フィギュアGET~!!!
愛おしすぎるて~♡
〇汚い一人部屋
男(この仕事を始めて三日経ったが・・・ この『へパネア』というアカウント・・・)
男(ずっと趣味の投稿しか していないぞ・・・)
どうやら、この「かかたん」とかいう
キャラクターに夢中らしい
男(どっかで見たことあるようなキャラクターだが・・・・・・ 『へパネア』は何歳なんだ・・・)
〇古い本
今日の感想
男「へパネアは何歳なのか気になった。 あと、俺は何を見せられてるんだ? ちなみに、「かかたん」はかわいいと思ったぜ」
占い師「感想どうも。 引き続き頼む」
〇汚い一人部屋
7日目
一週間経過して
この『へパネア』という人物が
どういう人物か見えてきた。
まず・・・すごいオタクだ。
アニメのキャラやらゲームの話の投稿ばかりで、正直なんの話か全く分からない。
〇黒背景
@へパネア
かかたん今日も、らぶいっぱい♡
お仕事行ってくるね♡ンチュ
〇汚い一人部屋
そして・・・
どうやら独り身のようだ。
顔は見えないから手で判断するに・・・
指輪はつけていないし、家族らしき人の存在も投稿からは感じられなかった。
男「今日も「かかたん」の投稿かよ・・・」
男「まあ、こんなに一つのものを好きになれるのは、ある意味尊敬できるが・・・」
〇古い本
今日の感想
男「「かかたん」好きすぎだろこいつ!! まあ、仕事をしているのは偉いが・・・ こいつの将来が心配だぜ」
占い師「感想どうも。 引き続き頼む」
〇汚い一人部屋
男(しかし・・・なんでこの仕事は『へパネア』を監視するだけで、お金がもらえるんだ?)
もしかして『へパネア』は国の要人の裏アカウントで
それを監視するのが目的・・・とか?
怪しい仕事だ。
何か目的があるんだろう・・・
でも本当にこの仕事の目的が分からない・・・
ただのオタクだぞ・・・
『へパネア』・・・
一体何者なんだ。
〇汚い一人部屋
10日目
男「ふぁ~あ・・・」
男「今日も仕事するか」
男「流石にもう「かかたん」はもう飽きたぞ」
男「頼むぜ『へパネア』・・・・・・ ん・・・・・・」
男「こ、これは・・・・・・ 嘘だろ・・・ 『へパネア』・・・」


