読切(脚本)
〇病院の診察室
医者「余命・・・」
医者「3カ月です」
相馬海里「そう・・・ですか・・・」
相馬海里(だろうな・・・)
相馬海里(最近よくぶつけるし)
相馬海里(思い通りに絵も描けない)
相馬海里(すぐ息切れするからどこにも行けない)
相馬海里(前の俺とは全然違う)
医者「動けるうちに、 会いたい人に会いに行ってください」
相馬海里「────」
〇ネオン街
相馬海里「とは言ってもなぁ・・・」
相馬海里(調子悪くて寝てたから金なんて無いし)
相馬海里(会いたい人に会いに行けるのは 懐に余裕のある人だけだよなぁ)
道端のお姉さん「そこのお兄さん」
道端のお姉さん「いま、しあわせですか?」
道端のお姉さん「氣、足りてませんよ」
道端のお姉さん「私たちに悩みを打ち明けてみませんか?」
相馬海里「結構です」
相馬海里(幸せになったってどうせ死ぬし)
〇ネオン街
相馬海里「あれは・・・」
相馬海里「確か、中学の同級生の・・・」
相馬海里(尾形さんだ)
相馬海里(近くに住んでたのか)
相馬海里(変わってないな)
相馬海里(可愛いー!!)
小野川尊「深冬」
小野川尊「さっさと行くぞ」
相馬海里(彼氏いんのかよ)
相馬海里(そうだよな)
相馬海里(いい歳だし)
相馬海里(付き合ってるヤツくらいいるよな)
〇図書館
相馬海里(いつものメガネがない・・・)
尾形さんの可愛さを知ってるのは
俺だけだと思ってたのになぁ
〇ネオン街
相馬海里(帰ろ・・・)
「お前さぁ、もっとちゃんとしてよ」
〇ネオン街
小野川尊「お前が調べておけば こんなことにはならなかったんだよ」
尾形深冬「わ、」
尾形深冬「私だって知らなかったの」
小野川尊「スマホいじってる時間あったら調べるくらいできるよね?」
尾形深冬「それは・・・」
小野川尊「お前暇なんだから」
尾形深冬「・・・」
〇ネオン街
相馬海里「・・・」
臨時休業
相馬海里(なるほど・・・)
小野川尊「いつもそうだよな」
小野川尊「どこでもいいって言って 店すら決めてくんねぇし」
小野川尊「飯食うの毎回こんな時間になるじゃん」
尾形深冬「それは・・・」
〇商業ビル
「もしかして、尾形さん!?」
尾形深冬「──」
尾形深冬「相馬くん?」
尾形深冬「お久しぶりです・・・!! ええと・・・」
尾形深冬「調子悪いって言ってたけど大丈夫なの?」
相馬海里「ちょっとな」
相馬海里「そこの病院に通院してて」
相馬海里「この辺よく来るんだ」
相馬海里「この方は・・・彼氏さん?」
尾形深冬「ううん・・・夫」
相馬海里(結婚してたのか!!)
相馬海里「そっか、お幸せにな!」
〇商業ビル
小野川尊「深冬」
小野川尊「今の誰?」
小野川尊「僕より稼いでないくせに遊んでるとは いいご身分だな」
尾形深冬「遊んでないよ」
尾形深冬「去年、同窓会で会っただけ」
〇ビルの裏通り
相馬海里「・・・・・・」
相馬海里「なんだアイツ」
相馬海里「いてっ」
相馬海里「・・・」
相馬海里(バカ足)
〇ビルの裏通り
何なんだよ
こっちは脚ひとつまともに
動かせねぇっていうのに
偉そうにすんなや
健康なら
金もあるなら
もっと優しくできんだろ
いつの時代だと思ってんだ
今 令和だぞ?
その女は下僕じゃねぇよ!
相馬海里「いっそのこと俺が奪えば──」
相馬海里「無理か・・・」
〇アーケード商店街
(こんな俺じゃ・・・)
占い師「そこのお兄さん」
占い師「占いどうですか?」
占い師「今なら5000円にサービスしてますよ」
相馬海里「結構です」
占い師「そうおっしゃらずに」
占い師「あなた、不幸なオーラが出ていますよ」
占い師「このままでは死んでしまいます」
占い師「すぐに開運グッズを身に着けないと・・・」
相馬海里「結構・・・」
相馬海里「いや、いただきます」
占い師「あなたへのおすすめはこちらですよ」
占い師「賽の河原の小石で作ったパワーストーン」
占い師「平安時代末期の指輪」
占い師「聞くだけで浄化される 釧路湿原のヒーリングミュージック」
相馬海里「・・・」
相馬海里「じゃあこれください」
占い師「こちらですか!?」
占い師「お客様、こちらは呪いの人形です」
占い師「わたくしとしては、 他人を呪うよりご自分の幸せを祈った方が よろしいかと・・・」
相馬海里「かまいません いただきます」
相馬海里(どうせ死ぬし)
相馬海里(呪いなんか全然怖くないわ)
〇総合病院
看護師「消灯時間ですよー」
相馬海里「はーい」
〇病室(椅子無し)
相馬海里「どうせ幸せになれないんなら」
相馬海里「尾形さんを不幸にするアイツを呪って死んでやる」
〇黒背景
相馬海里「・・・」
相馬海里「なんだこれ よく見ると使用済みじゃねぇか」
〇病室(椅子無し)
相馬海里「騙された」
相馬海里「・・・」
相馬海里「・・・」
〇教室の教壇
〇病室(椅子無し)
相馬海里「俺と同じだな・・・」
〇病室(椅子無し)
相馬海里「できた!!」
相馬海里「俺たちは仲間だ」
相馬海里「ずっと一緒にいような」
相馬海里「約束だぞ」
〇大きい病院の廊下
看護師「ヤバ・・・」
看護師「ついに頭まで・・・」
看護師「見てられないッスね・・・」
〇病室(椅子無し)
相馬海里「いい朝だ・・・」
相馬海里「こんな気持ちなのも君のおかげだ」
相馬海里「最期まで一緒にいような」
「先程入って来たニュースです」
〇渋谷スクランブルスクエア
アナウンサー「本日午前7時頃」
アナウンサー「第一ビルの階段の踊り場から 男性が誤って落下しました」
アナウンサー「男性は酒に酔った状態で 出勤していたとみられ」
アナウンサー「全身を強く打ち その場で死亡が確認されました」
相馬海里「飛び降り?」
相馬海里「迷惑な話だね」
相馬海里「こっちは生きたくても 生きられないっていうのに」
相馬海里「ねっ」
アナウンサー「死亡したのは小野川尊さん 32歳」
〇水色(ライト)
「会社役員と」
「田津府市 市議会議員を兼任しているということです」
〇病室(椅子無し)
相馬海里「え・・・?」
相馬海里「この人・・・」
(尾形さんの夫・・・?)
相馬海里「ウソだろ・・・」
相馬海里「俺が殺したのか・・・?」
相馬海里「藁人形・・・ 使用済だったんじゃないのか・・・?」
相馬海里「う・・・」
〇病室(椅子無し)
相馬海里「ごめんなさい!!」
相馬海里「ごめんなさい!!」
相馬海里「本当に殺すつもりなんかなかったんです」
看護師「海里くん、しっかりして!」
看護師「落ち着いて!」
相馬海里「俺のせいだ!」
相馬海里「俺があんなものを買うから!」
事務員「あの・・・」
事務員「海里くんに」
事務員「お見舞いの方がいらっしゃいました」
〇病室(椅子無し)
相馬海里「尾形さん・・・?」
相馬海里「尾形さんごめんなさい俺──」
尾形深冬「会いたかったわ」
相馬海里「え・・・?」
尾形深冬「この前、海里くんに会って思ったの」
尾形深冬「私、今のままじゃだめだって」
尾形深冬「ずっとあなたのことが気になってたの」
尾形深冬「断りきれなくてあの人と付き合ったけど・・・ ずっと後悔していたの」
尾形深冬「あなたとの関係」
尾形深冬「あなたのおかげでやっと呪うことができたわ」
尾形深冬「私に、勇気をくれてありがとう」
相馬海里(呪う・・・?)
〇モヤモヤ
相馬海里「まさか、旦那さんを殺ったのか・・・?」
尾形深冬「・・・」
相馬海里「尾形さんが殺ったのか!?」
〇黒背景
〇病室(椅子無し)
相馬海里「え・・・?」
尾形深冬「いいえ」
尾形深冬「夫を殺ったのはあなたよ」
尾形深冬「人形、買ったでしょ? 占い師から」
尾形深冬「私も同じのを持ってるの おそろいね」
尾形深冬「嬉しいでしょう?」
尾形深冬「私のこと、ずーっと見てたものね?」
〇学校の廊下
尾形深冬「教室移動するときも」
〇学校脇の道
尾形深冬「帰り道も」
〇商業ビル
尾形深冬「休日も」
尾形深冬「偶然を装って会いに来て」
〇黒背景
尾形深冬「私のこと見てたよね」
尾形深冬「知ってるよ」
尾形深冬「もうすぐ死ぬんだよね」
尾形深冬「今死んだって一緒だよ」
尾形深冬「死んでよ」
尾形深冬「死んで、私を幸せにして?」
〇病室(椅子無し)
〇病室(椅子無し)
尾形深冬「もしもし、いっくん?」
尾形深冬「うん」
尾形深冬「私とっても幸せ!」



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芋けんぴ