カウント3 ~もうすぐ世界がヤバイそうです~

アーム・ザ・コニー・ロト男

第1話 『夢に出てきた女神様が言うことにゃ』(脚本)

カウント3 ~もうすぐ世界がヤバイそうです~

アーム・ザ・コニー・ロト男

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〇黒
  目覚めるのです、選ばれし勇者よ
八木カモメ「むにゃむにゃ」
  さあ、瞼を開いて
八木カモメ「もうちょっと寝かせて。 昨日遅かったんだ」
  いいから起きろって言ってんのよ!
  ゲシッ

〇異次元空間
八木カモメ「痛っ!」
美しい女性「目が覚めましたか?」
八木カモメ「うぐぐっ、ケツ痛ぇ」
八木カモメ「・・・えっ、お姉さん誰ですか? というか、ここどこ?」
女神ウヌバス「私はウヌバス。ここはあなたの夢の中です」
八木カモメ「夢? でも痛いんですけど、お尻が」
八木カモメ「・・・えっ割れてないこれ? 3つになってない? 大丈夫?」
女神ウヌバス「別に夢の中で痛くても不思議ではありません」
八木カモメ「でも普通は痛くないものなんじゃ?」
女神ウヌバス「それは俗説です。痛い夢もあるのです」
八木カモメ「そうなんですか! へぇ、それは知らなかった」
八木カモメ「・・・えーっと。それで? 俺の夢に出てきたお姉さんは何者ですか?」
女神ウヌバス「見ての通りです」
八木カモメ「なるほど。俺が妄想で生み出した際どい恰好をしたお姉さんですか」
女神ウヌバス「違うわよ! どこからどう見ても神秘的な女神でしょ!」
八木カモメ「口が悪くなってますよ、女神さん」
女神ウヌバス「私を女神として崇め敬う者には女神として接しますが、舐めているヤツには一切の容赦はしません」
女神ウヌバス「それが私、女神ウヌバスのアイデンティティーです」
八木カモメ「つまりウヌバスさんは尖った女神さんということですね」
女神ウヌバス「素直な女神なのです」
女神ウヌバス「あと、私のことはウヌバス様と呼ぶように。 そしてきちんと敬うように」
八木カモメ(注文が多いな)
八木カモメ「えっと、それで・・・ウヌバス様。 俺に何のようですか?」
女神ウヌバス「カモメ。あなたは世界を救う勇者として選ばれたのです」
八木カモメ「勇者? 俺が?」
女神ウヌバス「まもなく世界に危機が訪れます」
女神ウヌバス「あなたは勇者としてその脅威から世界を救うのです」
八木カモメ「・・・いや、俺ってただの男子高校生なんですけど?」
女神ウヌバス「そうです。八木カモメ。17歳。高校二年生。 特徴らしい特徴といえば、お人よしのバカ」
八木カモメ「バカって言われた」
八木カモメ「初めて会った女神様に面と向かってバカって言われた」
八木カモメ「間違ってないけど」
女神ウヌバス「確かにあなたはバカですが、勇者たる資格を持つ者です」
八木カモメ「えっ、そうなんですか!?」
八木カモメ「それってつまり・・・本人が気づいていない隠れた才能がある、みたいなこと、ですか?」
女神ウヌバス「そんなところです」
八木カモメ「そうか。もしかしたらとは思っていたが、俺って実は結構凄いヤツだったのか」
女神ウヌバス「あっさりと納得してもらったところで話を戻します」
女神ウヌバス「まもなく世界を滅亡させる脅威がやってきます」
女神ウヌバス「それに対抗すべく。 あなたには特別な能力を授けます」
八木カモメ「能力?」
女神ウヌバス「あなたに与える能力は『カウント3』」
女神ウヌバス「どんな願いでも3つだけ叶う能力です」
八木カモメ「どんな願いでもですか?」
女神ウヌバス「そうです」
八木カモメ「エッチな願いでも、ですか?」
女神ウヌバス「世界を救う為に使うように」
女神ウヌバス「ただ、もしあなたが世界を救った暁には、余った願いはご褒美として、あなたの好きに使って構いません」
八木カモメ「マジですか! なんでもアリっすか!」
女神ウヌバス「なんでもアリです」
八木カモメ「やります! やらせていただきます! 是非やらしてください!」
女神ウヌバス「やる気があって何よりです」
女神ウヌバス「では力を授けましょう。 自分の右手を見てみなさい」
八木カモメ「あっ、右手の甲が光り出した。 ・・・これは数字の『3』?」
女神ウヌバス「その数があなたの使うことができる能力の使用回数になります」
女神ウヌバス「この能力を使い、世界を救うのです」
女神ウヌバス「それでは頼みましたよ、勇者カモメ」

〇学生の一人部屋
八木カモメ「むにゃむにゃ」
八木ツバメ「お兄ちゃん、朝だよ! 早く起きてご飯食べないと遅刻しちゃうよ!」
八木カモメ「うーん、眠い。あと3時間」
八木ツバメ「そんなのダメに決まっているでしょ! ほら、起きた起きた!」
八木カモメ「うーん、わかった。わかったから。 上に乗らないでくれ、ツバメちゃん」
  ムクリ
八木ツバメ「おはよう。カモメお兄ちゃん」
八木カモメ「おはよう。我が妹ツバメちゃん」
八木カモメ「・・・・・・」
八木ツバメ「?」
八木カモメ「やっぱり眠いから寝る」
八木ツバメ「コラ、二度寝するな!」
八木カモメ「だって眠いんだもん」
八木ツバメ「寝ちゃダメ、起きて、起きて!」
八木カモメ「うーん・・・それよりほら、もうすぐツバメちゃんの好きな猫が窓の外通るから、そっちに注目・・・」
八木ツバメ「え? 猫?」
八木カモメ「そう、それもただの猫じゃない。 3メートルくらいあるデカい猫」
八木ツバメ「3メートルも!?」
八木カモメ「しかも空を飛んでる」
八木ツバメ「お空も飛べるの!?」
八木カモメ「さらに火を噴ける」
八木ツバメ「火も噴けるの!?」
八木カモメ「さらにさらに、ダンディーな声で喋るかっこいい猫だ」
八木ツバメ「すごーい!」
八木ツバメ「・・・って、おバカなこと言ってないで早く起きて!」
八木カモメ「うーん、本当だから~、もうすぐ『空飛ぶダンディーなデカい猫が窓の外を通過する』から~」
  ピカッ
八木ツバメ「? いま、お兄ちゃんが光ったような・・・」
  ヌッ
八木ツバメ「?」
謎の猫「・・・・・・」
八木ツバメ「・・・え?」
  バッサ、バッサ
八木ツバメ「飛んでる・・・!」
謎の猫「にゃーご・・・シュボッ!」
八木ツバメ「小さいけど火を噴いた!?」
謎の猫「熱っつ! 熱っつ!」
八木ツバメ「熱いんだそれ!? てか喋った!?」
謎の猫「やれやれ・・・ではお嬢さん、これにて失礼」
八木ツバメ「ダンディーな声で挨拶して飛んで行っちゃった!」
八木カモメ「ん~・・・ツバメちゃん、こっちのネタに乗っかってくれるのは嬉しいけど、そんな迫真の演技しなくても・・・」
八木ツバメ「お兄ちゃん、お兄ちゃん、お兄ちゃん!! 起きて、起きて、起きて!!」
八木ツバメ「空飛ぶ謎の猫! 本当にいた! なんか飛んでった!」
八木カモメ「痛い痛い痛い、分かった、起きるから起きるから」
  ムクリ
八木カモメ「・・・それで? 猫がなんだって?」
八木ツバメ「だからお兄ちゃんが言った通り、空飛ぶ猫がいたの!」
八木ツバメ「火を噴いて熱がって挨拶して飛んでったの!」
八木カモメ「? いやいや、カモメちゃん、あれはちょっとした冗談で・・・」
八木ツバメ「どういうこと? どういうこと? どういうこと?」
八木カモメ「いや、どうと聞かれても、それはこっちの台詞で・・・」
八木ツバメ「とっても可愛いかった! 私、ちょっと追いかけてくる!」
八木カモメ「・・・って、いやいや、ツバメちゃんこそ朝飯食べて学校行く準備しないと!」
八木カモメ「・・・行っちゃった」
八木カモメ「なんだったんだ?」
八木カモメ「・・・・・・」
八木カモメ「・・・そういえば、なんか変な夢を見たな。 とっても美人なお姉さんが出てくる夢」
八木カモメ「何か言われたよな」
八木カモメ「確か・・・勇者だの、世界を救えだの、能力を与えるだの」
八木カモメ「能力は『カウント3』だっけ? 右手に数字が・・・」
八木カモメ「・・・・・・」
八木カモメ「・・・って、あるじゃん! マジで数字が書いてあるじゃん!」
八木カモメ「これ、ツバメちゃんのいたずら書きとかじゃないよな?」
八木カモメ「そうじゃないぽいけど・・・なんで数字が『2』なんだ?」
八木カモメ「どゆこと?」
八木カモメ「・・・・・・」
八木カモメ「分からん」
八木カモメ「分からんものは考えても分からないから、とりあえず顔を洗って朝飯食うか」

〇黒
女神ウヌバス「頼みましたよ、カモメ」
女神ウヌバス「これは、あなたにしか、できない、ことなのですから」

〇黒
  八木カモメ。
  特殊能力『カウント3』を取得。
  ──残りカウント2
  To be continued

次のエピソード:第2話 『持つべき親友は英雄』

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