第112話 セントルイス(脚本)
〇散らかった部屋
2021年 イリノイ州 エルジン市内 民宿モダン・ サバーバン・オアシス内
斎王幽羅「敵に会ったの···?どんな人か教えてくれる?」
エンチャントはその場に腰を落としながら、皆に話し始めた
エンチャント魔導法士「ロシア正教のイヴァンと魔術教会の査問官だったベリル、そして···」
エンチャント魔導法士「娘の···アンナだ」
鸞「娘さんがか··· ··· ···魔術師なんだろ?どういう魔術が得意とかないか?」
エンチャント魔導法士「あの子が得意なのは『天空魔術』と言ってな、本来天候を身につけたり武器化したりする魔術なんだが」
エンチャント魔導法士「あの子はワシの教えた造形魔術も多少は使える。それを利用した魔術も使える」
鸞「なるほど··· ··· ···弱点はないのか?」
エンチャント魔導法士「無いに等しい。本来天空魔術は天候に左右される魔術だが、造形魔術を使って『晴れ』以外天候操作があの子はできる」
斎王幽羅「対策できそうなのは俺と凪園と鸞かな···もう1人のベリルって人はどんな魔術が得意なの?」
エンチャント魔導法士「それが···あんまり交流がなくて知らん。『伸縮魔術』が得意ってのは知ってるが···」
斎王幽羅「ひとまずアンナさん達の行方が知りたいけど···どしよっか···」
するとエンチャントは立ち上がり、皆に着いて来る様に伝える
〇教会の中
エルジン市内 教会
エンチャントは皆に席に着くよう促すと、到着するや否や近くに居たシスターに『告開室』を使いたいと話す
皆は不思議そうに見つめながら、別のシスターから貰った何でもないパンフレットを眺めながら時を過ごした
数時間後、エンチャントは席に戻り数分が経つとフィリポ神父が現れ話し始めた
フィリポ神父「何やらお急ぎのようで···如何なさいましたか?エンチャント魔導法士」
エンチャント魔導法士「敵と会った。トロリーバスミュージアムの中で敵は『空虚的恋』のコードネームが予想される、知ってる事を教えてくれ」
フィリポ神父はその場で考え事をしながらポツリポツリと詳細を明かして言った
フィリポ神父「空虚的恋···物体の伸縮を操作できる魔術を使えて『能力者』ということしか分かりません」
エンチャント魔導法士「現在地は?エルジン市内の監視カメラには映ってるはずだ、向かった場所を教えてくれ」
フィリポ神父「それがですね···経路予測は出来るのですが、空虚的恋はなぜか『カメラや音声記録』が残らないんです」
斎王幽羅「能力かな?でもどんなのだろ···セルゲイみたいな分かりにくいやつかな?」
フィリポ神父「監視カメラに映らなかったり、音声記録に記録が残らなかったりなので···分かりやすい能力なのではないでしょうか」
エンチャント魔導法士(電子操作···確かメキシコにそんな奴が居たな。いや、あいつは死んでないか?じゃあ電波操作···いや、あいつもまだ生きてる)
エンチャント魔導法士(単純な能力じゃないがセルゲイの様な分かりずらい能力じゃない··· ··· ···そういえば···)
エンチャント魔導法士(焦燥的恋で摩擦操作、疑念的恋で相手の思い込んだことを実現する··· ··· ···)
エンチャント魔導法士(··· ··· ···『まさかな』)
エンチャント魔導法士「空虚的恋については仕方ない。だが他にも人を連れているはずだ。ロシア正教の信徒名簿にあるイヴァン司教を探してくれ」
フィリポ神父「お待ちを··· ··· ···今探りますので」
フィリポ神父はその場でノートパソコンを取り出し、何かを調べ始める。やがてフィリポ神父は監視カメラの映像を皆に見せた
斎王幽羅「ここに映ってるのって···」
エンチャント魔導法士「間違いない···イヴァンとアンナだ。どこに向かったか分かるか?」
フィリポ神父「この街の外···恐らくマディソンかと」
それを聞いたエンチャントは立ち上がり、教会の外へ歩みを進ようとした。
しかしフィリポ神父が肩を掴み話し始める
フィリポ神父「エンチャント魔導法士、マディソンには我々聖人の灰がご案内します。どうかご猶予をいただきたく」
エンチャント魔導法士「猶予?こうしてる間に娘がマディソン入りして殺されたらどうする?責任をどう取るん若いの」
フィリポ神父「しかしながら許可のないものがマディソン···特にワールドインパクト付近に行けば間違いなく狙撃されます」
珍しく感情的になっているエンチャントを斎王は『落ち着いて、冷静に』と宥めながら話した
斎王幽羅「エンチャントさんの意見も分からないでもない。けど一方でこのままマディソンを放置も良くないと思う」
斎王幽羅「なにか『目印』があればダメですか?それこそ···俺とか。変身能力持ちが敵にいれば話は変わりますが」
フィリポ神父「そうですね··· ··· ···では···『合図』を教えます。攻撃される可能性もありますが、話がわかる相手なら大丈夫です」
フィリポ神父「『合図』ですが···いいですか?まず··· ··· ···」
〇荒廃した市街地
マディソン郡セントクレア郡境界 放棄地帯
州兵「止まれ!ここは危険地帯だ。観光目的なら『東側』から行け」
エンチャント魔導法士「おぉ、すまんすまん。昔ここに住んでた知り合いに会いたくて来たんだが···」
斎王幽羅「ひどい···何があったんですか?」
しかしその問いに州兵は『関係ないだろ』と返答し、手をヒラヒラさせながら
『どっか行け』というジェスチャーをして見せた
エンチャント魔導法士「まぁまぁ落ち着け。そういえば今日の新聞見たか?7ページのヤツ」
顎の下を2回掻き、耳たぶを触りながら話すエンチャントに州兵は目を細めた
州兵「··· ··· ···いや、見てないな。どんな見出しだったか覚えてるか?」
エンチャント魔導法士「『裏切り者のガヌロン、ワールドインパクトへ』だそうだ」
すると州兵はゲート横の扉を開き『目がかゆいな』と目を擦りながら扉に指を指した
〇荒廃した市街地
マディソン郡 西側放棄地帯内部
斎王幽羅「本当に通れちゃった··· ··· ···あの合言葉どういう意味なんだろ?」
キング「シャルルマーニュ十二勇士のヤツだろ。人数が7人だから7人目のガヌロンが合言葉」
斎王幽羅「あ、そういう意味だったんだ!へぇー、わかんなかったなぁ···」
そんな話をしながら歩いていると、皆ある事に気づき始める
斎王幽羅「なんか··· ··· ···『整理されてない?』」
エンチャント魔導法士「一見放置された街だが···瓦礫が避けられ建物の開口部が塞がれている」
エンチャント魔導法士「フェード、どう見る?」
フェード「罠と見るべきだろうが、既に『10箇所』罠の未設置があった」
エンチャント魔導法士「···わざとここを『通す』為に道を開けた。という事か」
斎王達はまるで『導かれる』様に整理された道路を歩き、やがて
『歴史の教科書』で見た事があるマークの施設を見つけた
To Be Continued··· ··· ···


