〇個別オフィス
上司さん「ふむ、温度を保ち 直射日光を遮る・・・」
上司さん「ん？」
　　総務より
　　「芸術の秋にちなみ、各チーム
　　１点づつ木彫りを提出すること」
上司さん「今年もこの季節がきましたか」
上司さん「みなさん集合してください」
部下ちゃん「ホイよ」
守信寺さん「はい」
上司さん「かくかくしかじかのしだいです」
守信寺さん「本格的な木彫りとなると 仕事の片手間と言う訳には・・・」
部下ちゃん「はーい あたしやりまーす！ だから定時あがりね💗」
上司さん「お願いしますね」
　　張り切る部下ちゃん
　　一方、医療チームでは

〇病院の診察室
　　総務より
　　「芸術の秋にちなみ、各チーム
　　１点づつ木彫りを提出すること」
医師「来たか！」
医師「去年の二の舞は おことわりだよ」
　　医師らしき人の怒りの原因は
　　エピソード23　
　　「芸術の秋です創作活動をしましょう」
　　をご参照ください
医師「ならば今べきやることは」
　　◆　医療チーム　休診のおしらせ　◆
医師「後は有給休暇を申請して・・・」
医師「じゃあね！」
　　医師らしき人は逃亡しました

〇職人の作業場
　　定時を過ぎて
　　部下ちゃんは作業所にいます
部下ちゃん「ここを使わせてもらおう」
部下ちゃん「かわいらしい ウサギちゃんを 作りまーす」
部下ちゃん「はぁ――!!」
部下ちゃん「出来たぞい」
部下ちゃん「やったね 優勝まちがいなし！」
　　素朴な味わいの
　　木彫りが完成しました

〇個別オフィス
　　こちらは
　　残業中の53調査チーム
守信寺さん「データをコピペして うーん」
守信寺さん「上司さん どうしたんですか？ キョロキョロして」
上司さん「いえ別に おかしいなあ」
守信寺さん「部下ちゃんがいないから そのぶん頑張らないと」
上司さん「そ、そうですね」
　　頑張っていますね

〇大ホール
　　各チームが提出した木彫りは
　　期日までの数日間
　　ホールで保管されます
　　木彫りの彫刻たちは
　　薄暗い部屋で審査の時を
　　待つのです

〇個別オフィス
　　翌日
部下ちゃん「木彫りの提出終わりました いや――疲れたっす」
上司さん「ああ、そうですか」
守信寺さん「お疲れ様！　さっそくだけど データのリチェックをお願い」
部下ちゃん「了解でーす」
　　53調査チームも通常モードに
　　あとは一週間後の結果待ちです

〇個別オフィス
　　木彫りの審査日になりました
部下ちゃん「いよいよ 審査日っすねえ」
上司さん「うーん おかしいなあ」
守信寺さん「上司さん 仕事中ですよ！」
上司さん「そ、そうですね ところで、あの」
上司さん「二人に聞きますが 原木を見かけませんでしたか？」
守信寺さん「げんぼく？」
部下ちゃん「はあ？」
上司さん「木の丸太の短いものです」
守信寺さん「見かけませんが・・・ 何につかうんですか？」
上司さん「シイタケの栽培ですよ 晩酌の肴にしようと バイオチームからもらったのですが」
部下ちゃん「もしかして こんな感じ？」
上司さん「そんな感じです 良く分かりましたね！」
守信寺さん「・・・（あっ！）」
守信寺さん「部下ちゃん 木彫りの材料 どこで入手しました？」
部下ちゃん「どこって 上司さんの机の上に 用意してあったよ！」
上司さん「ええ？」
守信寺さん「・・・（やっぱり）」
　　どうやら
　　シイタケ栽培の原木を
　　木彫りにしたようです

〇大ホール
　　日の当たらないホールに
　　木彫りが置かれています
　　閉め切った室内は
　　菌類の繁殖にもってこいです
　　すなわち
　　劇的ビフォー
　　アフター
　　木彫りはすべて
　　シイタケの苗床と
　　なっていました
審査員「なんじゃこりゃー！」

〇個別オフィス
　　後日、総務よりメールが全発信されました
「・・・」
　　告
　　
　　53調査チーム全員30％の給与カット
　　を命ずる
「やっぱり」
　　当然ですね

〇病院の診察室
　　そのころ医療チームでは
医師「ふむ」
　　53調査チーム全員30％の給与カット
　　を命ずる
医師「予想的中！ 今回はうまく逃げ切れたねえ」
医師「ハハハハハ 大勝利!!」
医師「ん？」
　　ホールの菌糸除去のため
　　定時終了後に
　　各チーム１名人員を出すこと（業務外）
　　
　　以上
医師「おいおい何言ってる この医療チームは私一人だけだよ」
医師「つか、サビ残？」

〇大ホール
　　その後
社員「なんで私が こんなことやらなきゃ いけないの！」
医師「・・・」
部下ちゃん「ちぃーす 医師らしき人さん 久しぶりっすねえ」
医師「・・・」
部下ちゃん「菌糸の除去に一週間は かかるみたいだって いやあ困った困った」
医師「・・・」
部下ちゃん「明日は上司さんが来るんで よろしこ」
医師「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か」
部下ちゃん「あ、それ知ってる 「魔〇郎がくる!!」でしょ 古いっすねえ」
医師「・・・」
部下ちゃん「あら？ どっか行っちゃった」
　　部下ちゃんは菌糸だけでなく
　　「怨み」もまき散らして
　　しまったようです
　　
　　おしまい