第十五話 和平協定(脚本)
〇謁見の間
国王「何だとアドルフの反逆は嘘であったと!!」
エリオット姫「はい、虚偽の証拠で国王陛下の判断を誤らせ申し訳ございません」
国王「しかし・・・」
エリオット姫「エンドニア王の侵略を男爵が阻止したのがその証拠」
国王「そちの公爵軍と男爵との戦はどうするのじゃ」
エリオット姫「既に和平協定を結んでおります」
国王「わかった。ではフリードリッヒ公爵家の処分だが子爵に格下げとする」
エリオット姫「ええっ!・・・その処分は当家と陛下との関係を誤解する輩がでるかと!?」
国王「しかし今回の騒動、咎めなしでは・・・」
エリオット姫「当家は今回の件でパトリシアの推挙を辞退したく存じます」
国王「ほぉ、代わりは?」
エリオット姫「男爵のソフィア姫を推挙致します」
国王「よかろう、男爵も異存ないのじゃな!!」
エリオット姫「はい」
国王「ではソフィアをこれへ・・・」
ソフィア姫「その件はなかった事に陛下・・・」
国王「何故じゃ」
ソフィア姫「既に婚約しておりますから」
国王「なんと」
ソフィア姫「こちらが許嫁のトーマスですわ」
国王「本当か?」
トーマス「ハイ」
国王「それでは今夜は姫の為にパーティじゃ」
〇睡蓮の花園
優香(これで邪魔なソフィアもいなくなったし告れるわね男爵に)
エリオット姫「でも男爵の気持ちが・・・断られたらどうしよう?」
優香(なら男爵の心に入ってみれば?・・・うわさをすれば・・・)
アドルフ男爵「おや、エリオット姫どうしてここに?」
エリオット姫「男爵こそ、いいのですか姫に付き添わなくて?」
アドルフ男爵「あぁいった席は苦手で・・・」
エリオット姫「わたしも・・・」
エリオット姫「そうだ、指輪嵌めてみません?」
エリオット姫「どう?エリオット・・・」
エリオット「男爵も私を好きみたい」
エリオット姫「そう、じゃぁ戻って・・・」
エリオット姫「男爵、ついでに私達も式を挙げません事?」
優香「戻り方教えてよ」
〇ビジネス街
〇雑誌編集部
如月優香「あれ?」
〇雑誌編集部
如月優香「戻ってこれたんだ」
如月優香「あれ、皆は?」
如月優香「大隅課長、皆は?」
大隅左衛門「あぁ切られて辞めて行った」
如月優香「えぇっ」
〇個別オフィス
如月優香「社長・・・」
古越豊「儂はもう社長じゃない」
如月優香「えぇっそんなじゃぁ誰が皆をクビに・・・」
近藤兵庫「誰だ君は・・・」
如月優香「近藤社長? どうして・・・」
古越豊「今は彼がこの会社の社長さ」
如月優香「では、早乙女さんも・・・」
近藤兵庫「如月とか言う派遣を庇って身代わり退職したバカか」
如月優香「なんですって・・・」
近藤兵庫「君も契約が切れたからね・・・荷物を早くまとめなさい」
古越豊「じゃぁ儂もそろそろ出て行くかな」
そう言うと古越は窓を飛び越えて行った
〇ビジネス街
如月優香「社長・・・」
如月優香「エリオットもソフィアも幸せになって私だけ・・・なぜ?」
早乙女亮「よっ、如月さん現世に戻れてよかったね」
如月優香「良くないわよ。私だけ不幸せに・・・」
早乙女亮「あれこんな所に指輪が」
如月優香「もう指輪は懲り懲り」
早乙女亮「そう言わず嵌めて見て?」
優香が指輪をはめると早乙女の包み込むような温かさが心に染み渡った