エピソード35(脚本)
〇拷問部屋
チャド「悪く思わないでくださいね。 あなたをログアウトさせるわけにはいかないので」
ビリー「俺は逃げねーよ」
ジール「わ、私は関係ないじゃないか!」
ジール「私はこの男に命令されてやっていただけなんだ」
ジール「頼む。ログアウトさせてくれ!」
ビリー「・・・・・・」
ジール「今日は私の誕生日なんだ。 このままだとお母さまが心配して・・・」
ジール「ぐああ」
ギャロップが、ジールの座る電気椅子のダイヤルを大きく回している。
ギャロップ「すまん。故障してないか確かめてみた」
ジール「うう・・・」
ビリー「俺をここに留めたところで、今夜にはポルティアは落ちる。 お前たちの負けには変わりはない」
ケイト「AGUAは負けないよ」
ビリー「そんな強がりが通じるとでも──」
ケイト「AGUAは、今日GHが攻め込んでくることを知ってるのさ」
ビリー「なに?」
チャド「これですよ」
チャド「昨日のログスポットでのこと」
〇城門の下(ログスポットあり)
チャドがLog Spotを通ると、銃を持った兵士たちがやってきてチャドを囲う。
チャド「はて。何か嫌な予感がしますね」
〇拷問部屋
チャド「きっかけは今日ログインした時に、私がメガネをかけてなかったことでした」
ビリー「・・・?」
チャド「ログスポットを通ったあと、私がメガネを落とすようなできごとがあったのではないか、と」
ビリー「・・・・・・」
ビリー「・・・チッ」
チャド「あの場での出来事は、この録音機で全て聞かせていただきました」
〇城門沿い
ビリー「明日決行だ!」
チャド「なっ」
ビリー「よかったな。襲撃の日を掴めて。 残念ながら、お前は明日までこの記憶を覚えていられないがな」
ビリー「あばよ」
〇黒
パーンッ!
〇拷問部屋
チャド「もちろん、あの時あなたが私にしたことも・・・」
ビリー「チャド、てめえ」
ギャロップ「とは言え、お前が本当に出撃させるのか確信が持てなかった。 そこで、一芝居打たせてもらったってわけよ」
ビリー「ふはははは。馬鹿め。 例え襲撃の日が分かったところで、あの数で攻め込まれたら勝てるわけがない」
ギャロップ「めでてえ野郎だ。俺らの本当の狙いはな──」
チャド「ギャロップさん」
ギャロップ「?」
チャド「そこまで言う必要はないでしょう」
ギャロップ「・・・だな」
ビリー「せいぜい今日を楽しめよ。 明日にはお前らがここに座ることになるからな。はっはっは」
ケイト「広川久怜愛について知っていることを教えろ」
ビリー「?」
ケイト「僕が勝っただろ」
ビリー「・・・ああいいさ。ご褒美に教えてやる。 だが、先に断っておくが、俺はそんな女は知らん」
ケイト「嘘を吐くな! ガスピアにはログアウトできない牢屋があるんだろ!」
ビリー「・・・・・・」
ケイト「おい! 答えろ!」
ビリー「・・・牢屋かどうかは知らないが。 ガスピアの地下からは叫び声が聞こえることがある」
ケイト「地下!?」
ケイト「・・・じゃあ、やっぱりそこに姉さんが?」
ビリー(姉さん?)
ケイトはビリーの胸倉をつかむ。
ケイト「おい、ちゃんと教えろよ! 約束だろ」
ギャロップ「その辺にしとけ。 こいつは本当に知らねーんだよ」
ビリー「・・・・・・」
ビリー「地下に誰がいるのかは知らん。 あそこには俺たちでさえ立ち入ることはできない」
ケイト「姉さん・・・」
チャド「さあ、ケイトさんはお先にログアウトどうぞ」
ケイト「え、でも。ガスピアに向かわなきゃ」
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