本の中の冒険 ~知恵の古書と勇気のしおり~

ペテコフ

読切(脚本)

本の中の冒険 ~知恵の古書と勇気のしおり~

ペテコフ

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〇図書館
  夏の雨の日、レオンとシャロンは図書館にいました。
シャロン「はあ・・・面白そうな本、見つからないわね・・・」
  退屈そうにしていたシャロンが、誰も近づかない奥の棚で、青く光る本を見つけました。
シャロン「ん?なにかしら、あの本」
  その本は、他の本とは違い、不思議な光を放っていました。
シャロン「わっ!! 見てレオン!!この本、なんか光ってる!!」
  レオンが近づきその本に触れると、
  その本には『知恵の古書』と
  書かれていました。
  その瞬間、本の中から小さな声が
  響き渡りました。
「こんにちは、知恵の探求者の方々」
  本が開き、中から羽の生えた
  手のひらサイズの精霊が
  ふわりと飛び出してきました。
  精霊は宙を舞いながら、
  二人の前で優雅に止まりました。
クレア「私はこの本の精霊、クレアです」
クレア「実はお二人に助けていただきたい ことがあるのです」
レオン「助けてほしいこと・・・? それってなんですか・・・?」
クレア「実は、この古書から、輝く星の場所を示す『勇気のしおり』がなくなってしまいました」
クレア「ですので、今はこの物語が途中で止まってしまっています」
シャロン「なくなったって、誰がなくしたのよ!!」
クレア「それはわかりません」
クレア「しかし、しおりを見つけ出し、輝く星を 見つけ出すことが出来れば」
クレア「失われた物語を取り戻すことができるはずです」
レオン「えっと、僕たちにその『勇気のしおり』を見つけて、この物語を完成させてほしいってこと?」
クレア「はい、その通りです」
クレア「ですが、しおりを見つけ、星に見つけるには、知恵と協力、そして勇気が必要です」
レオン「うーん、不安になってきた・・・ 本当に大丈夫かなぁ・・・」
シャロン「もう!!レオン、行きましょう!! わたしがいるんだから大丈夫よ!!」
レオン「よし!!行こうシャロン!! 僕たちでこの本を完成させるんだ!!」
  レオンが古書を開くと、
  本が眩い光を放ち始めました。
「うわー」

〇赤い花のある草原
  レオンたちが目にしたのは、
  彼方まで真っ赤な花が続いている草原でした。
クレア「ようこそ、本の世界へ!!」
クレア「ここは『赤い花の草原』です」
レオン「わあ!! こんな綺麗に真っ赤になってる花、 初めて見たよ!!」
クレア「勇気のしおりはこの先にある遺跡で 消えてしまったと言われています」
シャロン「あら?そんな噂があるのに どうして見つかってないのかしら?」
シャロン「まあいいわ!! 早く行きましょ!!レオン!!」
  シャロンはまっすぐに続く道を
  迷うことなく歩き始めました
レオン「うん!! よし、遺跡に行ってみよう!!」

〇荒れた競技場
  道を進み、レオンたちが目にしたのは、
  もう何年も使われていない古い遺跡でした。
レオン「ここが目的地? つ、疲れた・・・」
クレア「お2人ともお疲れ様です!! こちらが目的地の『古代の遺跡』です」
シャロン「や、やっと着いたのね・・・」
クレア「ですが遺跡の奥には『閃きの広間』を 突破しなければいけません」
クレア「数々の旅人が挑戦したのですが、 いまだに奥にたどり着いた人は 居ないそうです」
レオン「えっ、そうなんだ・・・ 確かにボロボロで入口も分からないなぁ」
シャロン「あっ、レオン!! ここ通れそうじゃない? 行きましょう!!」
レオン「シャ、シャロン!! 待ってよー!!」

〇神殿の広間
レオン「はぁ・・・はぁ・・・ 早いよシャロン・・・」
シャロン「まったくだらしないわね~ こういうのは勢いが大事なのよ!!」
クレア「流石ですシャロンさん、『閃きの広間』に 無事たどり着けましたね」
レオン「こ、ここが閃きの広間? なんだかすごそうな場所だなぁ・・・」
シャロン「もう!!レオンったらいつまでも 驚いてばかりで何もしてないじゃない!!」
  シャロンはレオンを叱りつけながらも、
  周囲の壁を注意深く観察していきました。
レオン「でも僕は周囲を観察するのは 苦手だからなぁ・・・」
レオン「シャロンを信じて、任せてもいいかな?」
シャロン「え~~~~~? そんなにレオンが言うならしょ~がないな~」
クレア(シャロンさん、ちょろいですね・・・)
  その時、他の壁とわずかに色合いの違う模様の壁が、シャロンの目に留まりました。
シャロン「レオン、見て!! この壁の紋様、他のと色が違うわ!!」
クレア「確かに少し色合いが異なっているようですね、流石です、シャロンさん」
レオン「ホントだ!! 流石シャロン!!」
レオン「この色合いの違う模様をなぞると、 矢印になっているみたいだ」
シャロン「じゃあここから矢印の通りに 進んでみましょう!!」
  シャロンは自信に満ちた表情で、
  その石版が示す方向へと歩き始めました。
  そうしてシャロンが歩いていき、
  壁にぶつかりそうになった瞬間
  ゴゴゴゴと大きな音と共に
  壁が上がり始めました
シャロン「わあ!!なにこれ~!?」
レオン「こ、これは・・・?」
クレア「『閃きの広間』を突破するなんて 流石です!!シャロンさん!!」
シャロン「よし!! レオン!!クレア!! 奥に進むわよ!!」
  そうして
レオン「ここが遺跡の最奥かな?」
クレア「はい、ここは『知識の広間』です。 きっとここに『勇気のしおり』があるはずです!!」
  広間の中央には台座があり、その上に本が、埃一つなく置かれていた。
レオン「あった!!これだ!!」
シャロン「よし!! それじゃあ帰るわよ!!」
クレア「お待ちください、シャロンさん」
クレア「実は『勇気のしおり』を持って 向かっていただきたい所があります」
レオン「よし、行こうシャロン!!」

〇塔のある都市外観
  クレアは優雅に微笑むと、
  空を指差しました。
  その時、広間の天井の一部が透き通り、
  雲の合間に立つ、巨大な塔が見えました。
クレア「あちらに見えるのが『輝きの塔』です。 その塔の最上階に、『輝く星』が眠っています」
レオン「輝きの塔・・・ すごい、まるで空に浮いてるみたいだ!!」
シャロン「高そうな場所ね。 でも、あんなに高い所までどうやって行くのよ?」
  クレアが『勇気のしおり』にそっと触れると、しおりは淡い光を放ち始めました。
  その光が知識の広間を満たし、空へと続く光の階段へと変化していきました。
クレア「『勇気のしおり』が皆様を『輝きの塔』 へと導く光の道を開いてくれています」
クレア「さあ、参りましょう」
レオン「わぁ、すごい!! 空まで光の道ができたよ!!」
シャロン「なかなかやるじゃない。 これが本当に最後の試練ってわけね!!」

〇星座
  光の階段を登りきると、レオンたちは『輝きの塔』の最上階に向かいました。
  塔の中は薄暗く、壁には無数の星の記号や謎めいた文字が刻まれていました。
  大きな台座があり、その上に複雑な模様が描かれた「星座盤」が置かれていました。
  しかし、その星座盤には、いくつかの星が欠けていました。
レオン「ここが塔の最上階? なんだか、まだ謎がありそうだね・・・」
シャロン「なにこれ・・・星座盤? 所々欠けててパズルみたいになってる・・・」
レオン「星が・・・ 欠けてる・・・?」
クレア「ふむ・・・ この星の欠けているところを よく見れば何か分かるかもしませんね」
レオン「そういえば・・・ しおりにも星が書かれていたはずだ!!」
レオン「やっぱり!! 星の配置や形が同じだ!!」
レオン「このしおりの通りに星座盤を直せばきっと何か起こるはずだ!!」
シャロン「ねえレオン、この石、あの隙間にハマりそうじゃない?」
レオン「うん!!はめてみよう!!」
  レオンは星座盤の欠けた部分に手を伸ばし、キレイにハマる石をはめ込んだ。
シャロン「何も起こらないけど?」
レオン「うーん・・・ これが正解だと思ったんだけど・・・」
レオン「他に何かできそうなことは・・・」
クレア「『輝く星』ということはただ星を完成させるだけではないのかもしれませんね・・・」
クレア「輝きを見出す必要があるのかも しれません・・・」
  クレアの言葉にレオンとシャロンは顔を見合せました
「それって・・・」
レオン「分かった!! この望遠鏡を星座盤が示す 『輝く星』の場所へ向けるんだ!!」
  レオンは星座盤をもとに
  望遠鏡で星を探しました
シャロン「レオン、あの右の辺りにある星、 他のより輝いてない?」
  レオンはシャロンの言葉を頼りに、
  右の方を見ました
  その時
  星座盤が光り輝き、中央からまばゆい光の玉が浮かび上がりました
  それこそ、探し求めていた『輝く星』でした
  『輝く星』はやさしく光を放ちながらクレアの方へ近づいていきました
  そしてクレアを眩い光で包みました
  やがて光が収まると、クレアの姿が
  変わっていました
「わあ!! 誰!?」
クレア「この姿でははじめましてですね」
クレア「私はクレアです」
クレア「おそらく物語が正しく完成したことによって、本来の姿を取り戻したのでしょう」
クレア「お二人のおかげです!! 本当にありがとうございます!!」
レオン「え、えへへ。 それほどでも・・・」
シャロン「もう!! な〜にデレデレしてるのよ!!」
レオン「わぁっ!! で、デレデレなんてしてないよ!!」
クレア「ふふっ。 仲がよろしいですね」
クレア「お二人のお礼に、私の力を少し見せてあげましょう」
  そう言うとクレアは両手を空に上げました
  すると突然太陽が昇り、外が明るくなりました
  それと同時に、二人を光が包み始めました
クレア「どうやらお別れのようですね・・・」
シャロン「最後は笑顔でいきましょ!!」
レオン「うん、そうだね!!」
レオン「それじゃあ、せーの!!」
「ばいばい!!」

〇図書館
  光が消えると、レオンたちは
  図書館へ戻っていました。
  その手には、物語が完成されている『知恵の古書』が握られていました。
  レオンとシャロンは顔を見合せ、
  二人で笑いました。
レオン「冒険、楽しかったね!! 僕、またこんな冒険してみたいな!!」
シャロン「ふふっ、次もわたしが引っ張ってあげるわ!!」
レオン「それじゃあ、帰ろっか!!」
  シャロンはその言葉に
  微笑みながら頷きました。
  そうして帰る二人を祝福するように、
  空が光り輝いていました。
  おしまい

コメント

  • 良質な児童文学を読んだようで感動です!!
    とてもスムーズな展開で、冒険が描かれてワクワクしますね。
    勇気、閃き、知恵、輝きと、人生の大切な事が詰め込まれ、本の冒険は正に人生の冒険なんですね😃
    最後に妖精も姫様へ戻って、感動を呼び込みます。
    絵本にできそうな秀作ですね!
    私もここで、毎年クリスマスネタを書いてまして、
    先日もサンタ話を書きました。よかったら見てください😁

  • アイテムの表示のタイミングがとても上手。まず本を登場させることでわくわく感を演出している。良質な児童文学を読んでいるかのような、丁寧で優しい語り口調がすばらしい。冒険の旅立ちのシーンで、開いた本をイラストを入れるのもいい演出。エフェクトの使い方が本当に良い! 妖精の変顔を入れた挑戦はとても良い。キラキラの波打ち演出が妖精っぽくて良い。ハテナ? アイコンなどの演出の使い方も良い。

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