ありがとう、愛してる。

葩綾愛

愛を伝えたい(脚本)

ありがとう、愛してる。

葩綾愛

今すぐ読む

ありがとう、愛してる。
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇女の子の一人部屋
  4月14日夜
ハル「どうして」
ハル「どうして、シオンが・・・」

〇渋谷駅前
  4月14日 朝
シオン「おはよー!ハル!」
ハル「・・・」
シオン「ハル、怒ってる?昨日のこと」
シオン「ホントにごめん!何してほしい?」
ハル「・・・」
シオン「ハル・・・ごめんってばぁ・・・」

〇オフィスのフロア
リン「ハル、おはよー!」
ハル「おはよー!リン!」
リン「今日も頑張ってこ!」
ハル「頑張ろ!」
  そしてわたしはデスクに向かった。
  デスクに向かったものの、中々仕事が進まない。
  仕事が進まないまま時間を過ごしていた。
リン「そういえばさ、ハル、今日誕生日だよね?お昼、一緒にどう?奢るよ!」
ハル「ほんとだ!今日わたしの誕生日じゃん!お言葉に甘えて奢ってもらおうかな!」
  ぼーっとしていたらお昼の時間になっていた。
  そして何より、自分の誕生日を忘れていたのだ。
  これはかなりの重症。
  何故こんなことになっているのかというと・・・

〇女の子の一人部屋
  4月13日
シオン「えーっと・・・」
ハル「だから!何でさっき女の人といたの?」
シオン「いやー、それは・・・」
ハル「浮気してるならさっさと言えばいいじゃない!」
シオン「浮気じゃないんだよ!」
ハル「はぁ?何言ってんの?あんなに仲良さそうにして?意味わかんない!!」
シオン「ほんとにごめー」
ハル「もう知らない!!出て行って!!」
シオン「うわぁっ!」
ハル「はぁー・・・。もう意味わかんないよ・・・」
  付き合っているシオンと喧嘩してしまった。
  追い出してしまって、気まずくて連絡もできてない。

〇オフィスのフロア
  それで1日中こんな感じなのです。
ハル「はぁー・・・」
リン「お昼行かないの?」
ハル「あ!行く行く!」

〇テーブル席
ハル「・・・でさー?」
リン「あはは!そうなの?ー」
  そこからリンとは他愛もない話をして何とか気を紛らわして。
  どんなに笑顔を作っても、どんなに楽しもうとしても思い浮かぶのはシオンの顔で。
  そこからの記憶ははっきり覚えていない。
  気づいたら家に帰ってきていた。

〇女の子の一人部屋
ハル「ただいまー・・・って言っても誰も返してくれないのか」
ハル「・・・」
  プルルル
ハル「ん?誰からだろ?」
???「もしもし、ハルさんの携帯でお間違いないでしょうか?」
ハル「はいそうですが・・・」
渡辺「私、○○病院の渡辺と申します」
ハル「はい・・・病院の方がなんの御用でしょうか?」
渡辺「実はシオンさんが事故に遭いまして、お亡くなりになられました」
ハル「えっ!!そんな・・・」
渡辺「ご家族の方に連絡をしようと思ったのですが、いらっしゃらなかったので、ハルさんにお伺いしました」
渡辺「今から病院に来ていただく事は出来ますか?」
ハル「はい、伺います。少し時間をください・・・」

〇女の子の一人部屋
  目の前が真っ暗になった。
ハル「どうして」
ハル「どうして、シオンが・・・」
ハル「わたしのせいで・・・」
シオン「ハル。ハルのせいじゃないよ」
シオン「この声は聞こえたないかもしれないけど、伝えたい」
シオン「君が浮気と疑ったのは君の誕生日プレゼントを買いに行ったから」
シオン「付き添ってもらったのは俺の仕事先の先輩」
シオン「先輩は結婚してるし、子供もいる。旦那さんと仲良しで、浮気なんかしないよ」
シオン「昨日出て行った後に飲酒運転の車に轢かれちゃって・・・」
シオン「ハル、俺はハルと少しでも一緒にいれてよかった」
シオン「本当に、本当にありがとう!」
シオン「ハル、ごめんね。愛してるよ」
ハル「シオン、ごめんね。わたしのせいで」
ハル「あんなのが最後だったなんて」
ハル「今までありがとう。愛してる」

コメント

  • 悲しく切ない物語ですね。自分の大切な人に対して、しっかりと向き合って後悔しないようにと自戒させられます。失って気付くこともありますよね。

  • 感情的になり、失った時に初めて気づく大切さ。
    普段生きてる中であること、あることが当たり前な人ほど、失わないと大切さに気づけないところは…ありますよね。

  • 人は生きてると後悔の連続ですが、この件はちょっと…二人ともかわいそうすぎて言葉が出てこないです。
    ちょっとした行き違いで、こんなことになるだなんて。
    切ないお話でした。

コメントをもっと見る(5件)

成分キーワード

ページTOPへ