叶わぬ約束とその先の未来(脚本)
〇病室
佐川 彩子「誠〜、食べられそうなデザート買ってきたよ!!」
浅原 誠「ありがとう、彩子」
佐川 彩子「全然いいよ!! ・・・誠が早く元気になって欲しいし」
浅原 誠「ありがとう・・・──」
佐川 彩子「あ、そうだ!! 今日も聞いてくれる?・・・私の歌」
浅原 誠「もちろん、聞くよ!!」
佐川 彩子「ありがとう」
佐川 彩子「♪~♫~♩~♬」
〇病室
浅原 誠「彩子の歌声・・・やっぱり、いいね!!」
佐川 彩子「ありがとう、誠」
佐川 彩子「私、そろそろバイトの時間だから帰るね」
浅原 誠「分かった!! ・・・またね」
佐川 彩子「また来るね!!・・・──」
浅原 誠(はぁ、また1人だ・・・)
???「おねーさん、帰ったんだ」
浅原 誠「うん、そうだよ」
楠原 まい「また来てくれるんでしょ?」
浅原 誠「そうだけど・・・」
楠原 まい「なら、笑顔でいなきゃ!! おねーさん、悲しんじゃうよ」
浅原 誠「そうだよね・・・ありがとう」
楠原 まい「うん・・・私にできることがあれば、やらせて欲しいんだ」
浅原 誠「ありがとう」
〇中庭
翌日の夕方
浅原 誠「散歩に付き合ってくれてありがとう!」
佐川 彩子「いいよ・・・── 誠の頼みなら、なんでも聞くよ!」
浅原 誠「・・・・・・」
佐川 彩子「どうかした?」
浅原 誠「もし、僕が退院出来たら聞いて欲しいことあるんだ」
佐川 彩子「いいよ、聞いてあげる」
浅原 誠「ありがとう、彩子」
佐川 彩子「そろそろ、病室に戻ろうか・・・」
浅原 誠「・・・うん!!」
〇病室
そのまた翌日の夜
浅原 誠「楠原さん・・・!? 大丈夫?今、看護師さん呼ぶね」
楠原 まい「あ、ありがとう・・・」
看護師「楠原さん、ゆっくり深呼吸して・・・」
楠原 まい「はい・・・」
楠原 まい「スー・・・ハー・・・」
看護師「その感じよ・・・」
楠原 まい「スー・・・ハー・・・」
看護師「寝ちゃった?」
看護師(一安心ね・・・でも、──)
看護師「少し経過を見た方が良さそうね」
浅原 誠(大丈夫かな・・・──)
浅原 誠「明日、笑顔見せてね」
〇病室
浅原 誠「あ、楠原さん!! 元気になって、良かったね!」
楠原 まい「うん、ありがとう・・・ すぐに看護師さんを呼んでくれて」
浅原 誠「ううん、僕は特に何もしてないよ── 苦しそうにしてる姿が見てられなかっただけだから」
楠原 まい「浅原さんは、優しいね」
浅原 誠「・・・そうかな?」
楠原 まい「そうだよ! ・・・私たちがもし、退院出来るようになったら困ってる人を助けていきたいな」
浅原 誠「それ、いいね!! 僕も賛成だよ!!」
楠原 まい「二人で叶えようね!!浅原さん・・・」
浅原 誠「うんっ!!」
〇病室
20XX年、7月
看護師「楠原さん・・・──こんなに早く、寿命が来てしまうなんて」
浅原 誠「楠原さん!!話に・・・」
浅原 誠「来たよ・・・?」
看護師「誠くん・・・なんて説明すればいいのか、分からないけど──」
看護師「・・・寿命が来てしまったの」
浅原 誠「えっ・・・!?」
浅原 誠「そんな・・・困っている人を二人で助ける約束、したのに」
看護師(相当、ショックよね・・・── 私も医師に伝えて、遺族の方にも知らせなきゃ)
〇ナースセンター
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