二木アゲハの憂鬱(脚本)
〇倉庫の搬入口(トラック無し)
ツバメ運輸配達員、二木アゲハ。彼女の仕事は配達だけでなく、新人教育もそうだ。特にアルバイトメンバーの教育が多い。
二木アゲハ「ふへぇ~、今日の教育した新人配達員、覚えはいいけど、やれる量がバラバラだから手伝う量がコロコロ変わってやりづらいなぁ」
「大変そうだな、二木」
二木アゲハ「他人事だと思ってます?って、配達の品物追加!?も~、気が休まらないぃ~!」
アゲハは業績が上位の常連ということで色々と配達以外の仕事も受けることが多いが今回は相当大変な状態なのである。
〇トラックのシート
二木アゲハ「今日は今までで一番長く感じそうな出勤日になるな・・・」
二木アゲハ「まぁ、とりあえず仕事しよう。仕事」
〇更衣室
やっと仕事が終わった時にはアゲハはというと・・・
二木アゲハ「ふぇ~~、も、もう限界~。あ、あれ?なんだかふわふわして・・・」
「しゃ、社長!二木さんが壊れかけて!?明日辺りに休ませましょう!」
二木アゲハ「はっ!?あ、先輩に社長!も、申し訳ございません、こんな姿を見せてしまって・・・」
「気にするな。今日は人手不足だったからお前に大量に頼んでしまった私の責任だ。明日から1週間程有給取って、回復させな」
二木アゲハ「は、はい、分かりました」
〇一人部屋(車いす無し)
その夜、アゲハの自宅にて
二木アゲハ「ふにゃあ~~・・・今までで一番しんどい日だった気がする・・・」
二木アゲハ(戦隊のメンバー探したいけど、この状態じゃやれないよね・・・どうしよう?)
二木アゲハ(ん、待てよ?確か帰り道の公園の掲示板に貼ってあったあのポスター・・・)
二木アゲハ(あれ、おそらくピヨっちが作ったものかもしれないな。明日辺りピヨっちに聞いてみよう)
二木アゲハ(あれ、うちの職場近くにも掲示できる場所がないか探してみよう。ピヨっち1人に頼り切りはまずいからね)
〇住宅街の公園
アゲハの自宅近くの公園
AINAが飛ばしたサーチャードローンが戦隊メンバーにふさわしい人物を探している。
と、その時サーチャードローンが1人の人物を見つけて、分析を開始した。
高徳寺ふみ奈「はぁ、邸宅で1人暮らしを始めてから体力作りも兼ねて配達員のバイトをしておりますが、なかなか上手く行きませんわ・・・」
高徳寺ふみ奈「パソコンばかりやっているからでしょうか・・・くすん」
高徳寺ふみ奈20歳、私立明星学園大学理工学部2年。両親が大企業社長、副社長というかなりの令嬢である。
パソコンが大好きでプログラミングの腕はかなりのものであるが、少々体力面に不安を感じていた。
そのため、2年目の春からアゲハの勤務するツバメ運輸で配達員のアルバイトを始めたのである。
高徳寺ふみ奈「私、本当にこの先大丈夫なのでしょうか・・・戦隊ヒロインの計画のための軍資金等色々と考えなければ・・・」
実は彼女、戦隊ヒロインに憧れを抱いていたのだ。
高徳寺ふみ奈「あ、あのポスターは一体?」
高徳寺ふみ奈「『戦隊メンバー募集中』?一体誰が・・・先輩で知っている方いないか聞いてみましょう」
高徳寺ふみ奈「はぁ、私が戦隊ヒロイン・・・どのような方と組めるのでしょうか?楽しみですわ!」
〇更衣室
それから数日後
二木アゲハ(今日もアルバイトメンバーと仕事か・・・今日は1人だけって社長や先輩言っていたけど、誰だろう?)
「おはようございます、二木先輩」
高徳寺ふみ奈「今日はよろしくお願いしますね」
二木アゲハ「あ、おはよ~、よろしくね」
二木アゲハ(高徳寺さんか・・・うまいことフォローできればいいけどな)
二木アゲハ「じゃあ、行こうか」
高徳寺ふみ奈「はい!」
〇トラックのシート
移動中の車内でふみ奈はアゲハに昨夜自分が見た戦隊メンバー募集のポスターについて聞いてみた。
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