エピソード4 宴会と突然の悲劇(脚本)
〇森の中
キタイローン山に行ったペンテウス一行は、その森の中でみんなで歌ったり踊ったり酒を飲んだりしました。
そして、みんな笑いながら大はしゃぎしていました。
ディオニュソス「みんな楽しんでいるか?」
ペンテウス「おう!」
オクラソス「楽しい!」
すると女性たちが悲鳴をあげた。
イーノー「ディオニュソス様、素敵!」
アウトノエー「なって魅力的でしょ・・・」
イーノーとアウトノエーはディオニュソスの魅力に酔い知れていた。
ペンテウス「相変わらずだな・・・」
〇森の中
その夜
宴が終わった後のこと・・・
ペンテウス「ディオニュソス何するんだ?」
ディオニュソス「ペンテウス・・・」
ペンテウス「やめて・・・あ・・・」
2人は全裸となり、不思議と惹かれ合いました。
ペンテウス「ディオニュソス・・・」
ディオニュソス「ペンテウス・・・」
それはまさしく、森の中のアダムとアダムの状態でした。
ペンテウス「気持ちいい・・・」
ディオニュソス「俺も限界だ行くぞ!」
そして、ついに2人は致してしまいました。
ペンテウス「あ──!!」
ディオニュソス「あ、あ・・・」
こうして二人は体はとろけており、とろけるような顔もしました。
ディオニュソス「ペンテウス、お前を愛している」
ペンテウス「僕もディオニュソスを愛しているよ」
2人は熱いキスを交わしました。
しかし、これから悲劇的な起こることも知らずに・・・
〇火山のある島
エトナ山
エトナ山の火山でガイアがテューポーンの封印を解いた・・・
ガイア「目覚めよテューポーンよ」
テューポーン「・・・」
それはガイアとタルタルスの間に生まれた子、上半身が人間で、下半身が蛇のテュポーンであった。
ガイア「オリュンポスを滅ぼせ!」
テューポーン「承知した。お母様・・・」
〇雲の上
オリュンポス
ヘルメス「報告がございます!」
ゼウス「何事だ?」
ヘルメス「テューポーンが現れました!」
ゼウス「なんだと?」
ゼウス「確か、俺が火山に封印したはずだ」
ヘルメス「それが、ガイアが封印を解いたんですよ」
ゼウス「ガイアだと!」
ゼウス「・・・」
ゼウス「出撃の準備をしろ!」
ヘルメス「は!」
オリュンポスの神々は、出撃の準備をした。
〇森の中
キタイローン山
ディオニュソスの信者たちが慌てていました。
ペンテウス「何これ地震?」
オクラソス「お父さん怖いよ・・・」
ディオニュソス「いや、地震じゃない」
ディオニュソスは何かを感じ取るように察知した
ディオニュソス「何かの怪物が現れたようだ」
ペンテウス「怪物?」
ペンテウス一行は恐れを覚えた。
すると目の前にヘルメスが現れた。
ヘルメス「ディオニュソス、探したぞ!」
ディオニュソス「ヘルメスか・・・」
ペンテウス「ヘルメス・・・この人物が・・・」
ヘルメス「お前が噂のペンテウスだな」
ヘルメス「いや、そんなことより」
ヘルメス「ゼウスから集合命令があった」
ディオニュソス「何があった?」
ヘルメス「エトナ山で上半身人間で下半身蛇のテューポーンが現れたんだよ!」
ディオニュソス「何だって!」
ペンテウス「テューポーン?確かゼウスがエトナ山に封印したというあの?」
ヘルメス「そうだ・・・、時間がないオリュンポスに来てくれ!」
ディオニュソス「わかった」
ペンテウス「ちょっと待って、俺も行かせてくれ!」
ディオニュソス「ダメだ、お前は何をひでかすかわからないんだぞ」
ディオニュソス「おとなしく俺の言うこと聞け」
ペンテウス「はい・・・」
ディオニュソス「それでいい」
ヘルメス「それじゃあ行こうか」
ディオニュソス「ああ・・・」
ペンテウス「ディオニュソス・・・」
そして、ディオニュソスとヘルメスはペンテウスを置いてどこかに行ってしまいました。
〇火山のある島
エトナ山でオリュンポスの神々は、テューポーンと戦いました。
ゼウス「これでも喰らえ!」
テューポーン「己!」
テューポーンの進撃に対し、ゼウスが雷鳴を轟かせると、大地はおろかタルタロスまで鳴動し、足元のオリュムポスは揺れた。
しかし、ゼウスはテューポーンの戦いで、テューポーン反撃により手足を切断されてしまいました。
ゼウス「あー!」
テューポーン「これで手足は使えない、フハハハ!」
ゼウス「くっくそ・・・」
テューポーンはゼウスを捕らえました。
〇洞窟の深部
コーリュキオン洞窟
手足を切り落としたうえ、デルポイ近くのコーリュキオン洞窟に閉じ込めてしまいました。
そしてテューポーンはゼウスの手足を熊の皮に隠しました。
そして、番人として半獣の竜女デルピュネーを置き、自分は傷の治療のために母ガイアの下へ向かった。
テューポーン「俺は母ガイアの所に行って体を癒してくる、お前はゼウスを見張れ」
デルピュネー「承知しました、テューポーン様」
〇王宮の入口
一方、王宮に戻ったペンテウス一行は。
ペンテウス「ディオニュソス・・・」
ペンテウスは、ディオニュソスのことで頭でいっぱいでした。
すると・・・
ディオニュソスたちが現れました。
ペンテウス「ディオニュソス、何があったの?」
ディオニュソス「ゼウスが手足を切られ、コーリュキオン洞窟に閉じ込められた!」
ペンテウス「何だって!」
ヘルメス「俺が手短で詳細を教えてやる」
ヘルメスは、ペンテウスにこれまでの経緯を話した。
ペンテウス「そんな・・・」
ディオニュソス「残念だけど事実だ」
ヘルメス「でも今回テュポーンと戦ったのは2回目、前回はゼウスは何とか勝利したが、」
ヘルメス「今回は同じパターンであるが、これまでとは違う」
ペンテウス「これまでとは違う?」
ディオニュソス「まずはテューポーンは、どうやって封印を解き放ったかだ」
ヘルメス「本来はエトナ火山にゼウスによって封印されているが、なぜかガイアの力によって封印が解かれたようだ」
ディオニュソス「だけど、ガイアは常に力を失っていたはず、なのに封印が解けるはずがない」
ヘルメス「おそらくは黒幕がいるのは確かだ」
ヘルメス「そして、もう1つデルピュネーがゼウスとゼウスの手足を洞窟で見張っていることだ」
ヘルメス「前回は騙すことはできるが、今回は騙されるかどうかは分からない?」
ペンテウス「とにかく、ゼウス様を助け出さないと」
ヘルメス「珍しいね、君は神々の事を嫌っていたのに、何故?」
ペンテウス「そっ、それは・・・」
ペンテウス「・・・」
ペンテウス「2人に全ての事を話そう」
〇黒
ペンテウスは、これまでの自分を話した。
〇王宮の入口
ディオニュソス「ヤマダ・・・タクミ?」
ヘルメス「初めて聞く名だな・・・」
ペンテウス「はい、僕の名前は山田匠です」
ペンテウス「僕は交通事故にあって、気づいたらこのペンテウスという呼ぶ人物の肉体に転生してしまったんですよ」
ヘルメス「つまり転生者ってことだな」
ペンテウス「はい」
ディオニュソス「なるほどね事情はよくわかった」
ヘルメス「でも珍しいケースだな」
ペンテウス「あの元の世界には帰れるでしょうか?」
ヘルメス「それは分からない」
ヘルメス「だけど、元の世界からこっちの世界に来たのは確かだな」
ヘルメス「だけど本来、人間は死後、冥界・・・つまり俺のおじさん、冥界の神ハデスの領域の所に行かなきゃいけないんだが・・・」
ヘルメス「その場で転生をすることもあるんだが、お前は稀なケースであり、偶然にこの世界に来た」
ペンテウス「そうだったんですね」
ペンテウス「僕は元の体に戻れるでしょうか?」
ヘルメス「その可能性は極めて低いな、正直そのまま冥界に行く可能性は極めて高いな」
ヘルメス「というのも問題は元の世界の肉体がボロボロになっていたら、それは恐らく、元の世界には戻れず、冥界行きだ」
ペンテウス「そんな・・・」
ペンテウス「どうしたら・・・」
ペンテウスは悲しむと、ディオニュソスが彼を慰めた。
ディオニュソス「心配するなよ、俺が何とかしてやるから」
ペンテウス「ディオニュソス・・・」
ディオニュソス「お前は俺の大事ないとこであり、俺の恋人だ」
ペンテウス「こ、恋人なんて恥ずかしい・・・」
ペンテウスは恥ずかしくなりました。
ヘルメス「ヒューヒュー、2人ともラブラブだね♡」
ディオニュソス「こらヘルメス、ペンテウスが嫌がってるじゃないか」
ヘルメス「ごめん、ごめん」
ディオニュソス「とにかく、まずはゼウスを助けるのは先決だ」
ヘルメス「そうだな、早く助けに行こう」
ペンテウス「それじゃあ早くゼウスの所に助けに行こう」
こうして2柱の神と1人の人間がゼウス救出の作戦に入る