幸せの青い鳥って、、、(脚本)
〇渋谷の雑踏
恵「渋谷のスクランブル交差点といえば ここ渋谷駅前 たくさんの人と車が行き交う」
恵「実は渋谷にはもう1つ大きな交差点があるの その場所は私の元気の源」
恵「私が人生に絶望したとき」
恵「辛い時でも、唯一その場所には行くことが出来たの と、言うか その場所だけには行きたくてたまらなかったんだ」
恵「そんな私のお気に入り・大切な場所をご案内しますね」
〇林道
恵「ここは自然と人が生き交う交差点 木々のトンネルに一歩入ると 大自然に囲まれた別世界」
恵「おしゃれで華やかな街も好きだけど そのすぐそばにある大自然美 このギャップも、渋谷の魅力の一つ」
恵「『自然美』と言っても実は人工的な森」
恵「壮大な実験を現在進行中! 世界的にも珍しい キセキの森なのよ」
恵「そこで私はある日、面白い体験をしたの 童話みたいなお話なんだけど・・・」
〇霧の立ち込める森
恵「あれ!? 何?この雰囲気??? 私、寝ぼけてる?夢の中??」
恵「渋谷で遭難!? ありえないよね!!」
ガサッ ガサッ
恵「ちょっとー やめてほしいんですけどー さっきまでたくさん人がいたのに 誰もいなくなっちゃった」
恵「森のくまさん? どうしよう?まだ明治神宮で鈴のお守り買ってない!! 背中を見せず、目をそらさない?なんだったかな?」
バサッ バサッ
恵「あら。 そんなに大きくなさそう だけど、確実に何かいるよね 近づいて来てるよね、、、」
〇霧の立ち込める森
ルリー「こんにちはー」
恵「え! 鳥がしゃべった!! 幻聴? あっ もしかして オウム?インコ?」
ルリー「ぼくは「ルリビタキ」っていう鳥の種類 良ければ、「ルリー」と呼んで」
恵「どうしよう、私高熱があるのかな? なんだか知らないけど 鳥が私に話しかけてる? なんだか童話の世界みたい」
〇霧の立ち込める森
ルリー「君も迷子かな? 人間の世界はイロイロ大変みたいだね まあ、鳥の世界も色とりどりだけどさ」
恵「なんだ?!ギャグまで言ってる?? どうしよう? 私、死んじゃったのかな? 確かに悩んで、疲れて いろいろ迷ってるけど」
ルリー「大丈夫だよ! かなり迷っているようだから、話しかけたくなっちゃったんだ ボクでよかったらお話し聞くよ」
〇けもの道
恵「夢かなんだかわからないけど 最近誰とも話をしてないし 話し相手になってもらおうかな」
恵「実はね、鳥さん あっ ルリー 私、社会からドロップアウトして1人になっちゃったの」
恵「信頼していた人から裏切られて、長年働いていた会社を退職したの そしたら友達と思っていた人も離れて行ってしまった」
恵「人間不信、喪失感、絶望感の真最中」
ルリー「そっか、そうか それは、それはたいへんだったね 試しにこれを使ってみて」
恵「え!? リモコン!? 森でテレビ見ることができるの?」
〇けもの道
ルリー「「青い鳥症候群」って知ってる?」
恵「「症候群?」わからないけど そっか、やっぱり私病気なんだね 私、ルリーみたいに青い鳥になれるの?」
ルリー「クスッ ボクみたいになりたいの? それなら7のチャンネル押してみて」
恵「7を押すと私もルリーみたいに キレイな鳥になれるの?」
ルリー「うん。 なれるけど、今のままがいいんじゃない? 人間ってたいへんそうだけど、 実はねとっても幸せなんだよ」
ルリー「遠くに幸せを求めて、 本当の幸せがすでにあるのに気がついていない ことを人間は「青い鳥症候群」っていうらしいよ」
恵「あ!それ小さい頃に童話で読んだわ ルリー、他のチャンネルは何を見ることができるの?」
ルリー「1が過去 3が未来 0が今の世界が見ることができるリモコンだよ」
恵「ルリーのお勧めは?」
ルリー「0チャンネル 今、現在がお勧めだよ」
〇森の中
恵「0ちゃんネル ピピ」
恵「あれ ルリーと私が写ってる これ鏡?」
ルリー「今、目の前を大切にってことだよ 当たり前のようで当たり前でない このありがたき キセキを大切に」
恵「確かに わかっているようで なかなか、、できていないわ」
恵「じゃあ 1過去チャンネル ピピ」
〇荒野
恵「何もない!!」
ルリー「約100年前はほとんど畑や荒地だったんだ」
ルリー「想像し創造された人工的杜だけど 時の経過と共に人間はもちろん、樹々や草花、鳥や虫たち 多くの生き物のオアシスになった」
恵「想像して創造ね ルリーはギャグが得意なのね 久しぶりに笑ったわ」
恵「それにしても この場所が100年後に あの美しい森になるなんて信じられない」
恵「でも誰かが信じたから 荒地をも 緑豊かな森になったのね」
ルリー「そうだね 希望を持ち、信じ行動するってステキなこと たとえ今何も無くてもね」
ルリー「戦時中は森が 人や多くの生き物の守った 落ち葉が柔らかクッションとなり 焼夷弾の爆発を少なくした」
ルリー「木が枯葉を落とし 枯葉の下で微生物や虫が育つ 鳥が木の実を食べる 命の循環」
〇森の中
恵「私、生きる希望を無くしていたの でもね、この森の未来をもっと見ていたい 生きる欲というか 生きる理由が見つかっちゃった」
ルリー「そうだよね ボクもこの森に住み続け、未来もずっと見ていたい 鳥仲間ともそんな会話のやりとりしてるよ」
恵「あ、またルリーのオヤジギャグ 笑わせてくれてありがとう ルリーは本当に「幸せの青い鳥」ね」
恵「沢山の命が循環するこの森 森で見る全てが輝いて見えるわ」
恵「もしかしたら ルリーの7チャンネルって・・・」
〇密林の中
人は近い明日よりも、遠い未来を信じやすいですよね。
時に過去を振り返ってみたり。
ルリーのテレビ、未来は何が映っていたのかが気になります。
会話が楽しくて、おもしろかったです。
人は今の現状に満足せずもっともっとお金が欲しいと欲望が尽きないと思います。確かに、今の生活がどんだけ幸せかなかなかわからないですね。
今の自分の環境に満足せず、昔や違ったイメージを想像しては、人はないものねだりをしがちですよね。律してくれる青い鳥がいたらみんな前向きに行動できるかもしれませんね。