鳥居のそばでキスをして

にゃぴょう

第5話 乃亜の気持ち(脚本)

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〇一戸建て

〇シックなリビング
英田 乃亜(あいだ のあ)「・・・・・・」
「ただいまー」
母「はぁー、疲れた! 京都まで仕事が追いかけてくる・・・」
母「乃亜、制服くらい着替えたらー?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「あ、ほんとだ」
母「どしたボーッとして? 学校疲れたー?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「いや、別に・・・」
  そりゃ、ぼーっともするよ。だって──

〇バスの中
荒木 煌一(あらき こういち)「俺、お願いしたいことあるかも・・・」
荒木 煌一(あらき こういち)「・・・・・・」
荒木 煌一(あらき こういち)「おっ」
英田 乃亜(あいだ のあ)「へっ」
  煌一の顔が、目と鼻の先にあった。
  神社で2人して倒れたときよりも、さらに近くに。
  ・・・なんで?
「・・・・・・」
荒木 煌一(あらき こういち)「・・・変顔」
英田 乃亜(あいだ のあ)「ブフッ」
英田 乃亜(あいだ のあ)「ちょっと、やめてよ」
荒木 煌一(あらき こういち)「ハハハ、寝起きドッキリ成功や」
英田 乃亜(あいだ のあ)「寝起き・・・ごめん、寝てた」
荒木 煌一(あらき こういち)「もうすぐ着くしな、起こさなあかんな思って。ハハ・・・」

〇シックなリビング
  あれ・・・あれは、
  キスしようとしてなかったか・・・!?
  あの顔の角度は、そういうあれでは・・・
  いやしかし、煌一のこれまでの言動をみるに、
  笑いを取るためならば多少のやりすぎもいとわない様子は見受けられる。
荒木 煌一(あらき こういち)「・・・変顔」
英田 乃亜(あいだ のあ)「うん。やっぱりただの冗談。そうだ、コウイチはカンサイジンなんだから」
母「あれ、晩御飯もまだ? 冷蔵庫入りっぱなし」
英田 乃亜(あいだ のあ)「あ、さっき帰ってきたところで・・・。コウイチと出かけてて」
母「あぁ、アルバイト体験させてもらってる神社の? 仲良くなったんだね」
英田 乃亜(あいだ のあ)「仲良くっていうか、まぁ、うん」
母「お母さんも今度、挨拶行かないとね」
英田 乃亜(あいだ のあ)「いいよ、まだアルバイト続けるかわからないし・・・」
母「そうなの? あ、ご飯あっためるね」
英田 乃亜(あいだ のあ)「はぁ・・・」
  なぜこんなに動揺しているのか、自分でもわからない。
  転校してから二週間。
  もっと平穏っていうか、何事もなく過ごすことになると思ってたのに。
  煌一が、僕を引っぱり回すから・・・!
英田 乃亜(あいだ のあ)「ああー、着替えてくる!」

〇和風
  鳥居のそばでキスをして
  第5話 乃亜の気持ち

〇神社の本殿
英田 乃亜(あいだ のあ)「〈ラーメン屋ですね。 京都発祥の人気店がここにあって・・・〉」
みかん「ノアノア先輩、一週間でめっちゃ仕上げてきてはりません!?」
みかん「なんなん、頑張り屋さんなん!? 推せるんですけど!?」
松尾のじいちゃん「さすが、わしの見込んだだけあるわ」
荒木 煌一(あらき こういち)「スカウトしたんはオレやでぇ」
みかん「はっ、荒木さん! お疲れ様でっす!」
英田 乃亜(あいだ のあ)「案内終わりました」
松尾のじいちゃん「おつかれさん」
荒木 煌一(あらき こういち)「おう」
英田 乃亜(あいだ のあ)「あっ、どうも」
荒木 煌一(あらき こういち)「どうもて、学校でも会ったやん」
英田 乃亜(あいだ のあ)「そ、その通りだね」
  バスの日以降、煌一はもちろん普段通りだった。
  やっぱりただの、至近距離で変な顔をするというジョークだったんだ。
  ほんと、僕も、普通に接しないと。
荒木 煌一(あらき こういち)「さっき教えてたラーメン屋、この前写真撮ったとこやんな──」
英田 乃亜(あいだ のあ)「あ、ごめん。人が!」
英田 乃亜(あいだ のあ)「〈少々お待ちください!〉」
荒木 煌一(あらき こういち)「行ってもた」
松尾のじいちゃん「英田くん、アルバイトのお試しは今日までなんやろ?」
みかん「えー、そうなんですか? 続けてほしー!」
みかん「いてくれたら、英語対応らやんでいいしマジでラク・・・」
みかん「いや、仲間が増えたら嬉しいなーって⭐️」

〇神社の本殿

〇和室
英田 乃亜(あいだ のあ)「終わったー・・・」
煌一の母「ノアくん、おつかれさま!」
煌一の母「はい、ペットボトルで愛想ないけど」
煌一の母「一応、京都限定販売の宇治茶やで」
英田 乃亜(あいだ のあ)「いただきます」
煌一の母「ノアくん、すごい頑張ってくれてはったねぇ」
煌一の母「お客さんに案内するためいうて、色々勉強もしてくれてたって。煌一から聞いたで」
英田 乃亜(あいだ のあ)「いえ、大したことはしていなくて」
煌一の母「こちらとしては、ぜひ続けてもらえたら嬉しいなと思てるけど」
英田 乃亜(あいだ のあ)「ありがとうございます・・・」
煌一の母「もちろん学業優先やし、来られるときでええねんけど」
煌一の母「どう? やってみる?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「えっと、みなさん優しくしてくださいますし」
英田 乃亜(あいだ のあ)「仕事も少しずつ慣れてきて、」
  でも、煌一を妙に意識してしまって、やりづらいです。
  なんて、口が裂けても言えない・・・!
英田 乃亜(あいだ のあ)「あの、ぜひ、お願いします」
煌一の母「おおきに、こちらこそよろしくお願いします!」
煌一の母「そしたら、この書類に名前とか住所とか書いてもろて」
煌一の母「そや、親御さんにもご挨拶せななぁ」
英田 乃亜(あいだ のあ)「うちの母も挨拶に来たいと──」
煌一の母「・・・ん? ノアくんって、苗字「英田」やったっけ?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「はい、そうですが」
煌一の母「もしかしてお父さんの名前、「孝介(こうすけ)」サン?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「はい、そうです」
煌一の母「うそやろぉ? あの英田孝介の息子ぉ!?」
英田 乃亜(あいだ のあ)「え・・・?」
荒木 煌一(あらき こういち)「ノア! おつかれ」
荒木 煌一(あらき こういち)「お、この書類書いてるってことは、正式採用決定!? よっしゃ──」
煌一の母「ノアくん。ごめんやけど」
煌一の母「アルバイトの話なぁ・・・なかったことにしてくれへん?」
「・・・えぇ!?」

次のエピソード:第6話 過去のできごと

コメント

  • 乃亜と煌一の今後が気になりますね!✨☺️
    二人のドキドキ姿にキュンキュンしますし、癒されますねー✨
    でも何やら波乱の予感…?😳
    また次回も楽しみにしてますー!✨💕

  • 案内が上手くいっている乃亜くん。
    そのまま続行……と思いきや苗字と父の名前を聞いた煌一くん母の様子がおかしい。🤔

    母が何故怪訝な顔をして、アルバイトの話を取り消そうとしたのか。過去に何かあったのでしょうか?
    続きを待ってます。

  • 変顔のくだりがとても好き😂
    2人がもだもだしながら惹かれあっている姿が本当にかわいくて毎話癒されてます😂😂

    こうぼんのお母さんの態度が変化したのはなぜなのか…🤔
    2人の関係にもどう影響してくるのか楽しみです😆

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