アンダーグランドセプト

黙々倫敦(もくもくろんろん)

エピソード1 曲がり角の先の光(脚本)

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〇入り組んだ路地裏
  時刻は夕方、誰かが走る音が路地に響く
  白い上着を着た男がなにかに向かって話す
伊吹凱「嶋野!マル被はさっきの路地を真っ直ぐ直進中」
  学生くらいの男とその男を「マル被」と呼ぶことからおそらく警察関係者の男が全速力で小道を走る
二階堂不比等「クソっ、足速すぎだろ」
二階堂不比等「こっち!!」
  学生の方が路地を急に曲がる
伊吹凱「今万引き野郎右に曲がった」
  そうどこかに報告するとさらに追いかける

〇ビルの裏
伊吹凱「おい待て!!」
  逃げた男は大通りに出ていった
伊吹凱「大通り出たぞ!」
  ブゥゥゥゥゥゥーーーーーン
  バイクのエンジン音が響く
伊吹凱「あ?」
  警察も大通りに出る

〇繁華街の大通り
伊吹凱「はぁ、はぁ、はぁ、」
伊吹凱「どこ行きやがった・・・」
  そこにもう一人男が合流してきた
嶋野一輝「仲間が1人、バイクだ」
伊吹凱「もぉ、先回りしたならちゃんと捕まえろよな」
  どうやらもう一人の男は先回りして万引き犯を捕まえようとしていたようだ
伊吹凱「で、ナンバーは?」
嶋野一輝「一応抑えといたけど、多分盗難車だろうな」
伊吹凱「え?」
嶋野一輝「おそらくアイツら学生、しかも典型的不良生徒、で学生がバイク手に入れる方法なんてたかが知れてるだろ」
伊吹凱「いやいや、」
伊吹凱「もしかしたら先輩から受け継いだ系かもしれないじゃん?」
嶋野一輝「あ?」
伊吹凱「いやほらさぁ?」
  呆れたように言う
嶋野一輝「もういいよ、一旦帰るぞ」

〇線路沿いの道
  ブゥゥゥゥゥゥーーーーーンとバイクの音が響き渡る
吉備陽介「さっきは危なかったな」
二階堂不比等「まじそれ、サンキュ」
吉備陽介「なあ不比等、」
  吉備が少し声のトーンを落として聞いた
吉備陽介「俺たちそろそら半グレ作らね」
二階堂不比等「・・・」
二階堂不比等「・・・」
二階堂不比等「もちろん作りたい」
二階堂不比等「作りたいのは山々なんだけどな・・・」
吉備陽介「・・・」
吉備陽介「やっぱ2人で作るのは厳しいかぁ?」
二階堂不比等「一旦5人くらいは集めたいな」
吉備陽介「そうだよな・・・」
二階堂不比等「それに俺たちまだ高校生じゃん?」
吉備陽介「でも高校生でチーム作ってるやつなんていくらでも・・・」
二階堂不比等「・・・とりあえずメンバー集めだ」
吉備陽介「・・・あと名前決めもな」
二階堂不比等「あー、名前どんなのがいいかな」
吉備陽介「やっぱチームドラゴンだろ」
二階堂不比等「なにそのクソダサ」
吉備陽介「はぁ!?結構いいだろ!」

〇事務所
伊吹凱「おつかれっすー」
嶋野一輝「お疲れ様です」
一帯傭平「おう帰ったか」
一帯傭平「とりあえず話だけ聞いといてくれ」
一帯傭平「この間捜査2課がガサ入れしたマーダーラーってとこの事務所から妙なものが見つかったらしい」
伊吹凱「ん?妙なもの?」
一帯傭平「薬だ」
嶋野一輝「違法薬物ですか」
一帯傭平「いや、違法薬物ではないんだ」
嶋野一輝「?」
嶋野一輝「じゃあなんの?」
一帯傭平「全く新しい薬だよ」
伊吹凱「うぉっ、やばそぅ!!」
嶋野一輝「で、なんでそれがうちに?」
嶋野一輝「うちは第1機捜です。薬とかそういうのは・・・」
一帯傭平「いやそうなんだがな、お前らが前に捕まえてた・・・」
一帯傭平「ほら、妙なことを言ってたやついただろう」
嶋野一輝「妙なこと・・・?」
伊吹凱「あ!もしかして」
伊吹凱「1週間くらい前の速度違反チンピラのこと?」
一帯傭平「そいつだそいつ!」
嶋野一輝「速度違反で捕まえて・・・」
嶋野一輝「たしか意味不明な供述を今も続けているやつじゃ」
伊吹凱「なんか抗争中に相手が体から炎を出しながら凄い勢いで攻撃してきたって言ってたヤツだっけ?」
一帯傭平「だから車で1人命からがら逃げてきたってらしいが」
一帯傭平「しかしその抗争がいつ行われたもので相手がどこかもまだわかってない」
嶋野一輝「てことはそいつがその薬使って幻覚でも見てたってことですか・・・」
一帯傭平「いや・・・」
  急に一帯が険しい顔つきになる
一帯傭平「どうやら薬を使っているのは抗争相手方らしいぞ」

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