渋谷ブルーム

みねの・おーはし

エピソード1(脚本)

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〇教室
  中学生の頃
同級生1「桜さんって地味だよね」
同級生2「オシャレとか興味なさそー」
桜「わたしだって」
桜の母「色付きリップ?必要ないわよ」
桜の母「どうせ似合わないんだから」
桜「わたしなんて」

〇川沿いの道
桜「可愛い人は生まれた時から可愛いし オシャレなのは最初からセンスがある人」
桜「わたしなんかが可愛くなろうだなんて身の程知らずも良いとこ」
桜「中学生でそう気づいてからは地味に地味ぃに生きてきた」
つばき「マジで!!」
桜「ん?」
つばき「楓くんとついにデート!?」
かすみ「うん、今度渋谷で」
桜「ぐはッ・・・!!」
桜「渋谷で彼ピとデートだと?」
桜「まばゆいほどの青春の輝き」
桜「目が・・・目がーーーッ!!」
かすみ「でも楓くんにどう思われるかって考え出したら服もメイクもわかんなくて」
桜「悩む必要なんてないのに」
つばき「なに言ってんの」
桜「大丈夫だよ」
桜「だって元々カワイイ・・・」
つばき「カワイイはつくれる!!」
かすみ「そうかなぁ」
つばき「自信持ちなって」
桜「カワイイはつくれる・・・?」

〇女の子の部屋
  その夜
桜「カワイイをつくるか」
桜「いや、何考えてんだ」
桜「わたしなんか、どうせ、無駄だし・・・」
桜「そう思ってたはずなのに」
  部屋を見回す桜
桜「結局捨てきれなかったんだよな」

〇女の子の部屋
  その日から桜の『カワイイ』をつくる戦いが始まった

〇女の子の部屋
  雨の日も風の日も
  たとえ嵐が来ようと
  隕石が世界を襲おうと

〇女の子の部屋
  朝も夜も、寝る間も惜しみ
  血反吐をはきながら
  謎の組織に狙われ
  サイバーテロを仕掛けられても
桜「わたしは『カワイイ』に全身全霊を捧げた」

〇女の子の部屋
桜「そして時は来た・・・」
桜「ついに日の目を見るッ」
桜「わたしのカワイイ最高傑作」
ガーベラ「美少女アンドロイドのガーベラです」
桜「『カワイイ』は、つくれる・・・!!」
ガーベラ「・・・・・・」
ガーベラ「マスター」
ガーベラ「カワイイをつくるとは、こういう意味では無いのでは?」
桜「ガーベラちゃんカワイイな〜」
ガーベラ「聞いてませんね」
桜「これなら渋谷に行っても恥ずかしくないぞ」
桜「ガーベラちゃん、行っておいで!!」
ガーベラ「マスターは行かないのですか?」
桜「渋谷に集まるのは可愛くてオシャレな人ばっかりだよ」
桜「わたしは何も変わってないんだから」
ガーベラ「マスター」
桜「ほら早く!!マスターの命令は絶対!!」
ガーベラ「仰せのままに・・・」
  こうして美少女アンドロイドのガーベラは渋谷へと出かけていった

〇ハチ公前
ガーベラ「ここが渋谷」
ガーベラ「どんな街なのか見てみましょう」

〇SHIBUYA109

〇センター街

〇渋谷ヒカリエ

〇渋谷のスクランブル交差点
ガーベラ「さまざまな人間たちがいるのですね」
ガーベラ「はい、ガーベラです」
桜「もしもしガーベラちゃん、渋谷楽しんでる?」
ガーベラ「とても興味深い街です」
桜「そうだろう やっぱり可愛い子には似合いの場所だ」
ガーベラ「マスターにも見てほしい」
桜「わたしみたいな地味でダサいのが行っても恥かくだけだよ」
ガーベラ「・・・今すぐ渋谷へ来てください」
桜「無理無理無理無理」
ガーベラ「いいから!!」
桜「アンドロイドがマスターに命令する気か!?」
ガーベラ「仕方ない・・・」
ガーベラ「強制司令モードに移行します」
桜「へ・・・?」
ガーベラ「マスター召喚、発令!!」
桜「おわっ!!」
桜「こんな機能つくった記憶ないぞ・・・」
ガーベラ「アンドロイドにバグは付きものです」
桜「バグどころか、とんでもない能力だ・・・」
桜「だからおかしな連中に狙われてって」
桜「ウヒャ!!みんなこっち見てるじゃないか」
ガーベラ「突然人間が召喚されたら誰だって見ますよ」
桜「ああ、恥ずかしい」
桜「こんなところ・・・すぐ帰らないと」
ガーベラ「待ってくださいマスター」
ガーベラ「なぜこの街はこんなにも華やかなのだと思いますか?」
桜「そういう人たちが集まってくるからだろ」
ガーベラ「いいえ、違います」
ガーベラ「ここに来る人間は種のようなもの」
桜「タネ?」
ガーベラ「どんなファッションも、古いも新しいも、大きいも小さいも、綺麗も可愛いも、カッコいいも渋いも」
ガーベラ「すべての『なりたい』を受け入れ叶えてくれる」
ガーベラ「誰もが自分だけの花を咲かせる場所」
ガーベラ「それが渋谷という街の持つ力」
桜「・・・そんな風に考えたことなかった」
ガーベラ「さあマスター」
ガーベラ「今度はあなたの花を咲かせる番ですよ」
桜「・・・うん!!」

〇SHIBUYA SKY
ガーベラ「美しい夜景・・・」
桜「ガーベラちゃん」
桜「・・・どう、かな?」
ガーベラ「とてもカワイイです」
ガーベラ「あなただけの花」
ガーベラ「マスター桜」

コメント

  • 無茶苦茶にブッ飛びつつも、しっかり地に足のついた話の運び…お見事でした!「かわいいは作れる」にあんな解釈があったとは…笑
    普段の桜のキャラも凄く魅力的ですが、桜がガーベラと共になりたい自分を手に入れたのは素直に嬉しい気持ちになりますね

  • 読んで字の如く「カワイイ」を作った…!?
    この展開はまったく予想できませんでした、とんでもない才能の持ち主だ…笑

    「私だって」が親のひと言で「私なんて」に変わる瞬間、日常に潜む呪いを感じますね
    マスター桜が最後の最後に自分なりの「カワイイ」を見つけることができて良かったです☺︎

  • かわいいは作れる!の戦いで、桜ちゃんが可愛くなるのかと期待してたら、まさかのアンドロイドを作っていて面白かったです。最後桜ちゃんも可愛くなってよかったです。

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