乙女×乙女。これぞ、乙女ゲームです!

翡翠。(最垢)

エピソード1、運命は登校初日から?!(脚本)

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〇女の子の部屋
  朝。目覚ましのベルと同時に、私はベッドの上で飛び起きた。
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「やばっ!!完全に寝坊したーーっ!!!」

〇シックな玄関
  制服に着替えて、食パン咥えて、玄関を飛び出す。
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「いってきまーすっ!!...って、ああもう!また靴、逆だしっ!!」

〇一戸建ての庭先
  慌てて履き直して門をくぐったところで、誰かとぶつかった。
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「ぐふっ!? ご、ごめ――。って、はると!?なんでここに!?」
朝倉 陽翔(あさくら はると)「おーおはよ。寝坊しただろ、どーせ」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「え、なんでわかったの?!」
朝倉 陽翔(あさくら はると)「いや、知ってる。お前のそういうとこ、昔っから変わんねーし」
  そう言って陽翔が私の額に人差し指をツン、と当てる。
朝倉 陽翔(あさくら はると)「おでこに寝ぐせ跡ついてるぞ。...つーか、お前、食パンほんとに加えるやつだったんだな」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「うるさいっ!!毎朝こうしてるわけじゃないもん!!」
朝倉 陽翔(あさくら はると)「毎朝こうしてるんだろ?」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「だからうるさいってば!!」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)(...まったく。昔からこういうとこだけ、勘が鋭いんだから)

〇市街地の交差点
  登校途中。ふと信号待ちで横を見ると、陽翔がこっちをじーっと見てた。
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「...な、なに?」
朝倉 陽翔(あさくら はると)「いや、別に。...その髪、今日、結んでないんだな」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「え?あ、寝坊したから...。適当にとかしただけ」
朝倉 陽翔(あさくら はると)「...ふーん」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)(なんでちょっと寂しそうな顔するのよ。そんな顔されたら――)
一ノ瀬 花音(いちのせ かのん)「おはよ〜っ柚葉ちゃんっ♡はるとくんも、おはよっ!」
  まるでぴょんっと跳ねるように走ってくるのは、私の親友の一ノ瀬花音ちゃん。
  可愛い声にふわふわな茶色の髪、完璧な笑顔。
一ノ瀬 花音(いちのせ かのん)「今日ね、柚葉ちゃんと一緒にお弁当食べたいなって思って!いいかなっ?」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「え、う、うん!もちろん!」
一ノ瀬 花音(いちのせ かのん)「やった〜♡」
  くるっと私の腕に抱きついてきて、頬をくすぐるように笑う花音ちゃん。
春乃 柚葉(はるの ゆずは)(あれ?顔、ちょっと近い...)
一ノ瀬 花音(いちのせ かのん)「...あっ、ほっぺにゴミついてた!取れたよ〜♡」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「...あ、ありがと...!」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)(なに今の、ちょっとドキッとしたんだけど!?)

〇教室
  そんなこんなで教室に着くと、席についた瞬間──
久遠 澄香(くおん すみか)「本日より、編入させていただくことになりました」
  クラスの空気が一瞬で凍った。いや、凍ったというより――息を呑んだ感じ?
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「...なに、あの子...めちゃくちゃ綺麗...」
  教室に立つ転校生の女の子。白い肌に、銀色の髪。端正すぎる顔立ち。
久遠 澄香(くおん すみか)「名は伏せさせていただきます。必要があるなら、呼びたい名でどうぞ」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「え、えええっ!?呼びたい名でってどういうこと!?」
久遠 澄香(くおん すみか)「よろしくお願いします。貴女の隣、空いているようですね?」
  私の隣の席に、すとんと座るその子。
久遠 澄香(くおん すみか)「...いい香り。朝、なにかつけていました?」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「えっ!?あ、あの、えっと、何もつけてな──」
久遠 澄香(くおん すみか)「柚葉さん、ですね。綺麗な名前。...気に入りました」
春乃 柚葉(はるの ゆずは)「えっ、えっ、えええっ!?」
  気づけば、朝のうちに3人からドキドキしてる気がする――!?
  ドキドキMAXで、私の1日が始まった。

次のエピソード:エピソード2、転校生が距離が近すぎるっっ!!!

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