〇渋谷の雑踏
　　街の灯りに
　　
　　人生が溶けそうになる日々

〇渋谷のスクランブル交差点
　　君は　今

〇アーケード商店街
　　どんな歌を
　　
　　必要としていますか？

〇東京全景

〇怪しい研究所

〇病院の診察室
せつな「次の方、どうぞ」
せつな「今日はどうしましたか？」
女性「最近、イライラして情緒不安定なんです」
せつな「思い当たる原因はありますか？」
女性「一生懸命仕事してるのに、 理不尽なことばかりで・・・」
女性「お客様にも上司にも責められて、 立場的に我慢するしかなくて」
せつな「うう～う～ 聞くだけでつらい～っ」
せつな「よく頑張ってますね。 よしよししてあげたい」
女性「え？　ありがとうございます・・・」
せつな「では、お歌を処方します」
せつな「脳内のそのイヤなヤツら、 せつなが歌でぶん殴ってやんよ！」

〇炎

〇病院の診察室
女性「か」
女性「かぁっこいいい～～!!!」
女性「ストレスが吹き飛びました！」
せつな「ほんとですか？　やった～！」
女性「あの、先生って」
女性「あんまり病院の先生ぽくないですね。 話し方とか・・・」
せつな「改まった話し方をご希望ですか？」
女性「いえ、そういう意味じゃなくて！」
女性「リラックスできていいなって」
せつな「良かった！」

〇怪しい研究所

〇病院の診察室
せつな「次の方、どうぞ」
せつな「今日はどうしましたか？」
男の子「さみしい、です」
男の子「仲のいい子が引っ越して、 新しい友達もできなくて」
せつな「それはさみしいね」
男の子「僕は陰キャで、 陽気な人にはついていけなくて」
せつな「相性ってあるよね」
男の子「趣味がマイナーで、 流行りに乗るのも苦手で」
せつな「わかるぅ～」
せつな「でもさみしい人にはね、 別のさみしい人を温める力があるの」
せつな「君にも、せつなを温める力があるんだよ」
男の子「・・・僕が、先生を？」
せつな「お歌を処方するから、聴いてみてね」

〇幻想2

〇病院の診察室
男の子「まるで、僕のことを歌ってるみたい」
せつな「そう思ってくれる人に届けたかったの」
せつな「作った人と、歌う人と、 聴く人が繋がったね」
せつな「君もせつなもひとりじゃない」
男の子「また、聴きにきていい？」
せつな「もちろん」
せつな「また一緒に、お歌の世界へ旅をしよう」

〇怪しい研究所

〇病院の診察室
せつな「次の方、どうぞ」
せつな「今日はどうしましたか？」
女の子　「勇気が欲しいの！」
女の子　「話しかけたい、人がいて」
せつな「どんな人？」
女の子　「素敵な絵を描いてる人」
女の子　「その人、いつも休み時間に 鉛筆で落書きしてるんだけど」
女の子　「もっとすごい絵 描いてるんじゃないかなって」
せつな「CGとか？」
女の子　「そう！ 鉛筆じゃなくて、色もついてるやつ！」
女の子　「めちゃくちゃ気になる！ あるなら見たい！」
女の子　「でもなんか、わたしキモいかなって・・・」
せつな「大丈夫！ その人の絵が好きなんだよね？」
女の子　「うん」
せつな「作品を好きって言ってもらえる以上に 嬉しい言葉はないよ」
女の子　「ほんと？」
せつな「うん。 伝えたら、きっとその人の力になる」
せつな「君にはこのお歌を処方するね」

〇キラキラ

〇病院の診察室
女の子　「なんか、パワーをもらえた気がする！」
せつな「良かった。応援してるからね」
女の子　「あのね」
せつな「何？」
女の子　「先生の歌も、大好きだよ」
せつな「う”え”!?!?」
せつな「ひゃー！ せつなもパワーもらっちゃった！」
せつな「ハイターッチ！」
せつな「からの、背負い投げー！」
女の子　「え、背負・・・」
女の子「先生が転がってった!?!?」
せつな「うれじい～！」

〇怪しい研究所

〇病院の診察室
せつな「次の方、どうぞ」
せつな「あ！」
女の子　「お話、できたよ！」
男の子「友達、できたよ」
せつな「ふぁー！ そっか、そうだったんだぁ」
せつな「ハイターッチ！　ナイス～！」
せつな「いい子だね～」
男の子「ふふっ」
せつな「なでなで～」
女の子　「えへへ」
女の子　「先生、お歌処方して！」
男の子「出会えて良かった！ って感じの歌がいいな」
せつな「かしこまりました！」
せつな「歌うよ～」
　　ここはお歌のクリニック
　　君のために、
　　
　　せつながお歌を処方します。

〇東京全景