オージュ・ウォゲは回顧する

東龍ほフク

7/川原で拾ったアンチクショウ(幼少期)(脚本)

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〇空
幼少オージュ「‥‥‥で?」

〇河川敷
幼少オージュ「その傷だらけは大丈夫なのか、お前さん」
幼少ナキュ「べろんべろん舐めてれば 治るよ!」
幼少オージュ「きも‥‥‥」
幼少オージュ「‥‥‥‥」
幼少オージュ「私の家で応急処置くらい してやろうか」
幼少ナキュ「え? 1時間いくら?」
幼少オージュ「別に‥‥‥タダでいいよ」
幼少ナキュ「え〜‥‥‥ありがとぉ〜♡ お優しいぃ〜ん」
幼少オージュ「勘違いするなよ」
幼少オージュ「こちとら、声楽の習い事サボれる理由が 出来て よかったってなもんよ」
幼少オージュ「ウチの家訓、『恩は売れ』だから この“サボりの理由”は許される」
幼少ナキュ「あと、小腹すいたから スイーツ出してくれない?」
幼少オージュ「厚かましいな、お前‥‥‥」

〇空
幼少オージュ「お前、名前 何よ」
幼少ナキュ「‥‥‥エルム・ナキュ」
幼少オージュ「へ〜」
幼少ナキュ「キミは?」
幼少オージュ「お前なんぞに教える理由がない」

〇お化け屋敷
エルム・ナキュ「声楽の習い事、サボって本当にいいの?」
エルム・ナキュ「習いに行くくらいだから‥‥‥ めちゃくちゃ音痴なんでしょ? 大丈夫?」
幼少オージュ「上手いけど、より上手くなるために 通わされてるんだよ!」
エルム・ナキュ「あ、そっち?(笑)」

〇洋館の一室
幼少オージュ「はーい、ばんそうこう貼っとくぞ」
  ぺたっ!
幼少ナキュ「わぁ〜い ありがとぉ〜♡」
幼少ナキュ「‥‥‥‥‥」
幼少ナキュ「あそこにある本、読んでいい?」
幼少オージュ「別にいいけど‥‥‥」
幼少ナキュ「わぁい♥」
幼少オージュ「‥‥‥初対面の人間のベッドの上に よく座れるな」
エルム・ナキュ「あ。そういや スイーツは?」
幼少オージュ「あれ、本気だったのかよ!」

〇洋館の一室
幼少オージュ「ほらよ」
幼少ナキュ「何それ、黒い!」
幼少オージュ「イカスミドーナツ」
幼少ナキュ「やだぁ!!!!!」
オージュ父「オージュ、声楽塾はどうした?」
幼少オージュ「‥‥‥父上」
幼少オージュ「行く途中、川原であの者が 怪我していたのを見つけまして」
  ⬆あの者
幼少オージュ「なので、家に戻って応急処置を してあげた次第です」
オージュ父「‥‥‥‥‥」

〇幻想2
オージュ父((なんだろう、この子供‥‥‥))
オージュ父((何か‥‥‥何かを感じる‥‥‥))
オージュ父((只者ではない気がする‥‥‥))

〇洋館の一室
オージュ父「オージュ」
幼少オージュ「は、はい?」
オージュ父「あの子に恩を売って、正解かもしれない」
幼少オージュ「はい?」
オージュ父「付き合っていたら、得するかもしれない」
オージュ父「優しくしてあげなさい」
幼少オージュ((父上の“損得勘定センサー”に  引っかかった‥‥‥!))
オージュ・ウォゲ((こいつ、高貴な家の奴なのか‥‥‥?))
幼少オージュ「では、声楽の習い事をサボってしまった事 許してくれます?」
オージュ父「許す×2」
幼少オージュ「父上が初見で気に入るなんて‥‥‥ お前ん家、金持ちなの?」
幼少ナキュ「‥‥‥‥」
幼少ナキュ「そうでもない気がするけど、 困った事があれば無償で助けてくれる人が たくさんいるかなぁ」
幼少ナキュ「親父は他の人から、ちょっと‥‥‥ 人気があるもんでね」
幼少ナキュ「私にとっては ただの スパルタクソ親父だけど」
幼少オージュ「“人脈”の力が 凄いのかな」
幼少ナキュ「‥‥‥‥‥」
幼少オージュ「そういや、飲み物はいるか?」
幼少ナキュ「いるぅ〜♥」
幼少ナキュ「‥‥‥‥」
幼少ナキュ((急に優しくなった?))
幼少ナキュ((なんだ、キミもか))

〇洋館の一室
幼少オージュ「おい、飲み物だ」
幼少ナキュ「どこが?!?!?!」
エルム・ナキュ「ねぇ! 何が“飲み物”?! ねぇ!」
幼少オージュ「何、って‥‥‥」
幼少オージュ「かじって吸えば、水が出るだろ」
幼少ナキュ「ナニソレ! 客にする事?!」
幼少オージュ「初対面の人間のベッドの上に すぐ座る奴なんざ、キュウリ吸ってろよ」
幼少ナキュ「‥‥‥あのぉ、シンプルに心配なんですけどさ」
幼少ナキュ「お父さんが「よくしてあげなさい」って 言った相手に そういう事するの大丈夫?」
幼少オージュ「しまった!!!!!!」
幼少オージュ「お前に腹が立ちすぎて、思わず キュウリ出しちまったぜ‥‥‥!」
幼少オージュ「た、大変申し訳ございません 改めて 飲み物を‥‥‥」
幼少ナキュ「いや、もう遅くない?」

〇結婚式場前の広場
オージュ父((なぁんか あの子、感じるものがあるなぁ‥‥‥))
オージュ父「ん‥‥‥?」
  ひときわデカい、ガッシリした大男が
  町の人らと会話をしてい ──
オージュ父((うぉっ! ハガネ・ユルシャ!))
オージュ父「でかぁ‥‥‥強そぉ‥‥‥」
  ※ハガネ・ユルシャが近付いてくる。
ハガネ・ユルシャ「あのぉ‥‥‥」
オージュ父「は、はい?」
ハガネ・ユルシャ「ナヨっちぃ顔をして、ヘラついている これくらいの男児を見かけませんでしたか?」
オージュ父「‥‥‥‥!」

〇洋館の一室
幼少ナキュ「オージュ君、ちょっと怖い小説が 好きなんだね〜」
幼少オージュ「お前! いつ 私の名を知った?!」
幼少ナキュ「え?  親父さんがそう呼んでたじゃん & 本に名前書いてあるよん」
幼少オージュ「不愉快だ! 忘れろ!」
幼少ナキュ「‥‥‥‥‥‥‥」
幼少オージュ「なんだ、どうした?」
幼少ナキュ「あ、ヤバ‥‥‥」
ハガネ・ユルシャ「すみません!  ウチの息子がココにいると聞いてぇ!!!」
幼少オージュ「おわ、なっ‥‥‥?!」
幼少オージュ「そ、それなら 今 窓から出ていった奴が そうかと‥‥‥」
ハガネ・ユルシャ「逃げ足だけは異常に発達してるなぁ アイツはぁ!!」
幼少オージュ「な、なんなん‥‥‥」
オージュ父「いやはや‥‥‥」
オージュ父「街中で困っているハガネ・ユルシャ氏を 見かけてね‥‥‥」
オージュ父「なんでも『逃亡した こんな子を探している』と‥‥‥」
幼少オージュ「ユルシャの? 息子さん? あれが?」
幼少オージュ「というか、父上 その息子さんの居場所をチクったのですか‥‥‥?」
オージュ父「てへ♥」
幼少オージュ((え? だってアイツ『エルム・ナキュ』と  いう名前では‥‥‥?))
エルム・ナキュ「ぎゃああああっ!!!!! 何で居場所バレたっ!!!! 脳筋クソ親父っ!!!!」
  ※窓の外から、親子のすったもんだが聞こえる
エルム・ナキュ「いてぇっ!!!! 頭 割る気かよっ!!!!」
エルム・ナキュ「ひっぱんなっ クソ親父っ!  いってぇえ!!!!」
  ※オージュ、気になって窓の外を見る

〇お化け屋敷
幼少オージュ「‥‥‥‥」
幼少ナキュ「あっ! オージュ君!」
幼少ナキュ「君んとこの本、まだ読みかけだから またいつか お邪魔するね!」
幼少オージュ「いや‥‥‥来るなよ‥‥‥」
エルム・ナキュ「なんでよぉ! おケチっ!!」
幼少オージュ「‥‥‥‥‥‥」

〇空
  以降、奴は定期的に我が家にやってきては
  本や菓子をせがんで居座った。
  こいつの相手をするためなら 声楽教室を
  休んでよかったので、まぁ相手するのは
  面倒だったが良しとした。
幼少ナキュ「え? 『エルム・ナキュ』は何だって?」
幼少ナキュ「いつか、私が小説家デビューする時の ペンネームですっっ!!」
幼少ナキュ「本名? そんなの知らなくていいよっ♪」
  えぇ‥‥‥?

〇商店街の飲食店
オージュ・ウォゲ「‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「なんでお前、あれだけ私に邪険にされても 家に来てたん?」
エルム・ナキュ「え? だって、オージュん家の本棚を 読破したかったから」
エルム・ナキュ「ね? 健気じゃない? 本読みたさに キュウリやキモいお菓子 出されても 通い続けたこの私」
オージュ・ウォゲ「うぜぇ‥‥‥」
編集担当「それよか、気になる事あるんだけど‥‥‥」
編集担当「幼少期のアンタと今のアンタ‥‥ ビジュアルの差が‥‥‥」

コメント

  • ハガネの!!ハガネの!!
    いや超強そう!!ビジュはキンさんに似てるんだろうか…
    それにしてもお飲み物がキュウカンバーwww超絶青臭いwwwイカ墨ドーナツは存在しそう(笑)まだ胡麻に目覚める前だもんね先生www
    名前聞かれてペンネームで答えるくらいじゃないと、やはり後の売れっ子作家にはなれないですね!(笑)
    人相の変化?今の先生だってカワイイもん!!!

  • 表紙イカれてますね!!!!!??????wwww🥒
    そして「親父たちは想像にお任せします」的な!!!!!!!!!!!
    版権のいろいろなおっさんで想像してしまいますね~楽しい。ハガネさんのげんこつ痛そう…

    担当さんすら、オ先生のビジュアルの様子にいちゃもんつけてて(笑)。

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