コンカフェ嬢の流儀2.0 〜竹ちくわの絆〜

ぽんたろう

最終話『キャストは一人のために』(脚本)

コンカフェ嬢の流儀2.0 〜竹ちくわの絆〜

ぽんたろう

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〇シックなカフェ
  昨夜の出来事
安全型地雷系エナ「・・・・・・」
月「大丈夫ですか?」
月「顔色悪いですよ」
安全型地雷系エナ「あ、いや、ちょっと気分が悪くて」
ルティエル「大丈夫」
ルティエル「私が守ってあげる」
安全型地雷系エナ「ありぃがぁとぅぅござぁぁいまふぅぅ」
月「きっと上手くいきます」

〇メイド喫茶
安全型地雷系エナ「・・・・・・」
安全型地雷系エナ「本当に大丈夫かな」
あみーな「大丈夫大丈夫」
安全型地雷系エナ(ん? 誰?)
月「店長がいれば、平気ですね」
安全型地雷系エナ「あみーな店長!?」
安全型地雷系エナ「すごい、全然違う」
月「初めて見たら驚くよね」
安全型地雷系エナ「う、うん」
あみーな「確認なんだけど」
あみーな「今、勤めているお店を辞めたいんだよね?」
安全型地雷系エナ「はい。今すぐ辞めたいです」
あみーな「分かったわ」
あみーな「私が話しつけてきてあげるから ここで待っておいて」
安全型地雷系エナ「え、えっと、ありがとうございます」
安全型地雷系エナ「よろしくお願いします」

〇シックなバー
店長ワール「あー忙しい」
店長ワール「ったく、もしかして、エナはばっくれ?」
店長ワール「あとでオーナーにチクッてやろ」
店長ワール「何かしら?」
店長ワール「どうぞ」
あみーな「失礼します」
店長ワール「どなたかしら?」
あみーな「下の階の『ふれてん』の店長をしている あみーなと言います」
店長ワール「あら、下のコンカフェの店長さん?」
店長ワール「どうも」
店長ワール(店長ってこんな人だったっけ?)
あみーな「こちらで働いているエナさんについて お話があり参りました」
店長ワール「エナが何か?」
あみーな「彼女を辞めさせてもらえませんか?」
店長ワール「・・・・・・」
店長ワール「あの子、もしかして、変なこと言いました?」
あみーな「いえ、至極真っ当なことを言っていました」
あみーな「『辞めたい』って」
あみーな「何で、辞めさせてあげないんですか?」
店長ワール(なに、この寒気は?)
店長ワール「あ、いや、その・・・・・・」
あみーな「退職の条件が ノルマとか自分の代わりとか 違法ですよね?」
店長ワール「あわわわわわわ」

〇メイド喫茶
安全型地雷系エナ「あみーな店長平気かしら?」
月「大丈夫です」
あみーな「ただいま」
月「おかえりなさい」
安全型地雷系エナ「おかえりなさい」
月「どうでしたか?」
あみーな「大丈夫」
あみーな「退職を認めさせたわ」

〇シックなバー
あみーな「辞めさせてくれますよね?」
店長ワール「あ、いや、私1人の権限では・・・・・・」
あみーな「店長なら権限ありますよね?」
店長ワール「あわわわわ」
あみーな「どうなんです?」
店長ワール「あわわわわ」
あみーな「答えは?」
店長ワール「分かりました。退職を認めます」

〇メイド喫茶
月「エナさん、良かったですね」
安全型地雷系エナ「うん」
あみーな「ただね、気になることがあるの」
安全型地雷系エナ「何ですか?」
あみーな「肝心のオーナーがいなかったこと」
あみーな「聞いてる感じだと、面倒な人間なのは 確かだからこの後が問題なのよね」
安全型地雷系エナ「私のせいで、ごめんなさい」
月「なんで、エナさんが謝るんですか?」
月「エナさんは何も悪くないですよ」
あみーな「そうそう」
安全型地雷系エナ「ありがとう」
あみーな「あと、この日のために 用心棒を呼んでおいたから」
月「はい」
安全型地雷系エナ「用心棒?」
月「来ましたね」

〇シックなバー
「バカやろーーー!」
店長ワール「あわわわわ」
店長ワール「怒鳴ることないじゃない」
成金オーナー横島「おめおめ辞めさせやがって」
成金オーナー横島「あいつは稼ぎ頭だから せっかく搾り取れそうだったのによ」
店長ワール「ごめんなさい」
店長ワール「あまりにも、あみーなの圧が凄くて」
成金オーナー横島「仕方ねえ」
成金オーナー横島「ちょっと下の店に行ってくる」
店長ワール「エナを取り返すの?」
成金オーナー横島「あいつのことはもういい 他が出しゃばってきて面倒だ」
成金オーナー横島「こういうのはな 舐められたら終わりなんだよ」
成金オーナー横島「落とし前つけさせてやる」
店長ワール「さすが! かつて、喧嘩”無敗”の横島!」
店長ワール「素敵」
成金オーナー横島「よせや、お前はそこで待ってな」
店長ワール「はーい」

〇メイド喫茶
「おい! こら!」
「さっきは、うちのもんが 世話になったみたいだな!」
成金オーナー横島「ここかぁ?」
成金オーナー横島「うちのキャストに ちょっかいを出した店は?」
成金オーナー横島「事と次第によっちゃ、痛い目みるぞ」
  ・・・・・・
成金オーナー横島「誰かいねえのか!?」

〇広い厨房
安全型地雷系エナ「うわぁ!」
安全型地雷系エナ「来た! 大丈夫かな?」
月「絶対大丈夫です」
フレン「うんうん」
フレン「普段何の役にも立たないけど こういうときは頼りになる人だから」
安全型地雷系エナ「この自信は何?」

〇メイド喫茶
成金オーナー横島「何だ? びびって出てこれねえのか?」
「さっきから騒々しいぞ」
星川天海「店に迷惑かけるんなら 帰ってくんねえかな?」
星川天海「ここは大事な人の店なんだ」
成金オーナー横島「じいさん」
成金オーナー横島「てめえ、誰に口聞いて・・・・・・」
星川天海「遠回しに失せろと言ってんだよ」
成金オーナー横島「えっ!?」
成金オーナー横島(あれはまさか、竹ちくわ?)
成金オーナー横島(裏社会じゃ知らない者がいないとされる 『竹ちくわの天海』なのか!?)
成金オーナー横島(数年前、俺が雇った暗殺者を あっさり返り討ちにしたやつか)
「騒々しいね」
魔王「コンカフェで騒いでいいのは シャンパンをポンした時だけだよ?」
魔王「何も注文しないのに騒ぐなんて 無粋な上に非礼だね」
魔王「こういうのを モラハラとかパワハラって言うんだろ?」
成金オーナー横島(なんだ、こいつからも危険な香りがするぞ)
成金オーナー横島(暗殺者よりもやべえオーラを漂わせてやがる)
成金オーナー横島(間違いねえ この変な身なりのやつ人間じゃねえ)
ルティエル「あんた、随分と偉くなったみたいね」
ルティエル「雑魚の横島」
成金オーナー横島「ま、まさか、閃光のラタン!?」
ルティエル「親の金で今も、ろくでもないことをやってんのか」
成金オーナー横島(なんで、こんなところにいやがる!)
成金オーナー横島「こんな話聞いてねえぞ」
成金オーナー横島「どいつもこいつも やべえやつばかりじゃねえか」
成金オーナー横島(脅しが効くような連中じゃねえ)
成金オーナー横島(それどころか、こっちがやられる)
ルティエル「何しに来たか、了見はついてるよ」
ルティエル「あんたのとこで働いてたエナのことで 因縁ふっかけに来たんだろ?」
成金オーナー横島「・・・・・・」
ルティエル「あの子はうちの客人だ」
ルティエル「一切手を出させないし」
ルティエル「これ以上干渉は許さないよ」
成金オーナー横島「あ、はい」
ルティエル「じゃあ、誓うんだ」
ルティエル「あの子には今後一切 手を出さない関わらないってね」
魔王「もし、約束を破ったら 口では言えないような報復をするからね」
成金オーナー横島「おどしですか?」
魔王「私にはこの世界の秩序とか法律は関係ない」
魔王「それだけは言っておこう」
成金オーナー横島「わ、分かりました」
成金オーナー横島「誓います!」
魔王「なら、行っていいよ」
魔王「口頭で君と約定を結んだ」
魔王「破ったら分かるね?」
成金オーナー横島「はい!」
成金オーナー横島「失礼しました!」
ルティエル「口ほどにもない」
魔王「雑魚だね」
星川天海「ああ。簡単なもんだ」
星川天海「しかし、これでは、ただ追っ払っただけだな」
魔王「確かにね」
魔王「この店にあいつが近寄らなくなったとしても 悪徳コンカフェは残ることになる」
ルティエル「それなら大丈夫です」
ルティエル「強力な刺客を送り込みましたから」
「刺客?」

〇広い厨房
月「良かったですね! 解決しましたよ!」
安全型地雷系エナ「すごい。本当に追い返しちゃった」
フレン「パパもたまには人の役に立ったね」
安全型地雷系エナ「でも、刺客って何だろ?」
月「もしかして・・・・・・」

〇シックなバー
店長ワール「オーナー上手くいったかな」
店長ワール「帰ってきた!?」
成金オーナー横島「あんなヤバい連中がいるなんて聞いてねえぞ」
店長ワール「えっ? 知らないわよ」
店長ワール「どう見たって普通のコンカフェじゃん」
店長ワール「オーナーだって華奢な人じゃん」
成金オーナー横島「そうじゃねえんだよ、手を出しちゃいけない」
成金オーナー横島「あいつらに手を出したら 命がいくつあっても足りねえ」
成金オーナー横島「天国に直行だ」
店長ワール「どんなコンカフェなのよ」
「こんにちは」
成金オーナー横島「ちっ、客か」
成金オーナー横島「俺は裏に行くから、頼んだぞ」
店長ワール「あ、うん」
「しっかり搾り取れよ」
店長ワール「いらっしゃいませ」
推し斬りタケゾー「いやー、素敵なお店ですね」
店長ワール「ありがとうございます!」
店長ワール(ちょろそうな客が来た)
推し斬りタケゾー「この『店』を”推し”にすることにしました」
店長ワール「わああ、嬉しい。ありがとうございます」
???「・・・・・・」

〇メイド喫茶
  ・・・・・・数日後
えるる「ねえねえ、月ちゃん、聞いたっち?」
月「どうかしました?」
えるる「上の階のお店潰れたらしいよ」
月「そうなんですか?」
月「急ですね」
えるる「急に経営が悪くなって オーナーが多額の借金で破産した上に これまでの悪行で訴えられてるらしいよ」
月「大変ですね」
月「でも、これで、エナさんも安心ですね」
えるる「そうっちね」
あみーな「タケゾーさん、どうしたんですか?」
推し斬りタケゾー「せっかく、久しぶりに新しいお店を 見つけたのに潰れちゃったんだ」
あみーな「そうだったんですね」
あみーな(まさか・・・・・・)
推し斬りタケゾー「せっかく、ルティエルさんが 紹介してくれたのに残念だよ」
推し斬りタケゾー「ルティエルさん、ごめんね」
ルティエル「あ、いや、タケゾーさんが 謝ることないですよ」
ルティエル「そんなこともありますから」
あみーな(あれは何かを知ってる顔だ)

〇メイド喫茶
ルティエル「タケゾーさん 最近、他のコンカフェとか行ってます?」
推し斬りタケゾー「いや、ふれてんだけだよ」
ルティエル「ありがとうございます」
推し斬りタケゾー「それがどうかした?」
ルティエル「あ、いや、上の階のお店が最近気になってて」
ルティエル「良ければ、タケゾーさんに 見てきてほしいなって」
推し斬りタケゾー「なんだ、そんなことか」
推し斬りタケゾー「分かったよ。様子見して感想を教えるね」
ルティエル「ありがとうございます」
ルティエル(ごめんなさい、タケゾーさん)

〇メイド喫茶
ルティエル「良かったら、どうぞ」
推し斬りタケゾー「頼んでないけど!?」
ルティエル「せめてものつみほろ・・・・・・」
ルティエル「じゃなくて!」
ルティエル「元気つけてもらおうかなーって 私の奢りです」
推し斬りタケゾー「ありがとう。いただくよ」
あみーな(あれは、せめてもの罪滅ぼしだ)
ルティエル(利用したみたいで悪いけど)
ルティエル(前にメルティーエンジェルもなくなったから おあいこだよね)
あみーな(まあ、いいか)
推し斬りタケゾー「ん?」

〇シックなカフェ
安全型地雷系エナ「本当にありがとね」
安全型地雷系エナ「おかげで助かったよ」
安全型地雷系エナ「ミカも辞められたし」
月「私は何もしてませんよ」
安全型地雷系エナ「でも、これからどうするかなぁ」
安全型地雷系エナ「部活に勤しむってのも手だけど」
月「やりたいことがあるんじゃないですか?」
安全型地雷系エナ「やりたいこと?」

次のエピソード:エピローグ

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