私以外、陽キャ女子と陰キャ男子しかいない教室~陰キャ女子の居場所がない~

さつまいか

第5話 校内鬼ごっこ~新たな出会い~(脚本)

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〇草原
神埼 千春(かんざき ちはる)「探すって言ったけど、青のバンダナしてる人どころか、誰ともすれ違わないな・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)(かなり歩いてるはずなのに、なんでこんなに人がいないんだろう?)
神埼 千春(かんざき ちはる)(ん・・・?今何か聞こえたような?)
菊花(チウファン)「あ、あんずたん・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「ちーたん・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)(ち、違う教室の人・・・!)
神埼 千春(かんざき ちはる)(紫の髪の子は、なんか中国っぽい・・・? これって話しかけた方がいいのかな?)
神埼 千春(かんざき ちはる)(つい、隠れちゃったけど)
菊花(チウファン)「これからどうするネ? みんなと離れてしまったし・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「わたくしたちだけでも、合流できたのが奇跡と言うべきでしょう」
城松 あんず(しろまつ あんず)「ですが、クラスメイトたちがバラバラになってしまっては、作戦も通じないですよね・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「・・・決めました」
菊花(チウファン)「あんずたん・・・?」
城松 あんず(しろまつ あんず)「ちーたん・・・ ふたりで一緒に失格になりましょう・・・」
菊花(チウファン)「な、何言ってるネ!? そんなことしたら、もう元の世界に戻ることなんて・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「分かっています・・・! ですが、このままではどう足掻いても敵のクラスにバンダナを奪われてしまうのですよ・・・!」
城松 あんず(しろまつ あんず)「ルールに記載はなかったですが、所持しているバンダナの数が多いほど、何かバフ効果があるのかもしれません・・・」
菊花(チウファン)「バフ効果・・・。 ポイントが加算されるとか、ネ?」
城松 あんず(しろまつ あんず)「ええ・・・。 だから、他クラスを支援するような真似はしたくないのです」
城松 あんず(しろまつ あんず)「お願いします、ちーたん・・・! 違うクラスとは言え、親友であるあなたが失敗で責められるのは嫌なのです・・・!」
菊花(チウファン)「・・・っ」
城松 あんず(しろまつ あんず)「わたくしが強引に失格にさせたと言えば、あなたのクラスの皆様もわたくしだけを恨むことでしょう」
菊花(チウファン)「____分かったネ・・・」
菊花(チウファン)「あんずたん、ウチはずっと一緒にいるネ!」
城松 あんず(しろまつ あんず)「ちーたん・・・! では、行きます・・・」
菊花(チウファン)「・・・っ!」
神埼 千春(かんざき ちはる)「___まっ、待ってください・・・!!!!」
菊花(チウファン)「・・・ネ?」
神埼 千春(かんざき ちはる)「そんな・・・そんな理由で自分から失格になるなんて、見逃せないです・・・!」
神埼 千春(かんざき ちはる)「仲間と離れて、不安な気持ちになるのは分かります・・・。 でも、諦めちゃだめだって思うんです」
城松 あんず(しろまつ あんず)「なら・・・! あなたが仲間になって、わたくしたちを守ってくれるとでも言うのですか・・・!?」
城松 あんず(しろまつ あんず)「どこの誰かは知りませんが、敵であるわたくしたちを守るなんてできないでしょう・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「わたくしは、クラスの方々のみしか信じられません・・・!」
城松 あんず(しろまつ あんず)「わたくしのクラスには、頭が切れて臨機応変になんでも対応できる、ゲームのキーマンがいて__」
城松 あんず(しろまつ あんず)「今まで、わたくしたちはその方の手足となって動くのみで・・・。このような事態、わたくしたちだけではどうしようもないです」
城松 あんず(しろまつ あんず)「他のクラスの方々の力を借りることもできなくて・・・!」
城松 あんず(しろまつ あんず)「その方と連絡も取れないですし、これが最善の策なのです・・・!」
神埼 千春(かんざき ちはる)「・・・っ」
神埼 千春(かんざき ちはる)「分かりました・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)「わたしの仲間と、合流するまでにはなりますが__」
神埼 千春(かんざき ちはる)「__あなたたちのことは、わたしが守ります」
「・・・!?」
城松 あんず(しろまつ あんず)「ほ、本気なのですか・・・!? 知らない他のクラスの者を仲間にするなんて」
城松 あんず(しろまつ あんず)「確かに、『仲間になって守ってくれるとでも言うのですか』とは言いましたが、本当に仲間になってほしいというわけでは・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)「・・・・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)(わかってる)
神埼 千春(かんざき ちはる)(敵をわざわざ近くに置いておくなんて、危険すぎる行為だ)
神埼 千春(かんざき ちはる)(でも、わたしはそれだけが狙いじゃない)
神埼 千春(かんざき ちはる)(__里河さんが転移中に教えてくれた)
神埼 千春(かんざき ちはる)(『あえて敵を守って恩を売っておくのも悪くない』って)
神埼 千春(かんざき ちはる)(ハイリスクだけど、それだけ価値はあるし、何かわたしたちが知らない情報を引き出せるかもしれないから)
神埼 千春(かんざき ちはる)(失敗したとしても、みんなが全部繋いでくれる。今は里河さんたちを信じる・・・!)
神埼 千春(かんざき ちはる)「承知の上です。 一緒に行動する上での条件は__」
城松 あんず(しろまつ あんず)「条件・・・?」
神埼 千春(かんざき ちはる)「はい」
神埼 千春(かんざき ちはる)「__互いの知っている、この世界に関する情報をできる限り開示すること」
神埼 千春(かんざき ちはる)「この中の誰かがバンダナを取られそうになったら、全力で守ること」
神埼 千春(かんざき ちはる)「これは、自分を犠牲にしようとする行動以外でお願いします。協力する意味がなくなってしまいますから・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)「・・・以上です」
菊花(チウファン)「あんずたん・・・。どうするでアル?」
城松 あんず(しろまつ あんず)「・・・・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「分かりました。その提案、受けましょう」
菊花(チウファン)「・・・・・・」
菊花(チウファン)「う、ウチも、賛成ネ!ウチとあんずたんを守ってくれるのなら、なんでもするネ!」
神埼 千春(かんざき ちはる)「ありがとうございます・・・!」
神埼 千春(かんざき ちはる)「あなた方のクラスメイト捜索を最優先にして進んではいきますが、先にわたしのクラスメイトが見つかれば__」
神埼 千春(かんざき ちはる)「そこで解散する、ということでお願いします。何を言っても、わたしたちが仲間になることはできないので・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「・・・分かりました」
城松 あんず(しろまつ あんず)「あの、改めて、わたくしたちを守ると言ってくださり、本当にありがとうございます・・・!」
城松 あんず(しろまつ あんず)「おかげで、失格にならずに済みました・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)「わたしはただ、諦めようとしていたお二人をどうにか止めたくて・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)「それにわたしも必死で・・・ かなりキツい言い方になってたりしませんでしたか?」
神埼 千春(かんざき ちはる)「ひとつのことに夢中になると、わたし、周りが見えなくなってしまうようで・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「大丈夫ですよ。わたくしこそ、強く言ってしまってすみません・・・」
菊花(チウファン)「__少しだけど、これからよろしくネ! ウチは菊花(チウファン)ネ!」
神埼 千春(かんざき ちはる)「わたしは、神埼千春、です・・・ チウファンさん、よろしくお願いします」
菊花(チウファン)「チウでいいネ! ウチのクラスメイトもそう呼んでるネ!」
神埼 千春(かんざき ちはる)「分かりました、チウさん」
城松 あんず(しろまつ あんず)「わたくしは城松あんずと申します。 神埼さん、本当にありがとうございます、よろしくお願いします」
神埼 千春(かんざき ちはる)「はい、こちらこそです、城松さん。 ところで、二人は別のクラスなんですよね?」
神埼 千春(かんざき ちはる)「どうしてそんなに仲がいいのかなって・・・」
城松 あんず(しろまつ あんず)「ああ・・・ わたくしたちはここに連れてこられる前から大親友だったのです」
城松 あんず(しろまつ あんず)「クラス外での交流があるゲームでは、必ず一緒に行動しています。クラスの方々もそれを承知で__」
城松 あんず(しろまつ あんず)「互いに、信頼できる相手として接してくださっています」
神埼 千春(かんざき ちはる)「そうだったんですね・・・! なんだかすごいです・・・!」
菊花(チウファン)「ウチとあんずたんはずっと一緒ネ!」
菊花(チウファン)「あ、それとウチらは2人とも青__逃げる側ネ!千春さんはどっちネ?」
神埼 千春(かんざき ちはる)「えっと、わたしは__」
城松 あんず(しろまつ あんず)「今だけは仲間、警戒することはありません。 ですが、何かそちらの作戦に関わることなら、黙秘でもかまいません」
神埼 千春(かんざき ちはる)「・・・・・・わたし、は__」
神埼 千春(かんざき ちはる)「赤__鬼側、です・・・・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)(この人たちと信頼関係は築いておきたい。 だから話したけど__)
城松 あんず(しろまつ あんず)「ちーたん、ひとっ走りして青のバンダナをひとつ、奪ってきていただけませんか?」
神埼 千春(かんざき ちはる)「え・・・?」
菊花(チウファン)「分かったネ! 体力に自信はあるから任せるネ!」
菊花(チウファン)「千春さんっ、必ず青にするネ!」
神埼 千春(かんざき ちはる)「いっ、一体何が・・・?」
城松 あんず(しろまつ あんず)「神埼さんは逃げる側になりたいのですよね? わたくしたちはそのお手伝いをしたかったので・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)「そう、ですけど・・・」
神埼 千春(かんざき ちはる)(あの一瞬でそこまで分かるんだ・・・ 城松さん、すごいな)
城松 あんず(しろまつ あんず)「神埼さんはこのゲームで初めてできた仲間なのです、お互いに補い合って、絶対勝利を掴みましょう・・・!」
神埼 千春(かんざき ちはる)(そんな風に考えていてくれたなんて。 なんか、嬉しいな)
神埼 千春(かんざき ちはる)「はい__!」

次のエピソード:第6話 校内鬼ごっこ~動き出すクラスメイト~

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