読切(脚本)
〇黒背景
・・・バトエン。
正式名称、バトルえんぴつ。
鉛筆を転がし、出た目によって戦うサイコロのような機能の玩具。
〇教室
して、当然であるが学校に玩具は持っていけない。
しかしこのバトエンに関しては名目上は”文房具”のため校則に触れる事はない。
いわば”脱法玩具”とでも言うべきか。
玩具屋のしたたかさと熱意が感じられる。
そして男子というのは、日々遊びを求めるもの。学校にいながらゲームのキャラクターと遊べるバトエンは、瞬く間に広まった。
だが・・・・・・
〇黒背景
「ちょっと男子ぃ〜〜!!!」
〇教室
女子 襲来
女子「ちょっと男子!! 学校に玩具持ってきちゃいけないのよ!?」
男子「おもちゃって・・・これ鉛筆だよ?」
女子「うるさい!!!遊んでるじゃないの!!! そんな事していいワケないでしょ!! ダメなものはダメなの!!!」
男子「はあ?意味わかんねーし、鉛筆転がしちゃダメってルールあるんですかー?」
女子「うっ・・・・・・」
女子「ヴァアアアアアアアアアアアン!!!」
女子 号泣
女子「ちょっと男子!!何○〇ちゃん泣かしてんのよ!?」
女子「先生に言いつけるから!」
男子「おおやってみろばーか!俺等鉛筆転がしてただけだもんな!!」
〇黒背景
そして!
〇教室
女子「☓☓くんがぁ〜ひどい事言ってェ〜 すごーくすごーく傷つきましたァ〜」
先生「学校でバトエン禁止」
〇シックなバー
女性客「・・・・・・」
女性客「・・・よくある話ですが、何故それを私に?」
マスター「・・・昨今、様々な表現規制がありますよね」
女性客「ああ、はい・・・」
マスター「・・・・・・」
マスター「男子の間で流行り、それが広がり、女子の目についた結果糾弾され、潰される・・・」
マスター「昨今の表現規制の構図、大体学校のバトエンと同じじゃないですか?」
女性客「言われてみれば・・・」
個人の意見です