第一話 騒動の始まり(脚本)
〇商店街
園島武志「やっぱ、仕事した後の酒は格別だぜ」
税務署員「もしもし、そこのイケメンさん」
園島武志「俺の事かい」
税務署員「確定申告済みましたか?」
園島武志「何だい藪から棒に、そんなもんはカカァにやらせてるから」
税務署員「じゃぁ、奥様にこれをお見せくださいね」
園島武志「なんだいこりゃ?」
税務署員「確定申告が簡単に行くテクニックが載ってます」
園島武志「アンタ、誰でぇ」
税務署員「税務署の方から来たものです」
園島武志「これをカカァに見せればいいのか」
税務署員「はい」
園島武志「わかった。あばよ」
〇シンプルな玄関
園島武志「オイ、今帰ったぞ母ちゃん」
園島啓子「今何時だと思ってるんだい」
園島武志「今は夜だ」
園島啓子「また飲んでるね」
園島武志「商店街の寄り合いで、しょうがねぇだろ。付き合いってもんがよ」
園島啓子「毎晩呑んだくれていいご身分だね」
園島武志「仕事なんだから」
園島啓子「結婚する時の約束、忘れた訳じゃぁないよね」
園島武志「はて?何て言いましたっけ」
園島啓子「この魚屋をデカくして私には苦労を掛けないって言っただろ」
園島武志「う~ん、言ったっけなぁ」
園島啓子「今じゃぁ、家事、経理、店の売り子一人三役じゃないの」
園島武志「当り前だ。誰のおかげで飯が食えてると思っていやがるんだ」
園島啓子「出て行く。一人でやれば」
園島武志「わかった。今年の確定申告は俺がやる。それでいいだろ」
園島啓子「やれるものなら、やってみな」
園島武志「トホホ・・・」
〇古風な和室(小物無し)
園島武志「何々、先ずはマイナポータルに入れだって」
園島武志「へへへ、これでカカァに怒られずに済むぞ」
園島武志「連携するかって、勿論だ。年金も税金も連携しますよっと」
園島武志「確定申告をクリックすりゃ終わりだな。簡単じゃぁね俺って天才」
園島武志「あれ、連携してないぞ。おかしい」
(ハイ、××生命保険会社ですが)
園島武志「マイナポータルに連携してないけど」
生命保険会社(当社のホームページから確定申告用ファイルをご請求してe-私書箱経由で送ることが出来ます)
園島武志「何を言ってるかわかんねぇ」
園島武志「取り敢えず、年金は連携しているになってるからこれでやってみるか」
〇古風な和室(小物無し)
園島武志「何も入ってねぇぞ」
園島啓子「店のも出ず何やってんだいアンタ」
園島武志「わかんねぇだよ、税務署は簡単にできるって言ってんのに」
園島啓子「当り前だろ、確定申告が簡単にできてたまるもんかい」
園島武志「うるせい!!税務署は簡単にできると宣伝してるんだ」
園島啓子「だったら税務署に聞くんだね」
園島武志「クソ」