第二話 問い合わせ(脚本)
〇職業安定所の面談カウンター
園島武志「一体どうなってるんだ!!」
税務署員「どうなさいましたか?」
園島武志「このチラシに書いてある事と違うじゃねえか」
税務署員「どこが?」
園島武志「マイナポータルで連携をしても保険や年金が確定申告に反映されないじゃないか」
税務署員「それでしたら、マイナーポータルの方に問い合わせをしてください。税務署はお答えできません」
園島武志「でも、このチラシはお問い合わせ先が税務署だ」
税務署員「ですから、デジタル庁に問い合わせしていただかないと。税務署では回答できません」
〇古風な和室(小物無し)
園島武志「確定申告を引き受けた手前、カカァに頭下げる訳に行かねぇし、どうしよう」
デジタル庁(ハイ、マイナポータル相談室です)
園島武志「マイナポータルの外部連携がオカシイのだけれど」
デジタル庁(どのようにおかしいのでしょうか)
園島武志「保険会社と外部連携してもe-Taxに反映されない」
デジタル庁(それは、保険会社にお問い合わせください)
園島武志「したら、e-私書箱経由となります。と言われたけれどe-私書箱ってどうやるの?」
デジタル庁(それは保険会社にお問い合わせください)
園島武志「じゃぁ、年金は連携してる表示だけどe-Taxに表示されないのは?」
デジタル庁(税務署にお問い合わせください)
園島武志「わからねぇから聞いてるのにその態度はなんだ」
デジタル庁「カスハラをされるのでしたら電話を切らさせて頂きます」
園島啓子「何時までやってんのさ、日がくれちまうよ」
園島武志「そんな事言ってもだなぁ」
園島啓子「分かった、出来ねえんだろう」
園島武志「そ、そんな事はねぇ・・・ただマイポータルの・・・」
園島啓子「バカだねぇ、E-Taxにも行けないんかい?」
園島武志「う、うるせい」
園島啓子「マイナーポータルはe-TAXへの本人確認するだけのものなのに」
園島武志「だけど、カカァの分も合わせて去年まで申告してただろ」
園島啓子「もちろん」
園島武志「カカァの医療控除ぐらいは自動入力できると聞いてたんだが」
園島啓子「代理人の設定をしてないからだよお前さん」
園島武志「何だいそりゃ」
園島啓子「代理人の設定をしなきゃならないんだよお前さん」
園島武志「聞いてないぞ」
園島啓子「まず右上のメニューを開いて」
園島武志「どれどれ、右上の横棒三本線を押すのか」
園島啓子「お前さんの場合、新たに代理人になるを押す」
園島武志「フムフム・・・」
園島啓子「委任者登録をするを押す」
園島啓子「そうだ私のマイナカード持ってくるわ」
園島武志「判んねえよなぁこれじゃぁ」
園島啓子「ハイ、私のマイナカード」
園島武志「それを・・・」
園島啓子「確かに委任しましたって本人確認よ」
園島武志「これでいいのかい?」
園島啓子「そう、で次の画面で全て受けるにして登録完了ね」
園島武志「後は、保険などを手入力してと・・・」
園島武志「出来た」
園島啓子「で、金額は?」
園島武志「何々、貴方は確定申告する必要がありません・・・」
園島啓子「良かったわね」
園島武志(それ程、俺の稼ぎがないって事か・・・)