7 サービス終了(脚本)
〇オフィスのフロア
それから1ヶ月後。
網島茜「えぇ!?本戦辞退したんですか!?」
滝澤拓哉「あぁ、したよ?でもそんなに驚く事?」
網島茜「え?だってプロゲーマーだったんですよね?折角本戦出れるのに辞めるってどう言う事です!?」
滝澤拓哉「・・・そんなのイチイチ気にする事じゃ無いよ・・・俺の目的は、あくまで弟君の出鼻を挫く事だったから・・・」
網島茜「え?秀幸の出鼻を?」
滝澤拓哉「あぁ言うタイプには現実を見せなきゃ分からないってのもあったし、あのままにしてたら確実に自分が一番って」
滝澤拓哉「錯覚するのは目に見えてたからね・・・」
網島茜「で、でも!それとこれとは話が別な気が・・・」
滝澤拓哉「言わなかった?俺欲張りだからさ・・・ここの仕事も好きな訳だし・・・」
部長「おぉ!滝澤君!丁度良かった!」
滝澤拓哉「あ、お早うございます部長!どうしたんです?」
部長「いやね、君が前から提示してくれてたプラン、小学生向けの依存症への見方を上層部に見て貰ったらね、」
部長「君のやり方を是非採用したいと言われてね!これから君にプロジェクトリーダーになって貰いたいんだ!」
滝澤拓哉「ええぇ!?お偉いさん達が俺の奴を採用したいって・・・本当ですか!?」
部長「こんな事で嘘は付かないよ・・・詳細は追って連絡する・・・今日も頼むよ・・・」
網島茜「せ、先輩凄いじゃ無いですか!上層部の人達に、プロジェクトリーダーやって欲しいだなんて!!」
滝澤拓哉「ま、待って待って・・・そう見たいだけど、俺はどっちかと言うと素直にやりたい事やっただけって言うか・・・」
滝澤拓哉「唐突過ぎて何て言えば良いか分からなくて・・・」
網島茜「何言ってるんですか!先輩もっと胸を張って良いと思いますよ!こんなチャンス滅多に掴めませんし!」
滝澤拓哉「お、おう・・・まぁ、ありがとう・・・」
網島茜「あ、そう言えば前から聞きたかったんですが・・・」
滝澤拓哉「え?何?」
網島茜「先輩が大会で使ってた名前、暗き森の輝く眼でしたっけ?何でそう言う名前にしたんですか?」
滝澤拓哉「え?あぁ・・・只の気紛れってのもあるけど、個人的な行き付けがあってさ・・・そこにいる人曰く、」
滝澤拓哉「どうも俺が一番長く来てくれるお客さんなんだって言われてさ・・・その人と俺を勝手に掛け合わせてこの名前にしたんだ・・・」
網島茜「あぁ、でも何だかガキっぽく無いですか?ネーミングが・・・」
滝澤拓哉「安心しろ、自分が一番良く分かってるから・・・」
網島茜「あ、そ、そうでしたか・・・何がともあれ、プロジェクトリーダー頑張って下さいね!」
滝澤拓哉「・・・ありがとう・・・」
〇建設現場
一方、秀幸はと言うと。
網島秀幸「ぜぇ・・・ぜぇ・・・最近全く運動して無かったからか、ちょっとやそっとの事で息が上がるんだが・・・」
森山辰蔵「おい秀幸!作業遅れてるぞ!」
網島秀幸「あぁ!す、すみません!」
森山辰蔵「この手の仕事は連携が大事だ!誰か1人が遅れたりしたら皆に迷惑が掛かる!その事を肝に命じて置けよ!」
森山辰蔵「これが終わったら直ぐ俺の所に来い!良いな!?」
網島秀幸「は、はい!!」
森山辰蔵「良し!確りやるんだぞ!」
網島秀幸「・・・冗談じゃ無いぜ・・・俺だってゲームやりてぇよ・・・伝説になりてぇよ・・・!!」
秀幸はおじさんの下で働く事となり、毎日しごかれていた。当然だが、借金返済が済むまで、実家には帰れないので、
秀幸は内心悲鳴を上げていた。
〇寮の部屋(ポスター無し)
その日の夜。
網島秀幸「あぁ、やっと終わった・・・何だか時間が経つのが凄く遅く感じたな・・・ゲームしてる時はそんな事無かったのに・・・」
網島秀幸「丁度明日は休める日か・・・でも借金返済しないと行けないから金は使えないし・・・」
網島秀幸「あ、でも課金しないでそのままやれば良いか!不合理だけどゲームやれないよりはマシか!さてと・・・」
網島秀幸「あ、あれ?何だこのメッセージ?何々?」
網島秀幸「心オンラインは昨日を持って全サービスを終了とさせて頂きます・・・これまでのご愛顧、誠にありがとうございました・・・って、」
網島秀幸「は、はぁ!?心オンラインがサービス終了!?何だよそれ!?そんな事されたら俺、何の為に課金したんだよ!?」
網島秀幸「あんなに頑張ってレベル上げしたのに、あんなに頑張ってレア装備手に入れたのに!」
網島秀幸「それで俺、伝説になる筈だったのに、こんなのって・・・こんなのって無いだろ!!」
心オンラインはサービス終了して二度と遊べなくなっていた。その事実に秀幸は只行き場の無い悲しみを
撒き散らす事しか出来なかった。秀幸は落ち込んだ後、おじさんからの仕事を文句も言わずに熟して、やがて家族に対する
借金も全て返済する事が出来たが、秀幸はおじさんの所に自ら残る事とした。そしてあたしは、重役になった先輩と結婚し、
自宅を出る事になったのは、また別のお話だ。
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読了致しました。
秀幸が課金して武器を手に入れるシーンや、拓哉が初期装備で瞬殺するシーンなど。
心オンラインのプレイ画面について、文字だけでなく視覚的な情報があると見やすくなりますよ。
無課金お兄さんもとい拓哉、強し。茜の心もゲットですね。😊
計画的にお金を使わないと、突然のサービス終了で水の泡になる事も。気を付けないとですね。😓
追記
ゲームプレイ中の武器が可視化されて良かったです。