永遠に・・・

ゆり

読切(脚本)

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〇渋谷のスクランブル交差点
  ──2026年7月
佐藤 玲(サトウ レイ)「はぁ」
佐藤 玲(サトウ レイ)「こんな呆気なく地球最後の日が来るなんて」
佐藤 玲(サトウ レイ)「なんかずっとサイレン鳴ってて怖いし・・・」
佐藤 玲(サトウ レイ)「突然 『早く帰宅して最後の時間を家族や大切な人と過ごしてください!』 なんて言われて会社から解放されても」
佐藤 玲(サトウ レイ)「社畜人生長過ぎて奥さんも彼女も居ないよ!」
佐藤 玲(サトウ レイ)「なんか自分の人生が虚しくて涙が出てきた」
佐藤 玲(サトウ レイ)「俺って何の為に生きて来たんだろう?」

〇黒背景
「すみません お兄さん大丈夫ですか?」

〇黒背景
樹(イツキ)「1人で泣いているから」
  なんなんだ!?
  このイケメンは!?
佐藤 玲(サトウ レイ)「いや、あの1人で居たらちょっとセンチメンタルになっちゃって!」
樹(イツキ)「じゃあ」
樹(イツキ)「最後の時間僕と一緒に過ごしませんか?」
佐藤 玲(サトウ レイ)「え!?」
樹(イツキ)「僕にあなたの話を聞かせてよ」
  怪しい人なのか!?

〇黒背景
佐藤 玲(サトウ レイ)「なんか、ごめん! 俺結局たくさん喋っちゃって!」
佐藤 玲(サトウ レイ)「今度は君の話を聞かせてよ 俺は玲、佐藤玲だよ」
樹(イツキ)「僕は イツキです」
佐藤 玲(サトウ レイ)「イツキは帰らなくて良いの? 家族が心配してるんじゃない?」
樹(イツキ)「大丈夫! 僕はもう会いたい人に会えたから!」
佐藤 玲(サトウ レイ)「え!?そうなの!? それならなおさらその人と一緒に過ごし‥」
樹(イツキ)「玲さん! 良い事教えてあげる!」
佐藤 玲(サトウ レイ)「え!? う、うん!?」
樹(イツキ)「絶対に効くおまじない!」
樹(イツキ)「世界が終わる夜、つまり今! 星空に向かってお願い事をするんだよ!」
佐藤 玲(サトウ レイ)「星空に向かって!?」
樹(イツキ)「そう! 星空が地球にいる僕達の最後の願い事を 必ず叶えてくれるんだって!」
樹(イツキ)「あ、 でも小惑星の衝突避けるのは 無理らしいっす(笑)」
佐藤 玲(サトウ レイ)「なんだよそれ(笑)」
佐藤 玲(サトウ レイ)「イツキはもう願い事したの?」
樹(イツキ)「うん、 速攻叶いました!」

〇宇宙空間
佐藤 玲(サトウ レイ)「よーし! じゃあ来世は絶対に幸せな家庭を築いてやるぞ!」
佐藤 玲(サトウ レイ)「どうか‥」

〇応接室
  玲さん
  ──2015年7月
佐藤 玲(サトウ レイ)「今月で営業終わりなんて寂しいですね」
取引先会社社長「まぁしょうがないよ、今月中に社内の要らないもの全部捨ててスッキリするよ」
佐藤 玲(サトウ レイ)「あの植物も捨てるんですか? ちょっとかわいそうですね」
取引先会社社長「欲しかったら持って行きたまえ」
佐藤 玲(サトウ レイ)「でもちょっとでかいですしねー どーしようかな」
  あの時僕を拾ってくれてありがとう

〇明るいリビング
  どんな時も僕に話しかけてくれてありがとう
佐藤 玲(サトウ レイ)「緑ちゃん!ただいまー!」
佐藤 玲(サトウ レイ)「今日仕事でミスしちゃってさ」
佐藤 玲(サトウ レイ)「今日プレゼン失敗したよ」
  僕はただ見守るしか出来なかったけど

〇明るいリビング
佐藤 玲(サトウ レイ)「母さんの葬儀終わったよ」
  ずっと

〇宇宙空間
  僕は今世
  玲さんと一緒に過ごせて
佐藤 玲(サトウ レイ)「これで来世は安泰だよ! ありがとうイツキ!」
  そして最後に話せて本当に嬉しかった
佐藤 玲(サトウ レイ)「そろそろ時間かな?」
樹(イツキ)「そうみたいだね」

〇地球
  どうか来世は玲さんの愛する人で生まれますように

〇教会の中
  きっと何度生まれて変わっても
佐藤 玲(サトウ レイ)「僕と永遠に一緒居て下さい」
  どんな姿でも
樹(イツキ)「はい」
  僕は玲さんの側にいますよ

〇宇宙空間
  永遠に・・・

コメント

  • ゆりさんこんにちは!
    世界最後の日✕blという新鮮が良かったです!
    観葉植物に対して更に愛着が湧くお話でした🙌

  • あの日助けた観葉植物が…✨☺️

    私の部屋にも観葉植物があるのですが、やはり水やりとかしながら話しかけちゃったりするので、擬人化というのが、なんだかとても夢がありました✨☺️

    生まれ変わってもそばにいられると良いですよね✨
    微笑ましくて心温まるエピソードでした✨☺️

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