53面 心の奥(脚本)
〇幼稚園の教室
ゴチャゴチャ子「ゴチャゴーチャーッ」
ゴチャゴチャ子「ゴチャゴチャッ」
ゴチャゴチャ子「ねぇ聞いておくれ」
何?
ゴチャゴチャ子「付き合っておくれっ」
いいよ
なんてな
しかし何かもててるのかしらん
かまってくれるな
〇幼稚園の教室
さっき女性の先生に質問されて、
それは、ヴィジョンを
見ている人の、回復ですか
先生「回復なんてもう出てきてるんだ」
はぁ、何か感心されたのか
授業でというより独学自習してるからなー
と、答えると同級の女性徒が
何かかまって、話しかけてくる。
俺は床にゴロンと寝転がってると
そこにワンピースの女性が、
こっちの頭側に近く立ってきて
スカートの中見えちゃうじゃん
凝視しないけど、紺色か
裾が少し外に反ってるというか、
ヒラと金魚のヒレくらい癖ついてる
積極的な子なのかな、
他の女性と話してるところくるもんな
〇幼稚園の教室
教室が十字路にあるみたい
窓外の景色が多方面のぞんでるようで
心理学の教室でフラットスペースで
子供のプレイルームみたいだったりして
ゴチャゴチャ子は
波だった髪を一つ結びで下げて
先生は目が大きい
ゴツくないけどはっきりしたタイプ
最初に話しかけてきた子は
派手じゃないおっとりした
色も薄い服の子かな
・・・自分ではわからないけど
まわりから見たらそういう風に見える
なる 自己大器に
なんてな
プロのイリュージョニストとして
お会いして(臨床家がクライアントに)
ゴチャゴチャ子「治す気なんてないもーんっ」
ゴチャゴチャ子「治るお手伝いをするんだから」
〇ソーダ
(かえってうながされて活性化して)
白十字(メ)がズラズラズラッと
積み上がって斜めの無意識の連なりイス
〇劇場の楽屋
何かメールがバンバン入って来てて、
71件も入ってる。
そのツルハシの携帯を、
通山さんがチェックして
通山五月「さぁ、明日はヴァレンタインデーですが」
通山五月「仕事の予定はどうでしょうか」
通山五月「ツルハシさんは・・・完全オフ」
・・・で、調べられて、見ると
元知り合いや同窓生からのメールで
ツルハシが有名人になったから
仲良くしてくれって類なのか。
「ツルハシ!
あんなに仲良くしてやったじゃねーかっ」
ツルハシ「うるせーよっ」
ツルハシ「クリを死ぬ気で愛させてくれよっ」
ツルハシは結婚してるから
オフだっていいんだけど、
俺もオフだな・・・
・・・しょうきゃく200 わーい
焼却炉で、さ、だって、
ツルハシ「・・・駄目だぞ」
ツルハシ「おまえの愛の結晶なんだから」
ツルハシ「麻生さん星羽さんの、活躍を・・・」
〇時計
・・・カウントは合いました
カウントは両想い
(俺とクリ・・・)
〇部屋の扉
?「死んだんじゃねーの?」
?「何かさーママ、カウントがはえーよ」
口の悪い中学娘
(制服着てたっけ?)
?「・・・」
?「二人でいよう」
(想像できるよりも・・・)
〇中庭
──二人がベンチに座って
後ろにある木に
リンゴの実がなってるパッケージ
(女子の髪がベタッとしてる)
〇レンタルショップの店内
レンタルショップで4つ5つ
借りれるもんなら借りてやろうじゃないか
それで、想像以上に難物だったって
コーヒーカップ、カップルの・・・
心の奥は・・・
〇リンドウ
よかったね 夜に目が覚めて 夏ざまし
めざましじゃ入んないから
ざましにしたか
蓑田鞠子。
転用したっぽい句だけども
〇地下鉄のホーム
こっちは二度寝して、
電車地下鉄ホーム終点の端かなここ。
電車来た、行き止まりに挟まれたら
楽に死ねるかな、痛いか、
ピタ、と寸でのところで
止まるもんなのかな。
ゴーッと止まらず、何だ、
〇暗いトンネル
先トンネルあったのか、入ってく──
〇地下室
?「水天宮で私が勝ったら解放してくれる?」
博士「考えておくよ・・・」
蓑田鞠子「でも私、こいつ殺りたくないな」
博士「そうだねぇ」
博士「どうかな 考え直す気はないかな?」
(仲間にならないかって?)
敵方の蓑田鞠子と、
ゴム手袋はめ直した博士に言われて
その女性が応える。
蓑田鞠子は不良役入ってて、
女性が1人捕らえられて、
正方形のコンクリ無機質な室。
こっちは役に入らず、
かたわらで傍観していて
蓑田鞠子が敵方の姉御的ポジションかな
(他女学生何人かいて)
今日はこれから
イヤイヤに戦って告白ですね
〇黒背景
博士「折中珠未さんとね」
博士「だからそのままの流れでね いけばよかったんじゃないかって」
博士「それがね おかしくなってしまったんですよ」
なんて、いわれたってなぁ
今更もいいとこ
告白して押しが強すぎてって
(仕事しに来てるのに、グイグイ来られて)
紫どきだっていうから今まさにって
(今言わないとって、ほのめかしてよー)
一回目はタイミング
逃したのかもしんないけど
二回目は、
うながしたようにいったつもりだよ
言わないでそのまま
関係続けていってって
ふざけんなよっていいたくならないか?
無意識のおっさんよー!
〇水たまり
何で今日の雨は
こんなに降り方が違うんだろう
・・・ ―・・・
(右に・・・弧を描いて)
・・・。。 。。・・・
(雪の結晶が
てんで違うようにか多種多様で)
〇幻想空間
窓際に曇りガラスで外は見えないけど
手を近付けていると握ってくれるような
ってこれ、生徒が握ってくれてるんだ
卒業生をおくり出すのに
(外通路、時計回りで一人ずつ)
江藤鉱(俺は足向けてたけど)
江藤鉱(手なんて出していい立場じゃないけど)
江藤鉱(出したら握ってくれるだろうから 握ってもらっちゃおう)
江藤鉱(もう、たまらなくなって泣きそう)
外ぞいを次々続いて通過して
お別れしていってるのか
〇体育館の舞台
── さっき女生徒が二人くらい、
生徒「先輩を送り出す あいさつどうしようー」
って、まごついてたけど、
いって握手して送り出せばいいんだな
腰下して壁に背もたれてた
博士と俺は一緒にいって、
博士「動きを」
江藤鉱「うん、簡単だ」
江藤鉱(こっちが合わせればいいんだ)
(自己中心じゃなくて
そのまま転写して動けば・・・)
〇体育館の舞台袖
江藤鉱(・・・いたずらずき)
体育館で壇上から生徒を見るように
ズラッと並んでいる顔顔顔
神様の漫画みたい
(人の描きようも)
こっちは心臓かしらん
どきどきして