シングルマザーの星

びわ子

シングルマザーの星(脚本)

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シングルマザーの星
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〇店の入口

〇シックなカフェ
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「ありがとうございました」

〇店の休憩室
店長「お疲れさん」
店長「もうすぐクリスマス」
店長「一人で子育て大変だよねぇ」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「やめて下さい!」
店長「強がるな、シングルマザーが!」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「もう我慢の限界、訴えますよ!」
店長「ふ、ふざけるな!クビだぁ!」
  ──私は一人で育ててみせる

〇線路沿いの道
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「早く仕事探さなきゃ」

〇平屋の一戸建て
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「よし!」

〇狭い畳部屋
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「ただいまー」
「おかえりー」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「お絵描きしてたの?」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「あ、うん」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「お兄ちゃんはー」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「内緒だろ!」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「あっ、そっか」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「そうだ!学校で工作あるからダンボール貰っていい?」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「奈々も新聞紙いるー」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「好きなだけいいわよー」
  ──この子達の笑顔が私に力をくれる

〇ハローワーク

〇職業安定所の面談カウンター
相談員「16番の方」
相談員「パート募集に変更しますか?」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「はい・・・」

〇スーパーマーケット

〇備品倉庫

〇ファストフード店

〇テーブル席

〇平屋の一戸建て
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「よし!」
  ──負けるものか

〇空
  ──頑張れ私

〇線路沿いの道
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「すぐ向かいます!」

〇幼稚園

〇幼稚園の教室
保育士「折り紙を取合いの後に」
保育士「ずっと泣き止まない状態でして」

〇線路沿いの道
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「そんなに折り紙欲しかったの?」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「うわぁーん!!」

〇平屋の一戸建て
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「優!外で何してるの!?」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「手がしもやけになってるじゃない!」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「工作の材料を集めてて」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「身体が冷える、早く家に入りなさい」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「痛い?ねー痛い?」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「・・・」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「よし!」
  ──どんまい、私

〇結婚式場の前
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「連絡待つのみ」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「合格のプレゼントくればいいな」

〇線路沿いの道
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)(せめてケーキだけでもね)

〇平屋の一戸建て
「──早く早く」
「──もう帰ってきちゃう」

〇狭い畳部屋
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「ただいまー?」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「見られた?」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「大丈夫だ」
「おかえりー」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「どうしたの二人とも」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「お兄ちゃん・・・」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「ママ、この襖を開けてみて」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「何かしら」

〇クリスマス仕様の畳部屋
桜坂 菜々(さくらざか なな)「じゃあーん!」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「ええっ!ツリーまで!?」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「ママ、よく見て」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「ダンボール!?」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「それであの時!」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「上手くできたでしょ」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「奈々、チェーン作ったよ」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「新聞紙に色を塗ったのね」

〇クリスマス仕様の畳部屋
桜坂 優(さくらざか ゆう)「開けてみて」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「松ぼっくりで作ったツリーだよ」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「もしかして、それで手を霜焼けに?」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「へっちゃらだよ」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「奈々も金色の折り紙で 星を作りたかったのに──」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「ぐちゃぐちゃにされちゃった」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「それでケンカしたのね」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「奈々、ママにいい考えがあるわ」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「二人ともアルミホイルを三つ丸めて」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「オレンジ色のマジックを塗ってくれる」
「作ったよ」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「天井に吊るして」
「ライトを当てれば──」

〇宇宙空間
桜坂 菜々(さくらざか なな)「うわぁー!」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「金色の星だ・・・」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「銀色にオレンジ色を重ねると金色になるのよ」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「お星様だ!」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「奈々、良かったね」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「えへへ」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「──最後に二人からの手紙を」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「開けるわね」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「いつもお仕事ありがとう」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「ママ大好き」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「僕たちサンタなんかいらない」
桜坂 菜々(さくらざか なな)「ママの方がいいもん!」
桜坂 優(さくらざか ゆう)「だから無理しないでね」
「マ、ママ──!!」
「ママ・・・寒いの?」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「ううん──」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「今まで生きてきて・・・一番温かいよ」

〇クリスマス仕様の畳部屋
桜坂 優(さくらざか ゆう)「シーっ!」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「はい!はい!」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「ありがとうございます!是非働かせて下さい!」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「はい!宜しくお願いします!」
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「やったー!社員で受かったわ!」
「ママ、おめでとう!」

〇結婚式場のレストラン
給仕長「余程の人材なのですね」
総支配人「いつか引き抜こうと思ってたの」

〇クリスマス仕様の畳部屋
  私、間違えてた
  一人で育ててるんじゃない
  三人で育ってきたことに
桜坂 優菜(さくらざか ゆうな)「優、奈々、ありがとう」
  メリークリスマス!

コメント

  • とても素敵な物語ですね!!
    「一人で育ててるんじゃない、三人で育ってきた」心に響きます。
    良い台詞というのは、常識を破ったり新たな視点を見つけさせてくれるものですね。
    シングルマザーには色んな重責が詰まっていて、ついつい自分を責めてしまう。
    自分を叩く表現が響きました。生活実感のこもった物には嘘偽りのない強さがありますね😃

  • 優菜さんの為にサプライズを準備する優君と菜々ちゃん、なんて良い子なんだ……。😭

    そして冒頭にて優菜さんの接客を受けていた女性がまさか結婚式場の支配人さんだったとは……!
    貴方は神だ!!😇

  • おおおおおぉーーーー(´;ω;`)!!!!!!

    最初主人公が心配でたまらなかったのですが、子供たちからのとっても心温まるサプライズに、感動の涙と、主人公に対して、よがっだぁ!!!!!!よがっだよぉおおおお!!!!!!!!(´;ω;`)となりました!!!!!(´;ω;`)

    金色の星も素敵でした✨👏☺️

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