流星の魔女と六等星の火花(脚本)
〇けもの道
森にかつて流星の魔女
と謳われた魔女が住んでいました
エミリエ「私に残された魔法は」
エミリエ「あと一つだけ──」
〇西洋風の部屋
エミリエ「こんな夜更けに・・・ 誰?」
あの時、助けていただいた星です
エミリエ「もしかして」
〇けもの道
ステラ「お久しぶりです、魔女様」
〇西洋風の部屋
エミリエ「君は、あの時の──!!」
〇宇宙空間
エミリエ「星よ、廻れ! 踊れ!」
魔女「見て、エミリエよ」
魔法使い「なんて魔力!」
魔法使い「さすが流星の魔女」
〇大樹の下
エミリエ「私の魔法はすごい」
エミリエ「みんなから褒められちゃう」
エミリエ「けど」
エミリエ「どうして心は満たされないの?」
「あの、魔女様」
エミリエ「誰?」
ねずみ「助けてください」
エミリエ「ねずみ?」
ねずみ「いいえ! ぼくは、夜空の星なのです!」
エミリエ「──ふぅん」
エミリエ「他の星にイジメられて そんな姿されちゃったのね」
エミリエ「でもどうして?」
星「それは」
星「ぼくが暗い星だから」
星「どうがんばっても輝けない星」
星「地を這うのが お似合いだからって・・・」
星「ああ、でも魔女様」
星「ぼくを夜空に 戻してくれませんか?」
エミリエ「どうして戻りたいの?」
エミリエ「またイジメられるかもしれないのに」
星「かまいません」
星「ぼくは、暗い星のままで 輝いていたいのです」
エミリエ「私の魔法なら、 君を明るい星にしてあげられるかもしれないよ?」
星「空を見上げた時に、」
星「誰かが気付いてくれるかもしれないでしょう?」
星「暗い星でも夜を照らせるって」
エミリエ「──」
エミリエ「あはは」
エミリエ「バカみたい」
エミリエ「でも」
エミリエ「とてもいいね」
エミリエ「うん」
エミリエ「君にならぜんぶあげたっていいかな」
星「魔女さ──」
エミリエ「本来の君に、お戻り」
〇宇宙空間
ステラ「あの時、あなたはぼくに魔法をくれました」
ステラ「そのせいであなたは、魔力を失ってしまった」
ステラ「だから、お返しにきました」
エミリエ「いらない」
エミリエ「それは、君にあげる」
ステラ「でも」
エミリエ「魔法をつかって、 人の姿になって来てくれたんだね」
ステラ「魔女さ──」
エミリエ「じゃあ、デートしよっか」
ステラ「でーと?」
エミリエ「そう」
エミリエ「魔法はあげる」
エミリエ「その代わり、連れて行ってほしいところがある」
ステラ「どこに?」
エミリエ「どこって」
エミリエ「そんなの、決まってる」
エミリエ「夜空だよ」
〇月夜
エミリエ「綺麗だ」
ステラ「星が好きですか?」
エミリエ「好きだよ」
エミリエ「まぶしいくらい、好きだ」
エミリエ「君は言ってたよね」
エミリエ「暗い星でも 夜空を照らせるって」
ステラ「はい」
エミリエ「あの時の君 まぶしかった」
エミリエ「火花みたいに、 まぶしかった」
エミリエ「私ね」
エミリエ「強い魔女だったから」
エミリエ「何でもできたし 何でも手にはいった」
エミリエ「でもね 本当は、人生の中で」
エミリエ「私の人生の中で」
エミリエ「燃えるような火花を 一度でいいから、手にしてみたかった」
ステラ「だから、魔法を手放した?」
エミリエ「うん」
エミリエ「でも一つだけ」
エミリエ「魔法が残っているの」
ステラ「その魔法は?」
エミリエ「あの星をとって」
〇月夜
ステラ「あれは」
ステラ「星のカケラです」
ステラ「もう輝けません」
エミリエ「いいの」
エミリエ「この星に 「今」を閉じこめる」
ステラ「星が、光をまとって・・・!」
エミリエ「君にあげる」
ステラ「ぼくに?」
エミリエ「この星は、私」
エミリエ「初めて心が満たされた今を」
エミリエ「愛おしく思うから」
エミリエ「私は忘れない」
エミリエ「君も忘れないで」
ステラ「忘れませんとも」
エミリエ「夜空を見上げて、君を探すよ」
エミリエ「例え君の光が 地上に届かなくとも」
エミリエ「必ず君を見つける」
ステラ「では、ぼくは輝き続けましょう」
ステラ「暗い星のままで」
ようやくログインできました。パスワードを忘れていたので、ちょっと走ってみたり、薬局で気付けに求心を買って飲んだりしたら思い出しました。
タイトルがプロローグ後に出るとか、映画か!すごい!
後半の音楽も作品とガチハマリしてますね
若い子たちに希望を持たせる作品
すばらしいの一言です! ↑一言じゃない(笑)
「あの時助けていただいた星です」の時点でファンタジックな設定にハートわしづかみでした。星の王子様の世界みたい☺️
優しくて素敵なお話でした✨️✨️