オージュ・ウォゲは邂逅する

東龍ほフク

2/オージュ・ウォゲは王を呼びたい(脚本)

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〇西洋の城
  ── 事の発端は 2日前。

〇テクスチャ3
  ◆オージュ・ウォゲ
   職業 / ホラー&オカルト小説家
   スキル / 黒魔道士の治癒スキル持ち
  北地方に炎系魔物を召喚し続けた
  環境操作による自然破壊、及び損害罪。
  把握している限りの資産 全額没収、
  身柄を一時 拘束中。

〇刑務所の牢屋
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「暇だ」
オージュ・ウォゲ「本、読みたいなぁ〜」
見張り兵「駄目です」
オージュ・ウォゲ「じゃあ、執筆作業をしたいなぁ 紙と鉛筆が ほし‥‥‥」
見張り兵「駄目っすよ」
見張り兵「『暇な事』が、あなたのした事に対しての 『罰』なのでは?」
オージュ・ウォゲ「それは、ごもっともだ!」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥その事は重々 承知してるんだけど」
オージュ・ウォゲ「でも、それでもちょっと 紙と鉛筆だけは いただけないだろうかね?」
見張り兵「だから、駄目だと‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「いや、暇だからとか 『自分のため』じゃなくて」
オージュ・ウォゲ「ちょっとやりたい事が」
見張り兵「クドいっす」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「王様を呼んでくれる?」
見張り兵「はぁ?💢」
オージュ・ウォゲ「王様を呼んでくれないと、歌っちゃうぞ☆」
見張り兵「なっ‥‥‥?!」
オージュ・ウォゲ「♪Наистина съжалявам〜」
オージュ・ウォゲ「♪Съжалявам за ......, в случай че се чудите〜」
見張り兵「ちょっと待って?! 何語?! 怖っ!!!」
オージュ・ウォゲ「♪Знам, че направих нещо нередно и съжалявам‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「♪но не може да се помогне〜‥‥‥」
見張り兵「何を歌っているオペラなんだよ!?」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥何か『呪いの言葉』を 放っていたとしたら どうする?」
見張り兵「う、」
オージュ・ウォゲ「♪Не проклинам нищо〜」

〇謁見の間
見張り兵「王様! 王様ぁ!」
見張り兵「牢の中のオージュ・ウォゲが、 異様に上手いオペラを謎の言語で 高らかに歌っております!」
オウシ・ヤマ王「どゆ事?!」
見張り兵「も、もしかしたら 城‥‥‥ 国に対して 何やら呪術をかけているやも‥‥‥」
見張り兵「奴は、王と会いたがっております」
見張り兵「申し訳ありませんが、至急 地下に 向かっていただけませんか‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「も、もちろん‥‥‥」

〇刑務所の牢屋
オウシ・ヤマ王「オージュ・ウォゲ!  一体 どんな呪いをかけている?!」
オージュ・ウォゲ「♪Съжалявам, че ви изплаших да дойдете тук〜」
オウシ・ヤマ王「やめぃ!!!!」

〇刑務所の牢屋
オウシ・ヤマ王「それにしても お主、 無駄に歌が上手いな‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「幼少期に、家の都合でオペラを少々」
オウシ・ヤマ王「へ、へぇ‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「で、一体 何の用だ」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「この私に何もさせず、ただ飼い殺して いるだけなんて 勿体なくないですか?」
オウシ・ヤマ王「は?」
オージュ・ウォゲ「仮にも、まぁまぁ人気ある作家である 私に何もさせないままでいいのですか‥‥‥と」
オージュ・ウォゲ「私に エッセイを書かせませんか?」
オウシ・ヤマ王「なんだと‥‥‥?」
オージュ・ウォゲ「犯罪者のエッセイ‥‥‥ 過去話や獄中日記を、ですよ」
オージュ・ウォゲ「犯罪を犯した有名人の手記、批判もあると 思いますが 売れると思いますよ」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「『エッセイ・日記・手記・随筆』って 似てますね‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「── つまり、金稼ぎをしたいと?」
オージュ・ウォゲ「平たく言うと、そうですね」
オウシ・ヤマ王「貴様‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「で、」
オージュ・ウォゲ「その売り上げの8割を 私のせいで 被害を受けた町村などに寄附してください」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「天候操作による作物被害とか、 いろいろ あるでしょう?」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥残りの2割は?」
オージュ・ウォゲ「『キン募金』に どうぞ」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥」
オウシ・ヤマ王「貴様、イイ奴なのか悪い奴なのか わからんな」
オージュ・ウォゲ「まぁ『書きたがっている奴に何もさせない』 ── という罰を与えたいのなら」
オージュ・ウォゲ「別に無視して下さって 構いませんし」
オウシ・ヤマ王「少し 考えさせてくれぬか」
オージュ・ウォゲ「いえ、即決していただけませんか?」
オウシ・ヤマ王「は?」
オージュ・ウォゲ「今の この『申し訳なくて寄付したい』‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「と、いう気持ちが長続きしないと思うので」
オウシ・ヤマ王「なっ‥‥!」
オージュ・ウォゲ「時間が経てば、また元の」
オージュ・ウォゲ「『私が起こした魔物や災害が  いろんな人の刺激になった』‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「『人生が変わるきっかけになった』‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「という、ポジティブ解釈に戻るので この話はなかった事になります」
オージュ・ウォゲ「‥‥‥『エルム・ナキュを潰した世間への 憎悪』も抑えてるんですよ?」
オージュ・ウォゲ「私のメンタルが『善人モード』の 期間は短いですよ?」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥‥くっ」
オウシ・ヤマ王「わかった エッセイでも何でも書いて、稼げ」
オウシ・ヤマ王「その金を 復興資金に回そう」
オージュ・ウォゲ「ふふ‥‥‥感謝します」

〇刑務所の牢屋
オウシ・ヤマ王「ん?」
オウシ・ヤマ王「その『ただ くっついているだけの右腕』で 執筆を始めるのか?」
オージュ・ウォゲ「医者によると、リハビリを頑張れば 以前ほどではないけど 動くように なるそうですが‥‥‥」
オージュ・ウォゲ「別にいいですよ 左手で たどたどしく書いていきますよ」
オージュ・ウォゲ「で、タイプライターで打ち直さずに その たどたどしい字のまま 発行したいですねぇ」
オージュ・ウォゲ「その方が悲壮感があって、 いいじゃないですか」
オウシ・ヤマ王「‥‥‥‥‥」

〇ゴシック
  作家にとって、右腕は大事な
  商売道具ではなかろうか。
  それを、コイツときたら
  どうして そんな嬉しそうに。

次のエピソード:3/オージュ・ウォゲは割と食う

コメント

  • 壊れてるから…の一言で片付くものでしょうか!?
    いやー、急に何言ってるかわからない言語で歌い出す(しかも上手いww)って、怖いですよ🤣🤣🤣(なのに内容、平和なんですかww)
    オージュ先生の誘導が巧みすぎる😂
    「書きたがってる奴に何もさせない」って、そんな😱物書きには殺生な……そもそも物語が始まらない、1話で終わっちゃうifなパターン😅

  • 「王様を呼ばないと歌っちゃうぞ☆」でバチコンウィンクしているオージュ先生の様がどべさん画で浮かぶ件wwwwww(にしてもなんだこの生きてて絶対言わないイミフな台詞www)

    歌や魔法を脚本からコピペして翻訳をちまちま見ていますけど、全然大したこと言ってないの可愛すぎて😚
    何だかんだで「何かしていたい、したい」のやっぱりイイ人だと思います好き!

  • インクびしゃってる背景なんてあったんですね……?!
    というか、新キャラのイケメン君……これからあのオ先生の世話(ツッコミ)をする羽目になっていくのかと思うと心労が……可哀想に(笑)。東龍さん画の彼も楽しみです😂

    家庭の事情なオペラが気になりすぎるので、過去話を無理しない程度に早う……!😂
    左手で拙い字を書いているのかと思うともう何ですかソレいちいち可愛い😂😂😂🤣

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