オスティウムの香水店〜アル・ペルフムムへようこそ〜

悠蒼

オスティウムの香水店〜アル・ペルフムムへようこそ〜(脚本)

オスティウムの香水店〜アル・ペルフムムへようこそ〜

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〇白い扉の置かれた森
ローサ「ここ・・・どこ?」
ローサ「扉?」
ローサ「開かない」

〇森の中の小屋

〇薬屋
ローサ「良い香り」
???「いらっしゃい」
アル「こっち来て」

〇薬屋
アル「”アル・ペルフムム”へようこそ」
ローサ「アル・ペルフムム?」
アル「香水店さ!完全オーダーメイドのね」
ローサ「完全オーダーメイド・・・素敵!」
シリウス「にゃー」
ローサ「なんて可愛いの!」
アル「シリウス!この子の名前」
ローサ「シリウス!よしよし」
シリウス「にゃー」
ローサ「君の名前は?」
アル「アルス・アルカナ」
アル「アルって呼んで」
ローサ「アル!私の名前はローサよ」
ローサ「私──」
ローサ「気がついたら近くにいて、記憶が曖昧なの」
アル「ここに来るお客様は、昔からみんなそうさ」
アル「アル・ペルフムムは香水店だけど──」
アル「扉の先に行くか迷う人が、辿り着く場所でもある」
ローサ「扉!さっきあったわ!」
アル「どうだった?」
ローサ「・・・開かなかった」
アル「ローサ、君は──」
アル「扉の先に行きたい?行きたくない?」
ローサ「私は・・・」
ローサ「私・・・は・・・」
シリウス「にゃー?」
アル「ローサ」
アル「君の好きな香りを教えて」
アル「苦手な香りもね」

〇花模様3
ローサ「白い薔薇の香りは、私にとって特別よ」
ローサ「でも、赤い薔薇の香りは苦手」
アル「白い薔薇は好きで、赤い薔薇は苦手?」
アル「面白い注文だ!」
シリウス「にゃー」
アル「他には?」

〇レトロ喫茶
ローサ「紅茶の香りも好き」
ローサ「ホッとして、癒されるのよね」
アル「紅茶か!何の種類?」
ローサ「ダージリン」
アル「了解」
アル「最後に──」
アル「思いついた香りを自由に言って」
シリウス「にゃー」
ローサ「それなら──」

〇月夜
ローサ「星空の香り」
ローサ「なんて、自由過ぎかしら」
アル「星空の香りか!」
アル「こんなに心が踊るオーダーは初めてだ!」
シリウス「にゃー」
アル「星空の香りを、一緒に探そう!」

〇花模様3

〇新緑

〇宇宙空間

〇幻想
ローサ「凄い勢い!調香しているの?」
アル「あぁ!」
アル「香りを確かめて」

〇キラキラ
ローサ「華やかで、優しい香り」
アル「どう?」
シリウス「にゃーん?」
ローサ「素敵な香りだけど、星空を感じない」
アル「星空の香りが、この香水の鍵か」

〇ソーダ

〇時計

〇森の中の小屋

〇森の中の小屋

〇薬屋
アル「こんなに何度も調香したのは、百年ぶりか?」
アル「できたよ」

〇幻想3
ローサ「私!この香りをまといたい!」

〇薬屋
アル「完成したね」
アル「君だけの香水」
シリウス「にゃー」
ローサ「私だけの」
アル「あと少しで、夜が完全に明ける」
アル「これを持って、扉の前に行ってみて」
ローサ「うん!」
ローサ「あっ!代金は!?」
アル「次に来た時──」
アル「扉の向こうで何があったのか教えてよ」
アル「それが代金だ」
ローサ「わかったわ」
ローサ「扉を開けてみせる」
ローサ「だって、私が開けたいもの!そして──」
ローサ「アルに沢山のお土産話を用意するわ!」
アル「それは楽しみだ」
シリウス「にゃーん?」
ローサ「シリウスも!待っててね」

〇薬屋
ローサ「一つだけ教えて」
ローサ「最後に一滴だけ垂らした香料は──」
ローサ「何の香り?」
アル「・・・赤い薔薇だよ」
ローサ「赤い薔薇!?」
アル「最後だけ、一滴入れてみたんだ」
ローサ「あの一滴が入った時、香水から星空の香りを感じることができたの」
アル「ローサの苦手な香りなのに、不思議だよね」
アル「調香も人生も、奇跡的なマッチングが起きる事があるんだ」
ローサ「それって──」
ローサ「神秘的で最高ね」
シリウス「にゃー!」
ローサ「教えてくれて、ありがとう!」
ローサ「またね」

〇森の中の小屋

〇白い扉の置かれた森
ローサ「行くわよ」
ローサ「開いた!」

〇白

〇部屋のベッド
ローサ「んっ」
ローサ「・・・夢?」
ローサ「そんな」
ローサ「夢じゃなかったのね」

〇薬屋

〇部屋のベッド
ローサ「ローサです!」
ローサ「オーディションに参加します!」
ローサ「すぐ準備して──」
ローサ「今から行きます!」

〇部屋の扉

〇白

〇白い扉の置かれた森

コメント

  • 歳を重ねると、年々扉の数や開ける気概が減っていきますが、挑戦する気持ちは忘れないようにしなければ!と改めて感じさせてくれる不思議で優しいお話でした。
    お話がフォーマットとして完成してるので、他のお客さんが来店してくる様子も、見たくなりそうです^^

  • 悠蒼さんこんにちは!
    宝石箱の中を覗くようなキラキラした世界観凄く好きです!冒頭の扉は何だろう?という謎から新しい一歩を踏み出すように目覚めて、オーディションに挑戦する、という流れも応援したくなりました!

    キャラクターが優しくて癒されました🙌苦手なものを気付かない程度にスパイスとして加える、とても良かったです☺️

  • 五感で感じる素敵な物語ですね。
    異世界に迷い込んだような、でも懐かしく落ち着く雰囲気もする世界観もいいですね。
    最後の一滴による奇跡の組み合わせは実はすごく深い意味があるような気がします。

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