バッドエンドレディ~悪役令嬢がデスループから抜け出す方法~

桜海(おうみ)とあ

S2第4話(29)(脚本)

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〇西洋の城
王宮騎士団兵1「もしやガラス玉の爆弾か??」
テオフィル・ベフトン「な!!!」
リアリナ「誰に剣を向けているのです? その者は、グレイ侯爵家の従者ですわよ?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「王太子の婚約者が誰かお忘れかしら?」
王宮騎士団兵1「誰であろうと、通すなと申しつかっている。帰られよ」
???「ん?」
王宮騎士団兵2「グレイ公爵家だと???」
王宮騎士団兵2「もしや、貴殿はテオフィル・べフトン閣下でございますか」
テオフィル・ベフトン「・・・そうであるが」
王宮騎士団兵2「これは失礼致しました!  どうぞお通りください」
王宮騎士団兵1「待て、誰も通すなと団長に」
王宮騎士団兵2「頭を下げろ」
王宮騎士団兵2「この方は元王宮騎士団、騎士団長べフトン閣下であらせられるぞ」
王宮騎士団兵1「た、大変失礼致しました! すぐに門をお開け致します」

〇巨大な城門
リアリナ・シャルルド・グレイ「元騎士団長と知ってはいたけれど、改めてテオってすごいのね」
テオフィル・ベフトン「過去のことです。今はグレイ家の従者でございますから」
リアリナ・シャルルド・グレイ「もったいないわ。そんな肩書きがあったら称号も結婚相手も選び放題じゃない」
テオフィル・ベフトン「そういったものには興味ございませんので」
リアリナ・シャルルド・グレイ「無欲ね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「お父様に言って素敵なお相手を探してもらいましょう」
テオフィル・ベフトン「滅相もない。 お気持ちだけいただいておきます」
リアリナ・シャルルド・グレイ「んー。いらないっていうなら、まあ無理強いはしないけど」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あっ! もしかしてB・・・」
テオフィル・ベフトン「ではございません」
リアリナ・シャルルド・グレイ「まだ、言ってないのに」
テオフィル・ベフトン「こちらのチャンネルは全年齢。女性向け恋愛作品を公開するチャンネルとなっております」
リアリナ・シャルルド・グレイ「あえて説明するとこが怪しい」
テオフィル・ベフトン「あっ。城が見えて参りました」

〇ファンタジーの学園
リアリナ・シャルルド・グレイ「王への謁見は無理でも、偶然出会える可能性はあるかも?」

〇花模様3
王宮侍女「こちらでございます」
王宮侍女「こちらは明日の生誕祭で、王妃様への謁見までゲストが集まるセントラルガーデンとなります」
リアリナ・シャルルド・グレイ「美しい庭ね」
テオフィル・ベフトン「ええ、本当に」
テオフィル・ベフトン「素晴らしい花々が咲き乱れておりますね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「でも、 生誕祭は真夜中まで宴が行われるのよね」
王宮侍女「夜は、暗くなりますゆえ、通りには松明を灯す予定でございます」
リアリナ・シャルルド・グレイ「やっぱりそうよね」
リアリナ・シャルルド・グレイ「なら、私の出番だわ!」
王宮侍女「ガラスの玉? どうなさるおつもりです?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「まあ、ちょっとシーズン先取りしちゃうけど。ありでしょ」
王宮侍女「???」
リアリナ・シャルルド・グレイ「さあてと、チャチャっとやっちゃうわよ!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ガラス玉を縛ったリボンを木にかけて木に吊るして──」

〇イルミネーションのある通り
テオフィル・ベフトン「リアリナ様、このような形でよろしいですか?」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ええ、完璧よ! こっちの木にもつけてちょうだい」
テオフィル・ベフトン「承知しました」
???「おい! ここで何をしている?」
リアリナ・シャルルド・グレイ(ひゃ! 王宮騎士団の人だわ。 また怒られるのかしら?)
ロムアルド・ベフトン「・・・テオフィル?」
テオフィル・ベフトン「ロムアルド様・・・」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ロムアルド?」
ロムアルド・ベフトン「これは侯爵令嬢。お初にお目にかかります」
ロムアルド・ベフトン「王宮騎士団、第3騎士団長を務めます」
ロムアルド・ベフトン「べフトン伯爵家当主、ロムアルド・べフトンと申します」
リアリナ・シャルルド・グレイ「べフトン? まあ!  テオのお兄様でいらっしゃるのね!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「伺っているわ! ロムアルド閣下は炎の使い手でしたわね」
ロムアルド・ベフトン「・・・」
テオフィル・ベフトン「それは、長男でございます」
テオフィル・ベフトン「ロムアルド様は、義兄でございます」
ロムアルド・ベフトン「べフトン家長女、ヨブの夫である私が現在は当主を務めております」
リアリナ・シャルルド・グレイ(そうだった。テオのお兄様は戦地で亡くなったんだった)
リアリナ・シャルルド・グレイ「失言でしたわ」
ロムアルド・ベフトン「いえ、もう何年も前のことですから」
ロムアルド・ベフトン「ご令嬢、大変不躾なお願いなのですが、テオフィルをお借りできないでしょうか」
リアリナ・シャルルド・グレイ「わかったわ!」
テオフィル・ベフトン「しかし、職務を放棄するのは!」
リアリナ・シャルルド・グレイ「ここは王宮よ? どんな場所よりも安全だもの! 私はいいから、話をしてきて」
ロムアルド・ベフトン「では参ろうか」
テオフィル・ベフトン「・・・すぐ戻ります」

〇城の廊下
ロムアルド・ベフトン「久しぶりであるな。ジゼルの生誕以来か?」
テオフィル・ベフトン「ジゼル様は、もう大きくなられたのですか」
ロムアルド・ベフトン「ああ、子供の成長は早い。最近は生意気な口を聞くようにもなった」
ロムアルド・ベフトン「最近はヨブのように木登りをするので、見ているこちらがハラハラしてならん」
テオフィル・ベフトン「そうですか 元気なようで何よりでございます」
ロムアルド・ベフトン「そろそろ戻られはしないのか。本来なら、次男である君が当主になるものを」
ロムアルド・ベフトン「いつまでも男爵風情のフォスカリ家が伯爵家当主の座に座るのは正直、居心地が悪い」
ロムアルド・ベフトン「やはり、テオフィル。 君が当主に相応しいだろう」
テオフィル・ベフトン「・・・兄上を殺した私にその資格はございません」
ロムアルド・ベフトン「それは、戦争のせいだ」
ロムアルド・ベフトン「あの時代、どんな命も軽かった。 其方のせいではない」
テオフィル・ベフトン「いえ。私のせいなのです」

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