4 2人の挑戦(脚本)
〇明るいリビング
諸星陽菜「で、出来たぁ!」
諸星陽菜「後は自分の問題かな・・・」
〇教室
朝方。
夜神浩一「おは〜!」
朝比奈春樹「おう夜神!今度の奴はどんな感じだった?」
夜神浩一「あいも変わらずの上々だったぜ!やりたいって声も多くてよ!」
朝比奈春樹「あぁ!マジか!!」
諸星陽菜「あ、朝比奈君お早う・・・」
朝比奈春樹「あ、諸星さん・・・」
夜神浩一「あ、ども・・・」
諸星陽菜「あの、朝比奈君、今日のお昼どうするか決めてる?」
朝比奈春樹「ん?特に決めて無いけど?」
諸星陽菜「あ、そうなんだ!あの、もし良かったら、これどうかな?」
朝比奈春樹「あれ?もしかして俺に?」
諸星陽菜「あ、うん!後で感想聞かせてね!改善点とか聞きたいから!」
夜神浩一「えぇ!良かったじゃん!諸星さんから昼飯貰えるなんて!しかも手作り!」
朝比奈春樹「いやはや、俺告白は断ったんだけどなぁ・・・でもこう言うのは断ったらなぁ・・・」
朝比奈春樹「も、もしかしてヤンデレだったり?」
夜神浩一「いや!それは無いと思うぞ!」
朝比奈春樹「だ、だよなぁ!でも、実在するなら会って見たい様な見たく無い様な・・・」
夜神浩一「いや、関わらない方が絶対良い・・・な?」
朝比奈春樹「お、おう・・・」
〇高い屋上
数時間後。昼休憩。
諸星陽菜「・・・・・・」
朝比奈春樹「はむ・・・」
諸星陽菜「ど、どうかな?」
朝比奈春樹「・・・・・・」
朝比奈春樹「いや!これ冗談抜きで美味いよ!正直ここまで出来るってのは驚いたけど・・・」
諸星陽菜「・・・!よ、良かった・・・」
朝比奈春樹「いやはや、男連中がアタックしたくなる理由が、少し分かった気がするよ・・・」
諸星陽菜「ありがとう・・・でも、あたしは朝比奈君一択だよ?」
朝比奈春樹「う〜ん、それは有り難いけど、俺はそこまで考えられないかな?」
諸星陽菜「う〜ん何でかなぁ・・・朝比奈君、女子に興味あったりしないの?マウント取る気は無いけど、あたしって何でも出来るし、」
諸星陽菜「容姿にも自信あるよ?」
朝比奈春樹「まぁ、確かにそうなんだけどさぁ・・・正直それだけじゃなぁって思うのよ・・・」
諸星陽菜「具体的には?」
朝比奈春樹「何と言うかこう、片方だけ良くても、もう片方がちゃんと出来てなきゃなぁって思うし、それをやった後の責任も、」
朝比奈春樹「自分で取らないといけない訳だから・・・」
諸星陽菜「あぁ、結構理由が確りしてるね・・・」
朝比奈春樹「逆に聞くんだけどさぁ、諸星さんはどうして彼氏を作らないの?そんなにモテるなら、別に困らないと思うけど・・・」
諸星陽菜「あたし?そうね・・・確かにそうかもだけど、外見だけで決めても後々詰まらなくなるのは朝比奈君も見て分かるでしょ?」
朝比奈春樹「あぁ、確かにそれはあるな・・・」
諸星陽菜「あたしは幼い頃から何でも出来て、それで親に褒められる事は嬉しかったけど、逆に自分より弱くて、出来ない人からは」
諸星陽菜「良く妬まれたわ・・・それはそれで結構辛かったし、実を言うと友達もそれ程多く無かったわ・・・」
諸星陽菜「それで心から願う様になったと思うの・・・あたしに勝てる人に会いたいって・・・」
朝比奈春樹「だから、どんな物事に置いても妥協しなかったと?」
諸星陽菜「それは間違い無いわ・・・現にあたしに勝てる人はどこにも現れなかった・・・学校で習う様などんな分野でもね・・・」
諸星陽菜「でもこの前、本気であたしを打ち負かしてくれる人が現れたのよ・・・」
朝比奈春樹「それが、俺?」
諸星陽菜「そうよ!まぁ、今はあたしの方が振られてるけど・・・」
朝比奈春樹「(そっか、諸星さんは諸星さんで色々抱えてるんだな・・・強者故の孤独か・・・)」
朝比奈春樹「諸星さん、俺から一つ提案があるんだけどさぁ・・・」
諸星陽菜「ん?どうしたの?」
朝比奈春樹「今俺、新しいゲーム何作ろうか考えててさ・・・もしそれが完成したら、やって見てくれるか?」
諸星陽菜「朝比奈君が作ったゲームを、あたしが?」
朝比奈春樹「そうなんだ・・・今はまだ時間が掛かるけど、もし完成したらやって欲しくて・・・」
朝比奈春樹「それをクリア出来たら、改めて君と友達になりたいと思う・・・どうかな?」
諸星陽菜「えぇ!やるやる!何かあたしの考えてるのと同じ条件だし、寧ろやって見たいかも!!」
朝比奈春樹「あぁ、でもいつになるか分からないから、少し待っててくれるかい?」
諸星陽菜「勿論よ!どうせなら付き合いたいけど、その時になったら、あたしがどれだけ本気か見せて上げる!」
諸星さんの心情を聞き、俺の中で何かが目覚めた。彼女の了承も得たので、俺はまたゲーム作りに勤しむのだった。