マイ・リトル・ストーリー

そよかぜフィリップ

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〇黒

〇荒野の城壁
  わたしは、

〇荒野の城壁
  さびしい、

〇荒野の城壁
  ひとみしり・・

〇空
  私は、人見知りだ
  できれば、
  いろんな人と仲良くしたいけど、
  なんか、傷つきたくなくて・・

〇城壁
  自分から壁を作ってしまう
  私は、いつも・・
  壁に囲まれていた

〇黒
  これは、
  そんな私の
  ほんの小さな物語

〇黒
  4月

〇本屋
  穏やかな
  春
  私は、書店でのバイトを終え
  アパートへと帰った

〇二階建てアパート

〇女の子の一人部屋

〇女の子の一人部屋
富田麻里「ふぁ~!」
富田麻里「疲れたぁ」
富田麻里「眠い・・」
富田麻里「でも、頑張らなきゃ!」
富田麻里「コンテストの締め切りまで、あと少し!」
  私には、夢がある!
  それは!

〇水玉2
  絵本作家になること!

〇パチパチ
  子供たちが喜ぶ
  楽しい『おはなし』を作りたい!

〇水玉2

〇女の子の一人部屋
  でも、
  その道のりは

〇荒野
  とても険しい・・

〇女の子の一人部屋
富田麻里「はぁ・・」
富田麻里「ん? メール・・」
  待ち焦がれていた
  あの人からのメッセージ!
  私の胸は高鳴った!
  けど・・

〇黒
  イマカラ
  アナタニ
  シカエシ
  シタイカラ
  アノ コウエン デ
  マッテマス

〇女の子の一人部屋
富田麻里「え・・」
富田麻里「なんで?」
富田麻里「どういう事?」

〇魔物の巣窟
富田麻里「私・・」
富田麻里「何かしたっけ!?」

〇二階建てアパート
  少し、不安だけど・・
  私は着替えて
  部屋を出た
  あの人に会いたい
  本当に、
  本当に、そう思った

〇住宅街
  あの人は
  書店に来る、お客さん
  私と同じくらい、シャイな人だ
  でも、

〇黒
  あの人が探してた本を
  私が見つけてから、

〇本屋
  書店で会うたび
  少しずつ
  距離が近づいた

〇幻想
  いつも、
  さりげない優しさを、
  感じさせる人なんだ

〇桜並木
  最後に会ったのは
  2月半ばの、とても寒い日だった

〇本屋
  その時、私は
  自分の想いを〝手渡した〟
  けれど・・
  あの人は
  しばらく遠くに行く
  そう私に告げた・・

〇黒
  もう、これで
  お別れだと思った

〇黒
  でも

〇川沿いの公園
  また会える!
  ここは、
  私にとって、
  特別な場所・・
  前に、1度だけ
  2人で、この公園に来た
  シャイな2人だから
  デートって、
  感じじゃなかった・・

〇空
  けど、それは
  全然、
  イヤじゃなくて
  むしろ・・
富田麻里「こんばんは!」
富田麻里「アランさん」
アラン「コンバンハ!」
アラン「麻里サン」
アラン「アノ・・」
アラン「ワタシ、」
アラン「家族ト、話シマシタ」
富田麻里「・・はい」
アラン「ワタシ・・」
アラン「日本デ、クラシマス」
富田麻里「えっ!!」
富田麻里「本当ですか!」
アラン「ハイ!」
富田麻里「良かったぁ・・」
アラン「コレカラ、」
アラン「日本語、モット勉強シマス!」
富田麻里「はい! 頑張ってください!」
アラン「アノ、麻里サン・・」
アラン「イツモ、アリガトウ」
アラン「・・コレ」
富田麻里「えっ?」
富田麻里「・・あ、あの」
富田麻里「これ・・何ですか?」
アラン「麻里サン」
アラン「オクレマシタ」
アラン「ホワイトデー、デス」
富田麻里「・・え?」
富田麻里「・・・」
富田麻里「あ! そうか!」
富田麻里「シカエシ!!」
富田麻里「ふふふ・・」
富田麻里「あははは」
富田麻里「『シカエシ』じゃなくて」
富田麻里「『お返し』ですよ!」
アラン「!? Ugh, how ・・」
アラン「ア・・アァ!」
アラン「・・ゴ、ゴメンナサイ、麻里サン」
アラン「ドウモ、スミマセン!」
富田麻里「ふふふ」
富田麻里「いえいえ!」
富田麻里「どうも、ありがとう!」
アラン「ハイ!」
  私・・
  この人の前では、
  笑顔でいられる

〇黒
  だから

〇城壁
  さびしい、わたし
  とんでいった!

〇星

〇空

〇空

〇桜並木

〇川沿いの公園

〇住宅街

〇二階建てアパート

〇城壁

〇城壁

〇城壁

〇黒

〇黒

〇ゆめかわ
  まるで、
  『はるかぜ』みたいな
  ひとなんだ・・
  おしまい!

コメント

  • そよかぜフィリップさんこんにちは!
    まさにそよ風のように優しい物語でした🙇‍♀️
    そしてシカエシじゃなくて、お返しでしたか😂外国人の方なら確かにありそうな間違いで成る程となりました🙌

  • メールで「仕返し」とあったからトラブルになってしまうのかと思ったら……まさか海外の方でしたか。😂

    春風というより北風の如くヒヤッとしましたが、最後はハッピーエンドで良かったです。

  • 優しくて心に沁みるとても素敵なお話ですね!!
    ちょっとサスペンスな瞬間も、それをひっくり返して見事でした。
    外人さんという意外性もありますし。
    最後の方は、曲に乗せてシーンが次々と出て、萌えって感じです💛

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