読切(脚本)
〇黒
エリカ(全身が何かに押しつぶされて重い)
エリカ「苦しい」
エリカ「はな、して」
???「逃さない」
エリカ「なにこれ 気持ち悪い」
エリカ「私 怪物に丸呑みにされてしまったのかしら」
体中に隙間なく触手が絡みついている
デミ「怪物とは失礼な 俺はデミ フリーの触手機兵さ」
エリカ「人殺し」
デミ「いや 殺したことはない 戦争に出される前に逃げてきた」
エリカ「いい判断だね」
デミ「もう殺し合う世界にはいたくないんだ」
デミ「誰かを守るために力を使いたい」
エリカ「素敵ね 守りたい誰かは見つかった?」
デミ「お前だ」
エリカ「へ・・・?」
デミ「これまでのことどれだけ覚えている?」
エリカ「そうね・・・昨日の夜、私が勤めていた軍の救護艦が何かの衝撃で大きく揺れたの 驚いて気絶して、目が覚めたらあんたの中よ」
デミ「あー、その艦にぶつかったのが俺だ」
エリカ「けが人は出なかったでしょうね」
デミ「他は大丈夫だったが、お前を昏倒させてしまった 責任を取らねばと思って、持って帰った」
エリカ「・・・・・・はあ」
デミ「(ギュー)」
エリカ「・・・」
エリカ「ぐすん・・・」
エリカ「人前で泣くなんて恥ずかしいわ それに、弱みに付け込まれたりでもしたら・・・」
デミ「一人で抱え込みすぎだよ」
エリカ「そうね・・・」
デミ「俺に抱きしめられるのは好きか?」
エリカ「嫌いじゃないけど出会ってまだ1日よ」
デミ「素直になれ・・・ とても肌馴染みがいい」
エリカ「やめて 離れられなくなる」
デミ「どうして離れる必要が?」
エリカ「誰とも関わりたくない」
デミ「いいよ 守るよ 俺以外とは関わらなくていい」
エリカ「・・・迷惑かけたくない」
エリカ「生きてるだけで迷惑、迷惑、迷惑・・・ 気持ちが悪い 生きていたくない」
デミ「生きていたら迷惑かけるのは仕方ない だから迷惑かける相手を選ぶんだ」
デミ「誰も一人では生きていけない」
エリカ「・・・」
エリカ「私 大した人間でないから期待されても何もできない」
デミ「心配するな 期待なんかしてない」
エリカ「優しいのね」
デミ「安心した?」
エリカ「うん・・・」
エリカ「(グー) ああ 特にしたいこともないのになんでお腹は空くのかしら 効率が悪い」
デミ「ストレスで余計に腹が減るのだな」
デミ「そもそもちゃんと食べているのか? 細っこいよな お前」
エリカ「太らない程度に管理しているわ」
デミ「そうか とりあえずこれを飲んで」
エリカ「え・・・」
デミ「俺の乳でうちの子も育てたので大丈夫だ」
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独特の世界観と不条理感があって
なんだか引き込まれますね!
作者様でしかできない世界観がありそうなので頑張ってください😂