第十六話、姫花の秘密!(脚本)
〇シックなリビング
俺と姫乃さんは姫子さんに案内されて屋敷の中に入り、リビングにある椅子に座り、コバットはテーブルの上にちょこんと座る。
お手伝い「どうぞ」
姫子さんの後ろにいたお手伝いさんが、俺に粗茶を用意してくれた。
彩町彩果「あ、ありがとうございます。いただきます」
彩町彩果「・・・美味しい。すみません、お茶まで出してもらって・・・」
天空寺姫子「気にしなくていい。・・・それより、私から君に話さなければならない事がある。・・・少し外してくれないか?」
お手伝い「はい。それでは──!」
彩町彩果「・・・あの、話とは一体?」
天空寺姫子「姫花の事だ。君は知らないと思うが、実はここにいる姫乃とあの娘はな・・・」
天空寺姫子「血の繋がった本当の姉妹じゃないんだ・・・!」
彩町彩果「えぇっ!?」
コバット(姫花ちゃんと姫乃ちゃんが・・・本当の姉妹じゃない!?)
天空寺姫乃「・・・・・・」
天空寺姫子「・・・8年前の話だ。私が天空寺グループのトップとして、会社を更に大きく立ち上げていくために日頃から頑張っている時、」
天空寺姫子「浮気が原因で別れた”元”旦那が突然、私と姫乃の前に現れたんだ」
彩町彩果「・・・もしかして、姫乃さんが父親の事で暗い顔をしていたのはそれが原因ですか?」
天空寺姫乃「・・・うん、それもある。でも、それ以上に1番許せないのは・・・」
天空寺姫乃「あの最低男と愛人の間に出来たお姉ちゃんを・・・いきなりあたし達に押し付けて、その上にどこかに消えていなくなった事だよ!!」
「・・・っ!?」
天空寺姫乃「・・・確かにあたしは一人娘で、いつかもう1人・・・妹でも弟でもいいから家族が欲しかった事があったよ」
天空寺姫乃「でも、あたし達から勝手にいなくなったあの男が・・・それも”ボロボロ”のお姉ちゃんを連れてきたの!」
彩町彩果「”ボロボロ”?」
天空寺姫子「・・・後から知ったんだが、どうやら彼女は2人から酷い虐待を受け続けてきたみたいなんだ!」
天空寺姫子「それを知った私はすぐに2人を通報した。2人はすぐに逮捕されたが、姫花の身元を預ける所はどこにもなかった・・・」
天空寺姫子「そこで姫乃が姫花を”義姉”でもいいからこの家に住まわせてほしいと、私に頼み込んできたんだ」
天空寺姫子「色々と手続きが必要だったが、親権とかは正式に私のものになり、姫花を新たな家族として向かえいれたんだ」
コバット(・・・姫花ちゃん)
彩町彩果「そう、だったんですね・・・」
天空寺姫乃「・・・彩果、お願い!!お姉ちゃんを助けて!!お姉ちゃんを救えるには・・・彩果しかいないの!!」
コバット「・・・彩果」
彩町彩果「・・・ああ!」
彩町彩果「・・・姫乃さん、任せてください!必ず、姫花さんを救います!だって、俺達は・・・」
コバット「ボク達は・・・」
「”最強”だから──!!」
天空寺姫乃「・・・うん、ありがとう彩果!コバットもありがとう!」
天空寺姫子「・・・驚いたな?姫乃からそこのシラコバトの事も聞いていたが、まさか本当に人間の言葉が喋れるなんてな・・・!?」
天空寺姫乃「ママ、大丈夫だよ!彩果は・・・彩果はあたし達の”ヒーロー”なんだから!絶対にお姉ちゃんを助けてくれる!!」
天空寺姫子「私は君の事は詳しく知らないが、姫乃からここまで信頼されてるのだけは分かる!」
天空寺姫子「だから社長、いや母親として・・・娘を、姫花をどうかよろしくお願いします!!」
彩町彩果「──はい!!」
コバット「・・・・・・」
俺は2人の約束を守るため、そして姫花さんを救うためにこの拳に誓うのだった──!
〇街中の道路
帰り道──。
コバット「・・・それにしても、まさかあの娘達が実の姉妹じゃなかったなんてびっくりだよ」
彩町彩果「それもそうだが、”元”伝説の情報屋だったお前でも知らなかった事もあったんだな・・・?」
コバット「いやいや、魔法を使って情報を集めるのは得意だけどさ・・・。別に情報屋でもなんでもないからね?」
コバット「周りが勝手にそう思い込んでるだけだから・・・」
彩町彩果「は?なんだそりゃ?」
彩町彩果「それにしても・・・」
天空寺姫乃「・・・・・・」
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