第十話、味方!(脚本)
〇墓地
天空寺姫花「自分がイカレてるからとか、狂人とか・・・そんな勝手な理由で何でも決めつけないでください!!」
天空寺姫花「彩果さんは彩果さんじゃないですか──!?」
彩町彩果「・・・・・・」
コバット「・・・・・・」
天空寺姫乃「・・・彩果。確かにあんたは周りから毎日虐めを受け続けて、辛い思いや悲しい思いをしてきたのは分かる・・・」
天空寺姫乃「でも、今の言葉をもう1度言ってみなさいよ!あたしもお姉ちゃんも絶対に許さないし、本気で怒るよ・・・!!」
彩町彩果「姫花さん、姫乃さん・・・」
天空寺姫花「・・・彩果さん。この前の夜、不良達に襲われていた私達を助けてくれたじゃないですか!」
天空寺姫花「その後、あの不良達が正体を現した後だって・・・私達を守るために戦ってくれたじゃないですか!」
天空寺姫花「あの時の彩果さんはイカレてなんかいませんし、最低でもありません!」
天空寺姫花「それなのに、自分ともう関わらないようにとか・・・私達のためを思って言ってるつもりかもしれませんが、」
天空寺姫花「そんな悲しい事を言わないでください!!逆に辛すぎます・・・!!」
天空寺姫乃「そうだよ、彩果。あの時のあんたは本当にかっこよかったもん。優しくて強い正義のヒーローみたいだと思ったから・・・」
天空寺姫乃「お願いだから、あたし達にもうそんな事を言わないでよ──!!」
彩町彩果「・・・・・・」
コバット「・・・彩果、もういいじゃないか」
彩町彩果「コバット・・・」
コバット「これまで死んでいった仲間や関わってきた人達の分、それを全部キミが背負い続ける必要なんてないよ・・・」
コバット「姫花ちゃんと姫乃ちゃんを巻き込みたくない気持ちは分かるけど、2人はやっぱりそのような事を望んでなんかいないんだよ」
「・・・・・・」
彩町彩果「・・・・・・」
天空寺姫花「もし、何か困っている事があれば私達がお話を聞きますし、辛い事があったらそばにいてあげます」
天空寺姫花「私達にできる事なら、何でもします!!」
天空寺姫花「だから、だから・・・」
天空寺姫乃「もっとあたし達を頼ってよ──!!」
彩町彩果「・・・・・・」
天空寺姫花「彩果さん・・・」
天空寺姫乃「彩果・・・」
彩町彩果(2人は本当に優しいな・・・?今まで出会ってきた連中とは全然違う・・・)
彩町彩果(俺はあのクソ家族やその周りの連中がいる事で、周りには”敵”しかいない・・・)
彩町彩果(コバット以外はもう、誰も信用できないとそう思い込んでいた──!)
彩町彩果(だが、どうやらそうでもなかったようだな?少なくとも、この2人は本気で俺と仲良くしたいんだな・・・)
「・・・・・・」
彩町彩果(・・・決めたよ。俺は、この2人を信じてみる・・・。そして、相手が誰だろうと絶対に俺が守ってみせる──!!)
彩町彩果「・・・ありがとう、2人共」
「・・・っ!?」
彩町彩果「確かに過去の事が原因で僕は人間不信となっていたし、ここにいるコバット以外は誰も信用できないと思っていました・・・」
彩町彩果「あの夜の後も、本当ならどこかで2人と再会したら・・・”赤の他人”としてもう関わらないつもりでした」
彩町彩果「そうすれば誰も悲しませたりしないし、誰も危険な目にも遭わせたくなかったので・・・」
天空寺姫花「彩果さん・・・」
彩町彩果「ですが、もうそれはやめます!」
彩町彩果「”俺”は・・・俺をここまで言ってくれた姫花さんと姫乃さんを信じますし、もう逃げません!!」
天空寺姫乃「彩果・・・!!」
彩町彩果「・・・感謝します、2人共!こんな俺のために言ってくれた事、嬉しかったですよ!!」
天空寺姫花「は、はい・・・!!」
天空寺姫乃「どういたしまして・・・!!」
天空寺姫乃「でも彩果、もう2度とあんな事は言わないでよね・・・!?今度また口にしたら、思い切り引っ叩くからね・・・!!」
天空寺姫花「姫乃の言う通りです!!悲しい事を言うのはもうナシですからね?」
彩町彩果「い、以後・・・気をつけます」
「よろしい!!」
コバット(ふふふっ、彩果。キミは幸せ者だね・・・!!)
コバット(そう、ボクがもしキミの前からいなくなっても・・・こうしてキミの味方は必ず現れるのだから──)
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