〇野営地
ショウイチ「・・・・・・すまん。ちょっと急用が出来た」
ショウイチ「このテントの留守番を頼めるか？」
ショウイチ「場合によっては遅くなるかもしれんが・・・・・・」
ルナ「うん、私は大丈夫」
ショウイチ「助かる」
ルナ（凄く悲して焦った顔をしていたな・・・・・・）

〇役所のオフィス
ミキ（ふむ・・・・・・）
ミキ（第一発見者のショウイチさんが言っていた動物園がここか・・・・・・）
ミキ（ん？ 何やら口コミが書き込まれている）
ミキ（・・・・・・・・・・・・）
ミキ（これが事実だとするなら・・・・・・）

〇車内
ショウイチ「・・・・・・・・・・・・」
エミ「・・・・・・・・・・・・」
ショウイチ（サン・・・・・・。無事でいてくれよ・・・・・・）

〇市街地の交差点

〇駐車車両

〇病院の廊下
ショウイチ「飼育員さん！ サンは・・・・・・」
飼育員「今、診察室の方に居ます」
飼育員「今朝、檻の中で倒れているのを見まして・・・・・・」
ショウイチ（何故だ、妙に胸騒ぎがする・・・・・・）
飼育員「うっ・・・・・・」
ショウイチ「大丈夫ですか？」
飼育員「ええ・・・・・・。ちょっと腕の怪我が・・・・・・」
ショウイチ「怪我？」
飼育員「昔の事故のですよ」
飼育員「今でもたまに痛むんです・・・・・・」
獣医「・・・・・・・・・・・・」
ショウイチ「先生・・・・・・！」
獣医「・・・・・・ショウイチさんですね」
獣医「非常に残念ですが、サン君は・・・・・・」
ショウイチ「・・・・・・・・・・・・!!」
エミ「そ、そんな・・・・・・！」
タカシ「・・・・・・・・・・・・!?」
ショウイチ「うっ・・・・・・・・・・・・！」
ショウイチ（動物園に預けた矢先、こんな事になるなんて・・・・・・）
エミ（タカシ君・・・・・・？）

〇田舎の総合病院
ショウイチ「先生、飼育員さん。ありがとうございました」
ショウイチ（目を閉じていたサン・・・・・・寝ている様だった）
ショウイチ（亡くなったなんて信じたくないぞ・・・・・・）
（・・・・・・・・・・・・!?）
獣医「どうしました？」
ショウイチ「いえ、何が聞こえてきた様で・・・・・・」
飼育員「私も。確かに笑い声が」
獣医「はて。何も聞こえませんでしたが・・・・・・」
エミ（笑い声・・・・・・？）

〇駐車車両
タカシ「・・・・・・・・・・・・」
エミ「団長さん、これを！」
ショウイチ「何!? 本当か、タカシ！」
タカシ「・・・・・・・・・・・・（コクン）」

〇立ち飲み屋
アキオ「タカシさんには人の気持ちを理解する力がある」

〇駐車車両
ショウイチ（飲み屋で知り合った僧侶の言葉を思い出した）
ショウイチ（タカシの能力は極めて高いな・・・・・・）
エミ「団長さん、先程笑い声が聞こえたと仰ってましたよね」
ショウイチ「ああ」
エミ「私とタカシ君には何も聞こえてこなかったです」
ショウイチ「何！ じゃああの時の笑い声って・・・・・・」
ショウイチ（・・・・・・ん？）

〇田舎の総合病院

〇立ち飲み屋
アキオ「動物と接する時間が長かった」
アキオ「だから動物の霊の姿が見えたり、声が聞こえるのです」

〇駐車車両
ショウイチ（俺と飼育員さんは反応したが、先生は反応しなかった・・・・・・）
ショウイチ（つまり・・・・・・）
名無し「へっ、気付いたみたいだな」
ショウイチ「誰だ!?」
名無し「俺に名前は無い。生まれた時からずっとな」
名無し「ショウイチだよな、あんたの名前」
ショウイチ「何故、俺の名前を？」
名無し「俺の姿が見えるって事は、見当がつくだろ？」
名無し「それとも、こうした方が分かりやすいか？」
ショウイチ「・・・・・・・・・・・・！」
ショウイチ（まさか、こいつの正体は・・・・・・）
名無し「一応、あんたには助けてもらった恩はある」
名無し「だから、あの時にヒントを与えたんだ」
名無し「けど、他の人間は大嫌いだ。この世界に留まるのは御免だ」
名無し「これで思い残す事は無い、あばよ」
ショウイチ「消えた・・・・・・。成仏したんだな」
エミ「・・・・・・見えたんですか。動物の霊が」
ショウイチ「確かに見えた。俺に伝言して消えていったよ」
ショウイチ「・・・・・・・・・・・・」

〇ゆるやかな坂道

〇駐車車両
ショウイチ「動物を殺した犯人が分かったかもしれない」
エミ「本当ですか!?」
ショウイチ「今から警察に話す」
ショウイチ（これでケリを着けてやる）