先輩 後輩 妹の方 ゲームセンター(脚本)
〇学校の下駄箱
りこ「先輩、ゲームセンターに行きましょう!」
先輩「いきなりだね・・・・・・」
りこ「いいじゃないですか! どうせ家に帰っても一人スマホをいじる時間が待ってるだけでしょ?」
先輩「言い方が心をえぐりにきてるねぇ」
りこ「本当の事だからしょうがないじゃないですか!」
先輩「どうしてキレられてるんだろう・・・・・・」
りこ「いいから早く行きましょう」
先輩「良くはないんだけど行こうか・・・・・・」
〇ゲームセンター
りこ「これですよ、これ!」
先輩「おぉ、クレーンゲームか。 何か欲しいのがあるのか?」
りこ「無いです」
先輩「は?」
りこ「無いです!」
先輩「何で来たのよ!?」
りこ「先輩の腕前が見たくて!」
先輩「何でそんなもん見たいんだよ!?」
りこ「気まぐれです」
先輩「気まぐれで見たくなるもんかね・・・・・・」
りこ「見せてくれないんですか?」
先輩「見せるも何も上手くないよ、俺」
りこ「まぁまぁ、軽い気持ちでやってみてくださいよ。 上手くいかなくても笑ってあげますから!」
先輩「そこは応援とか励ましてくれないかな!?」
りこ「先輩! 小さい事を気にしちゃダメですよ。 小さな器がさらに小さく・・・・・・」
先輩「分かった!! やろう、やろう!」
りこ「そう言ってくれると思ってました!」
先輩「そう言わざるを得なくなっただけなんだけど・・・・・・」
りこ「では、あの犬のぬいぐるみを取りましょう!」
先輩「・・・・・・はいはい」
りこ「しっかり狙ってくださいね」
先輩「ここでどうだろう」
りこ「・・・・・・」
先輩「・・・・・・」
りこ「おもいっきりアームで顔面潰して何してるんですか?」
先輩「ちょっと失敗しただけだよ!」
りこ「ちょっとですか・・・・・・」
先輩「まぁ、もう一度・・・・・・」
先輩「この辺でどうだろう」
りこ「・・・・・・」
先輩「・・・・・・」
りこ「仰向けになっただけですね・・・・・・」
先輩「持ち上がりもしなかったね・・・・・・」
りこ「先輩・・・・・・思ってた以上に下手ですね」
先輩「・・・・・・はい」
りこ「がっかりですよ」
先輩「・・・・・・はい」
りこ「これまでの人生で何をしてきたんですか!」
先輩「・・・・・・はい・・・・・・ってそこは関係無いよね!?」
りこ「気付きましたか」
先輩「油断も隙もないね・・・・・・」
りこ「では、次でラストにしましょう!」
先輩「分かった」
りこ「頑張ってくださいね! 結果はみえてますが・・・・・・」
先輩「最後の一言! 最後の一言が悪意あるよ!!」
りこ「先輩、集中です!!」
先輩「はいっ!」
先輩「・・・・・・よし!! ここだ!」
〇開けた交差点
りこ「『よし!! ここだ!』ですか・・・・・・」
先輩「忘れて・・・・・・」
りこ「こうなる事はわかってました」
先輩「それを言わないで」
りこ「でも、ホッとしました」
先輩「え? 何で?」
りこ「上手だったら先輩のキャラと合わないなと」
先輩「ほぉ・・・・・・つまり?」
りこ「私の中では先輩はヘタレのドジっ子キャラなので」
りこ「上手に出来たら引いてました」
先輩「何でよ・・・・・・と言うか誰がドジっ子だよ」
りこ「そこですか?」
先輩「いや、ヘタレも気にかかるけど!!」
りこ「フッ」
先輩「笑うんじゃないよ」
りこ「でも、先輩の真剣な所見れたんで良かったです」
先輩「それはどうも」
りこ「家に帰ったらお姉ちゃんに話してあげないと!」
先輩「それはダメだ!!」
りこ「どうしてですか?」
先輩「いいネタにされるからだよ」
りこ「そんな事ないですよ!」
先輩「笑いながら言われてもね・・・・・・」
りこ「では急用が出来たので私はこれで!」
先輩「絶対お姉ちゃんに言うだろ! 帰さないよ!?」