ビンダーパープル

但馬感象

44面 何も(脚本)

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〇備品倉庫
折中珠未「みんな、終わったらちょっと 共有ルームにいてくれる?」
折中珠未「駄目かな」
大花歴亜「いいよ、だからいっといで」
  どうしたんだろう
  ほっかむりした悪魔みたい
  (青い顔に頭巾かむり)
  人を受け入れない、
  余裕ないのかな折中さん。

〇未来の店
  折中さんが戻ってきたか
  (まわり明るい、華やいでるな)
  どうせ何にもない
  隠れ気味に物陰から
  (別に最初からいたんだし
  やましくないけど)
  折中さんの横顔見る。
  あーあ、関係ない
  俺は俺でやることをやろう
  (何てやる気ないけど)

〇事務所
  俺は若い男の子、
  高校生とつるんで作業するんだ
  その子がパソコン使うのを
江藤鉱「何、今からやんの?」
  ってのぞいて、
  ちょっと待ってから移動するのを
江藤鉱(折中さん見てどう思うかな)
江藤鉱(って、見やしねーよ)
江藤鉱(意識してんのこっちだけだよ 何やってんだ)

〇新幹線の座席
  ──電車の中、みんなで移動中
  (修学旅行中なのかな、肘置きある席)
  折中さんいて、いたたまれない。
  俺は座ってて、
  立って話してる折中さん。
  不意に電車が揺れて、
  折中さんはハシッと俺の両手首つかんで
  にこやかに何事もなく
  (胸当たるくらい近く身寄せて)
江藤鉱(身も心も許してねー?)
江藤鉱(好き?好きに決まってんだろ)
  そのまま・・・
  て、わけないか人違いか。
  俺に親しくするわけない

〇コインパーキング
  ──駅近駐車場前、
  証明写真機わきに物置、鉄柵があって
  何かカツンカツン叩きつける作業してる
  大花さんと川浦さん。
江藤鉱「川浦さん こっちありますよ、ハンマー」
江藤鉱(先に持ってたトングかしてって言われて 渡したけど、それじゃ心もとない)
江藤鉱「確かこっちに・・・ うん、ある、ほらここです」
江藤鉱「ただ自分はあんまり触りたくないんで」
江藤鉱(部外者なので)
川浦 凪「アニキありがとう、いかないで」
江藤鉱「はい、さよならっ」
  このあと用ありげにサッと離れて
  手伝えないし、さみしいな
  折中さんもどこかいたんだろう
  すれ違うくらいしたっけ
  来てたんだくらい思われたか
折中珠未「うちには何もなかった」
  ってそりゃそうだ
  何もないんだよ

〇塔のある都市外観
  ──吹き抜けタワーの内縁通路。
江藤鉱「──職業に関しては」
折中珠未「そんなポンポンいかれても」
江藤鉱「うわ、きったねっ」
  足元点々と落ちている
  ほこりじゃないな、糞害か
  黒ポチ、足の踏み方考えて進まないと
江藤鉱「さっきの話だけど」
江藤鉱「いいよ、ほんと、好きでいいから」
江藤鉱(都合があるのわかってるから)
江藤鉱(こっちの都合押しつけるわけにいかない)
  俺は身の上自由だから忍者になって
  移動力アップさせて
  こんなところヒョイヒョイ行きたいけど
  珠未は盗賊でいないといけない
  事情があるからな。
  お姉ちゃんとかと話してたのかな。
  とにかく、その上階の足元悪いところを
  先行して、そう告げてから
  (俺がものわかりよく言うの意外かね)
  ──これから下っていって、
  敵勢と相まみえることになる。
  反時計回りに下る階段の最中、
江藤鉱「あー狭いっ、渋滞してる」
江藤鉱「俺先頭に行くっ」
  いろんな職業の人達を跨ぎ越え、
  (自分の転々とした職歴を
  特徴のない人達が表してるみたいだなー)
江藤鉱(さて、通用すんのかな)
  ──軍勢同士のバトル。
江藤鉱「あっ」
  と遭遇するや速攻右ワンパンチ──
  引き連れウォーズ。

〇河川敷
  ──土手に腰下ろして
ツルハシ「俺、あの子に惚れてるんだ」
ツルハシ「海鮮の・・・」
  あさり?帆?

次のエピソード:45面 不整合

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