〇田舎の病院の病室
ブラック(ケイ)「・・・なるほど、それで一応戻れる方法はあるんだね？」
ミハイル「はい、ですがその薬を頼んだのが今朝なので届くまでに三日は掛かりますね」
ブラック(ケイ)「三日って意外と長いなぁ・・・。 一応聞くけど、ブラックにも教えたんだよね？」
ミハイル「はい、ですがあの人は余り動じていませんでしたよ？」
ブラック(ケイ)「そっか、なら僕も負けないようにこの身体で頑張らないとね」
ブラック(ケイ)（・・・ブラック大丈夫かなぁ・・・。 本当に僕の身体でちゃんと調査出来るのかな・・・）

〇荒廃した遊園地
ケイ(ブラック)「やっとここに戻ってこれたな。 早く奴を討伐した証を見つけなければ」
アミレー「怪しい気配は特に感じない。 討伐は完了していると見てよさそうだが？」
ケイ(ブラック)「・・・なら何故俺達の入れ替わりが解けないんだ？」
アミレー「恐らく自爆型の個体だったのだろう」
ケイ(ブラック)「自爆型？」
アミレー「自らの命と引き換えに異変を引き起こす魔物の個体の事だ」
アミレー「こういう個体は倒しても異変が解決しない為、我々も手を焼いている」
ケイ(ブラック)「なるほど、討伐したからといって異変が解決しない事もあるんだな」
ケイ(ブラック)「しかし困ったな・・・。 薬が届く前に解決出来ると思ったんだが・・・」
アミレー「まぁ治療出来るだけ良いさ。 私が見てきた中には治療出来ない被害者だって居たのだからな」
ケイ(ブラック)「解決出来るだけ幸せ、か・・・」
ケイ(ブラック)「分かった、少しでもこの身体で頑張ろう。 もう居ない弟の為にも、な」

〇一人部屋
　　数時間後
ブラック(ケイ)「部屋に帰ってきたはいいけど、これからどうしようかな・・・」
ブラック(ケイ)「とりあえず三日間の事をブラックと話し合いたいけど、いつ帰って──」
ケイ(ブラック)「ケイ、部屋に戻ってたのか？」
ブラック(ケイ)「う、うん・・・。 なんか自分の身体が勝手に動いてるの、凄く変な感じ・・・」
ケイ(ブラック)「まぁそれはお互い様だ。 今はこれからの用事を話した方がいい」
ケイ(ブラック)「とりあえず今日はアークハールの地図を見て、何処で──」
リノン「やぁ、二人とも。 体調は大丈夫かい？」
リノン「・・・いやミハイルに体調を聞いてきて欲しいと頼まれたからさ」
ケイ(ブラック)「大丈夫だ、異常は無い。 入れ替わってはいるがそれ以外はいつも通りだ」
リノン「それなら良かったよ。 あ、別件で渡したい物があるんだ」
リノン「はい、親の親戚が経営してる遊園地のチケットだよ」
リノン「もしアークハールに戻る事があったら誰かに渡そうと思って」
ケイ(ブラック)「い、いいのか!? 相当貴重な物だろ!?」
リノン「う、うん。 君達にはこないだの異変でいとこが世話になったからね」
ブラック(ケイ)「やったねブラック！ これで遊園地に行けるね！」
ケイ(ブラック)「あ、あぁそうだな。 せっかくの機会だ、遠征前に時間があったら行こう」
リノン「よし、じゃ用事も終わったしそろそろ──」
？？？「キャアァァァァッ!!!」
リノン「え、今の声は一体・・・!?」
ブラック(ケイ)「良く分からないけど助けに行かなきゃ！ 二人とも行ってくるよ！」
ケイ(ブラック)「ま、待てケイ！ まだその身体の説明が・・・！」