41面 専心(脚本)
〇近未来施設の廊下
──屋内レース中、
前走ってる車椅子の女の子、
あ、車輪とれた
おーいっ
拾って駆け寄って、
江藤鉱「これ、とれてるよね?前輪かな」
と、その子、そこで直そうとするので、
江藤鉱「ちょっとここだと邪魔になるから 通路からどこっか」
と、うながすと、
奥の部屋へ向かうのでついていく。
〇コンサートの控室
──控えスタッフルーム。
カーペット直に腰下してたり、
テーブルで作業してる人たちがいる。
車椅子の女の子はブツブツ独り言いって
俺が話しかけても返してこない。
ちょっとむくんだ折中さんくらいかな
(あばたもおたふくな顔で)
星羽さんがいて、裁縫してる。
星羽さんに
つけてもらおうとしてんのかな
何、糸切る?ハサミ、
と、サッと動いて取りにかかると
(ちょっと離れた棚の上)
葵星羽「おっ、さすが」
と、好感触。それでほだされて、
車椅子の子の顔もほころんで。
おー、とれない?
糸からまって小さいハサミ
(つながってんの、
他の裁縫道具、針とからまってさ)
ちぎっちゃおうか──
まぁ、してあげようっていう
気持ちは伝わったかな
〇職人の作業場
何か割符みたいな木札形の
いっぱい積んであって、
それ全部塗るんだって。
縁取りしといてその中をなのかな
(カラス休符みたいなのやら)
佐野さんが説明してくれて
江藤鉱(手伝おうか?)
と言おうとしたら
矢継ぎ早に話すので入れず、
佐野有里沙「これ全部ですよ すっごい重くってーっ」
江藤鉱「背負って運ぶの?そりゃ大変だ」
気にしないのか入ると見えないのか、
話すとき立ち位置近いな、佐野さん。
佐野有里沙「このよーねんーのー あーいだだけーでーもーっ」
江藤鉱「何?」
佐野有里沙「大丈夫ですか?」
江藤鉱「俺?大丈夫っすよ 自分のは終わってるんで」
江藤鉱(自分の作業は終わってるから 佐野さんのサポートしてあげたいかな)
〇アマゾン川のほとり
生贄には髪の長い
2人の女性が用意され、
2人を戦わせて、
勝った方がそのまま捧げられて
負けた方は川流しにされる
それもままならなければ
しらないから勝手にしろ
という、非情な判決下された
被告の免罪のよう(な扱い)
〇星
二人の仲は気合だけで十分!
ただこの愛は
期限付きであることをしりました
専専
專の字かな(二つ書いた)
ごはんにとろけたのりの字で
愛妻弁当って感じの装いのなかで
その真中の横棒を(專の、愛の)
ラップの上から引くことで
(なぞるというか指おし?)
強くあらわす
星羽さんがとりもってくれたのか
つなぎとめて──
3月になったら
引っ越していなくなる?
(こういうこと
いっていいのかわかんないけど)
大学?残ってこっちで通いなよ
折中珠未
きみがいなくなるなんて考えられない